うちなー→えぞ日記 (もとすけのつぶやき)

奈良県出身、沖縄での学生生活を経て、北海道ライフを堪能する、
とある研究者の日常のよしなしごとの紹介。

今週のサイクリング(7月4日)。後編

2010年07月10日 23時52分29秒 | えぞ日記(北海道編)・・日常
今週もなんだかんだで忙しく、更新が大変遅くなってしまい、まことに申し訳ありません。
今回は芸術の森美術館へのサイクリングの続きです。というか、既に次の週末を迎えてしまっているわけですが・・。


石山を過ぎた辺りから、空模様が怪しくなってきました。今にも降ってきそうな勢いです。
目的地の芸術の森までは残り数キロ、なんとか持ってくれよと祈りながら、先を急ぎました。


家を出発して1時間40分、ついに芸術の森美術館に到着しました。
美術館入口脇のチケット売り場で入場券(1100円)を購入して館内に入ったところで、雷が鳴り、雨が降り出しました。結構な土砂降りで、あと数分到着が遅れたら酷い目に遭うところでした。


今回観に行ったスタジオジブリ・レイアウト展は、その名の通り、主にジブリが製作したアニメ作品のレイアウト画の展覧会です。
レイアウト画とは、製作段階で言えば絵コンテとセル画の間に位置するもので、キャラクターと背景の位置関係やカメラワークなどの説明のために描かれるイラストです。「パンダコパンダ」(72年)で宮崎駿監督によって試験導入されたのが最初だそうで、その後、「アルプスの少女ハイジ」(74年)で本格的にレイアウト画を作成・使用する手法が取り入れられたそうです。以来、分業化したアニメ製作において統一感を出すために、様々なアニメでレイアウト画が使われるようになったそうです。
今回の展覧会では、「アルプスの少女ハイジ」や「ルパン三世」から、最新作の「借りぐらしのアリエッティ」まで、宮崎駿や高畑勲監督作品を中心に約1300点ものレイアウト画が展示されており、ボリュームたっぷりでした。
(館内は撮影禁止だったので、雰囲気が紹介できないのが残念・・)

入館したのが午後4時半過ぎで、閉館が5時半なので時間が無く、駆け足で観て回りましたが、十分ジブリの世界を味わえました。
「風の谷のナウシカ」や「天空の城ラピュタ」のレイアウト画は非常に精緻で、宮崎駿監督の色調指定のコメントが事細かに書かれていました。「この設計図を基にあの映画が作られたんだなぁ」と、感慨深かったです。
「魔女の宅急便」は、キキが街中を飛び回るシーンの巨大なレイアウト画が展示されていましたが、他作品では数十から数百点のレイアウト画が保存・展示されているところ、この作品だけは数点しか残っていませんでした。
「もののけ姫」では、キャラクターと背景のパースが合わないという宮崎駿監督の泣き言(with似顔絵)がレイアウト画に書き込まれており、大作なだけに製作には相当苦労した様子が垣間見えました。
最も展示点数が多かったのが「千と千尋の神隠し」で、ここだけで1300点の内の大半を占めるのではないかと思うような点数のレイアウト画が、壁一面を埋めるように展示されていました。その背後では、宮崎駿監督のインタビュー映像が流れていて、しばし見入りました。監督曰く、「アニメはあやかし」なのだそうで、普通の写真のようにレイアウトしてしまうと、主題と背景が混ざってしまうから、あえて主題を大きめに歪めて描くのだそうです。その方が人間の目で見た感覚に近い映像になり、ジブリ映画ならではの「どこかで見た風景」の雰囲気を出せるのたとか・・。なるほどなるほど。

そうこうしている間に閉館時間が迫り、閉館の音楽が流れ始めました。最後の方は焦っていたので、きちんと観る暇はありませんでしたが(とりあえずポニョは可愛かった)、「未来少年コナン」や「母をたずねて三千里」といった懐かしのアニメのレイアウト画が終盤に展示されていました。「じゃりん子チエ」のレイアウト画も展示されており、これもジブリ系作品だったのかと驚いてしまいました。
最後に、「借りぐらしのアリエッティ」のレイアウト画が展示されていて、まだ一般には公開されていないキャラクターの絵も含まれていました。「・・アリエッティ」は主題歌が好きで、是非観てみたい映画なので、公開が待ち遠しいですね。



館外に出ると、こんなコーナーもありました。上は、トトロのお腹の上に乗った(ように見える)写真が撮れるコーナーで、下は来場客がまっくろくろすけを描いて壁に貼り付けるというイベントコーナーです(一部微妙なのが混じっていますが・・)。こちらも午後5時半で終了だったので、今回は遊べませんでした。


さて、そろそろ帰路に就くかと思い、自転車の近くまで行くと、再び土砂降りの雨が降ってきました。この状況で強行突破すると、確実にずぶ濡れになります。今日はカメラやビデオカメラを持参しているので、無茶はできません。仕方が無いので、松の木の下で雨宿りして止むのを待ちました。


およそ30分ほどすると、雨が止みました。幾度か強行突破しかけましたが、待って正解。空には久しぶりに見る虹が架かっていました。また雨が降ると嫌なので、すぐさま自転車に乗り、美術館前を発ちました。


芸術の森から真駒内辺りまでは、ひたすら下り坂が続くので、ほとんどペダルを漕がずに走れました。空は先ほどまでの土砂降りが嘘のように晴れ始め、石山陸橋からは綺麗な夕空を眺めることができました。気まぐれに道端で止まって写真を撮れるのは、サイクリングの良いところでしょうね。


今回の車窓から・・。
涅槃大仏・・。パラダイスの香りがします。

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