ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始めいつのまにか、トライアスリートになってしまった私。

【論文の構造】難波先生より

2014-02-24 22:47:42 | 難波紘二先生
【論文の構造】
 「サイエンス」に続いて2/19「サイエンティスト」誌もSTAP細胞疑惑について報じている。同誌も小保方との連絡が取れないそうだ。
http://www.the-scientist.com/?articles.view/articleNo/39211/title/Stress-Induced-Stem-Cell-Method-Questioned/
 理研のHPからこれまで使われていた小保方の広報写真が2/20削除された。理研の調査がクロで、発表前に予防措置を取ったのだという見方も出ているが、メディア向けのリリース資料はそのままになっているから、いかがなものか。
 ネイチャー誌は1/30号に掲載された2本の小保方論文とこれに関するD.シラノスキ記者の記事2本を無料で公開した。これは異例な事態だと思う。
http://www.nature.com/search/executeSearch?sp-c=25&sp-s=&sp-q-1=NATURE%2CNEWS&sp-q=STAP+cell
 以下の記述にはこれらの論文から引用した箇所が多いので、適宜、原論文を参照して下さい。
第1論文の構造:
ところで、「ネイチャー」1/30号の第1論文には、8人の著者がいる。
(Obokata H, Wakayama T, Sasai Y, Kojima K, Vacanti MP, Niwa H, Yamato M & Vacanti CA)
 うち日本側=東京女子医大の大和雅之教授、
 ハーヴァード=C.A.ヴァカンティ教授、が「上級著者(シニア・オーサー)」となっている。
 日本側の研究者は他に、小保方晴子、若山照彦、笹井芳樹、丹羽。
他にハーヴァード側は小島宏司と小保方晴子(これは給料が一部ヴァカンティから出ていたためだろう)にMP Vacanti(これはCA ヴァカンティの弟で、今はカンザス州の陸軍病院で病理医をしている)が名を連ねている。
 論文執筆は小保方と笹井芳樹が担当したとある。
 実験を担当したのは、小保方、若山照彦、笹井芳樹、移植実験は小島が行った。
 小保方、若山、笹井、丹羽、CA Vacantiは実験計画を立てた。
 MP Vacantiと大和は実験計画とその評価に協力した。
 それぞれの分担について、論文には以上のように記載されている。

 ついで論文には、この種の原著論文には異例というべき、5つの組合せ図が添付されている。(1枚の組合せ図に10~20枚の原図が使用されているから、1論文の原図数は100枚近い膨大な数になっている。これもきわめて異例だ。)
 図1=「刺激により惹起されてリンパ球がOct4+, GFP+細胞になる」:a~iまであり、b, c, e, f, g, h, i図はそれぞれ2~6枚の図の組合せからなる。
 図2=「低いpHにより誘導されたOct+, GFP+細胞は多潜能幹細胞である」: a~iまであり、それぞれが、やはり2~9枚の図・写真の組合せからなる。
 図3=「低いpHによりいろいろな細胞をSTAP細胞に変換できる」:a~gまであり、b,c, fはやはり2~4枚の写真の組合せからなる。
 図4=「STAP細胞からのキメラマウスの作成」:a~fまであり、うちb, fが組合せ写真。
 図5=「STAP細胞からES細胞様幹細胞を得ることができる」:a~lまであり、うちa, b, d, i, k, jが組合せ写真。

 いずれも「」内が図のタイトルで、これを支持する(説明する)ために多数の図表が用いられている。
 普通、論文に使う写真は印刷経費を削減するため決定的なもの数枚に絞り、説得力があるように大きく掲載するが、この論文の場合は質よりも量で、小さくてよくわからない写真を「これでもか、これでもか」というように多数掲載している。

 さらに論文の本体とは別に、「Extended Data図」というデータ説明の頁が7頁にわたりついていて、ここに実験データを図表化した図が7枚(いずれも組合せ図)載せられている。(ネイチャー誌調査チームが、小保方に生データの提出を求めたというのは、この実験図では提起された疑念に答えることができないと判断したからであろう。)

 2.第2論文の構造:
 ここでは第1図が、「STAP細胞は胎児組織と胎盤組織の両方を生みだす」ことを説明したもので、b(実験群)右端の写真にGFPで蛍光を発する胎盤組織(STAP細胞由来の細胞がある証拠)の写真が用いられている。実験群では「Long exposure(長時間露出)」により胎盤組織が弱い蛍光を発していることを示している。
 対象群はES細胞を注入して作成したキメラマウスで、胎児は光っているが胎盤には蛍光が認められない。
 問題が指摘されているのは、第2図gの写真がこれ(1-b右端)と同一ではないかという指摘である。
 第2図は「Fgf4処理によりSTAP細胞に絨毛膜細胞系列の性質が誘導される」ことを示したものである。
 実験はSTAP細胞に分化誘導剤Fgf4を添加し、7~10日培養した細胞をマウスの胚盤胞に注入すると「Fgf4誘導性幹細胞」が形成され、胎児の53%で蛍光が観察されたとしている。この実験は、実験1ではSTAP細胞は未処置で胚盤胞に注入するとまれに胎盤に分化する現象を認めるのに対し、Fgf4処理すると胎盤に分化する細胞が著しく増える(「Fgf4誘導性幹細胞」の存在する)ことを証明したものだから、当然1とは異なる実験である。
 従って記述の通りなら、図1と図2に同じ写真が使われることはありえない。

 そこで問題となるのが、次の写真である。(明日アップロードいたします・武田)
 Fig.1-b


Fig.2-g



 これは胎盤と羊膜に見られる蛍光を長時間により撮影したもの。ホルマリン固定材料のため羊膜にゴワゴワした感じがある。胎盤の周辺に赤い色が付いているのは胎盤の自家蛍光と思われる。中央部に2箇所よく光っている部分がある。
 左のFig.1-bは「STAP細胞をGFP(蛍光を発する遺伝子)で標識し、マウス胚盤胞に注射したもの」で、胎盤に分化する細胞があることを示す。
 右のFig.2-gは、STAP細胞をFgf4で処理して「Fgf4誘導性幹細胞」に変えたもの(STAP幹細胞)を、同じように標識してマウス胚盤胞に注射すると、キメラマウス60匹中53%の胎児で胎盤細胞の~10%に「Fgf4誘導性幹細胞」由来のものが認められたとしている。
 このようにFig.1-bとFig.2-gは実験条件がちがう。
 ところが、これら2枚の写真は、同一個体の胎盤をほぼ同じ位置から撮影した(羊膜の位置は変わっている)ことがネットでの画像解析により証明されており、撮影した若山教授もそのことを認めた上で「小保方の単純ミスだ」と主張している。
 若山教授の話だと「キメラマウスの実験は、理研で1回、小保方と一緒にやって成功したきりで、山梨では成功していない」という。写真は「100枚近くをまとめて送った」という。このことから考えると、実験に成功したマウスは1匹かせいぜい数匹で、若山教授の転任に伴い、ホルマリン固定材料が山梨大に送られ、そこで写真撮影されたことになる。
 しかし論文2の図2に対応する本文には「60匹の胎児を調べて、53%に胎盤にFgf4処理STAP細胞由来の蛍光を認めた」と書かれており、若山教授の主張と数が合わない。
 小保方が実際に53%=32匹の胎児の胎盤について「Fgf4誘導性幹細胞」の有無をチェックしたのであれば、いくらでも同様な写真を撮影していたはずで、Fig.1-bで使われた同一個体の写真を誤って使う可能性はきわめて少ないと思われる。
 この論文の第3図は「Fgf4処理によりSTAP細胞に若干の絨毛膜細胞系列の性質を誘導できる」ことを説明したもの。
 第4図は「STAP細胞とSTAP由来幹細胞が分化能力をもち、それが誘導されるエピジェネティックな状態」を説明したもの。
 これらについては、次回にコメントしたい。

 今、問題にされているのは、第1論文の
 図1=「刺激により惹起されてリンパ球がOct4+, GFP+細胞になる」
 図2=「低いpHにより誘導されたOct+, GFP+細胞は多潜能幹細胞である」
 という二つの基本的主張で、この実験に再現性がないというクレームと「末梢T細胞がストレスにより多潜能幹細胞になる」という遺伝子電気泳動写真がにせ物ではないかという疑惑が提出されているわけである。
 実際のところ、この二つだけで簡潔な論文を書けばよかったので、あれほど膨大な論文を二つも書く必要はなかっただろう。
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6 コメント

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Unknown (山本信也)
2014-02-25 08:47:19
マウスのGFP観察するのにホルマリン固定なんかしないでしょう
それに今日の新聞で若山さんも何度も成功してるって書いてましたよ?
名誉教授だか何だか知りませんが適当な知識でいい加減なこと書いて誹謗中傷するのはやめた方が良いと思います
非難するならそれなりに裏付けを取って勉強してから書いてください
Unknown (一研究者)
2014-02-25 11:25:07
切片を作製して観察したのであれば、包埋前にホルマリンもしくはパラホルムアルデヒドで固定するのが普通では?
また、山梨大に移った後は成功していないというのはnatureの記事にもはっきりと載っていると思いますが?
今回の一件 (murmur)
2014-02-25 14:16:41
難波先生の鋭い切り口を尊敬します。

リケジョを持ち上げて一般大衆の人気を取る政府の政策のために、今回のねつ造はマスコミも圧力をかけられているのかまったく報じられていません。

おばあちゃんの割烹着かなんだか知らんけど
白衣はいつでも脱げるように着るべきものであって
割烹着なんか・・・ねぇ?演出がひどすぎますね。
おばあちゃんにもらった割烹着、大学1年から着てたら今頃はボロボロじゃないでしょうか?何百着割烹着もらったんでしょうね。

とにかく怪しさ満載の研究に思えるんですが。
Unknown (その筋の人)
2014-02-25 21:32:23
捏造であるとの先入観が強すぎる記事だと思います。
あと、専門用語の間違いが多すぎるので、訂正した方が良いかと思います。
笹井芳樹氏の虚偽 (texas-no-kumagusu)
2014-05-01 03:33:56
貴方が上に挙げたNatureに載った論文の記述によると、

「論文執筆は小保方と笹井芳樹が担当したとある。実験を担当したのは、小保方、若山照彦、笹井芳樹、移植実験は小島が行った。小保方、若山、笹井、丹羽、CA Vacantiは実験計画を立てた。」

とあります。一方、笹井芳樹氏は4月16日の記者会見で、自分は頼まれて論文執筆に関わっただけで、実験も実験計画立案にも関わっていないと断言しておりました。

笹井芳樹氏は上のどちらかで明らかな虚偽を述べております。

このことに関して、このブログ主、あるいは難波氏のご意見をお聞かせ下さい。
Unknown (上記の皆様ご苦労さん!)
2014-06-01 11:40:06
もう正解が出ましたね。どなたの意見が正論で、どなたが嫌がらせか?3

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