【自切】トカゲの尻尾切りの話題を取り上げたが、尻尾が再生するものと誤解していた。トカゲが敵に襲われたら、長い尻尾を切り離して、それが動くのに敵が気を取られている間に安全なところに逃げる。その尻尾はまた生えてくるが、前と同じものではない。同じものができる場合に「再生」というので、尻尾は再生しない。トカゲなどの動物が、自分で尾や肢を切断する行為を「自切(autotomy)」というのだそうだ。http://ja.wikipedia.org/wiki/自切 http://en.wikipedia.org/wiki/Autotomy
私は子供の頃に「トカゲの尻尾は切れてもまた生えてくる」と教えられ、たまに短い尾のトカゲを見ても「ああ生えている途中か」とずっと思っていた。昨年秋にもそういうカナヘビを見かけて、写真を撮影した。(下写真)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/39/af/e07dfcfc757bd71b5be73762038e6eaa_s.jpg)
(尾を自切したカナヘビ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/00/f5/5ac6b11dd611edfa62a644e35f6c3d2a_s.jpg)
(カナヘビの幼生:尾が長い)
これはカナヘビの幼生で、胴長に匹敵する長い尾をもっている。茶色の部分で自切すると、写真上のような成体ができる。(自切する部分は決まっていて、切れるような仕組みがあるそうだ。)新しく生えてきた尾は、カナヘビの場合、灰黒色で金属製の光沢をもっていて、表面に鱗がない。鉛筆のキャップのように見える。内部には脊椎骨がなく、軟骨だけがある。脊椎骨がないと椎間部で自切できないから、新しい尾は二度と切れない。もう尻尾切りで逃げることはできなくなる。
トカゲは爬虫類だが、この程度の再生能力しかない。ということは体細胞が多潜能幹細胞になれないということだ。両生類のイモリになると、肩のところで脚を切断しても指まで再生すると本には書いてあるが、まだ三本脚のイモリを見たことがない。(傍の小川にイモリがいるので実験してみたい。)ミミズは簡単に切れた身体を再生できるのに…。こうしてみると脊椎動物の「再生」というのは、なかなか難しいようだ。
もし体細胞が簡単に胚細胞に戻れるルートが残されていたら、それは個体にとって有益かどうか。せっかく卵子と精子の合体により子孫を残すという方式を進化の過程で築いたのに、体細胞がセイロンベンケイソウのように簡単にクローン増生するようになったら、確かに多くの個体を作れるが、長い眼で見たら遺伝子が劣化して、環境の淘汰圧に抗しきれなくなるだろう。
ただ骨髄細胞の中には、未分化間葉細胞(UMC)があって、それが個体の臓器や組織を修復するのに用いられているということは事実としてある。ただその場合にも、建築の骨組みに相当する部分は残っていないと無理だ。UMCには骨組みを作る機能はない。
学問的にはSTAP細胞については、それが存在するという実物証拠を示すか、理論的に存在しえるという包括的理論(仮説)を示すべきだろう。この仮説は検証可能性、無矛盾性、反証可能性を含まないといけないが、たぶんそれは無理だろう。私はそんな理論を作るつもりもない。
私は子供の頃に「トカゲの尻尾は切れてもまた生えてくる」と教えられ、たまに短い尾のトカゲを見ても「ああ生えている途中か」とずっと思っていた。昨年秋にもそういうカナヘビを見かけて、写真を撮影した。(下写真)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/39/af/e07dfcfc757bd71b5be73762038e6eaa_s.jpg)
(尾を自切したカナヘビ)
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(カナヘビの幼生:尾が長い)
これはカナヘビの幼生で、胴長に匹敵する長い尾をもっている。茶色の部分で自切すると、写真上のような成体ができる。(自切する部分は決まっていて、切れるような仕組みがあるそうだ。)新しく生えてきた尾は、カナヘビの場合、灰黒色で金属製の光沢をもっていて、表面に鱗がない。鉛筆のキャップのように見える。内部には脊椎骨がなく、軟骨だけがある。脊椎骨がないと椎間部で自切できないから、新しい尾は二度と切れない。もう尻尾切りで逃げることはできなくなる。
トカゲは爬虫類だが、この程度の再生能力しかない。ということは体細胞が多潜能幹細胞になれないということだ。両生類のイモリになると、肩のところで脚を切断しても指まで再生すると本には書いてあるが、まだ三本脚のイモリを見たことがない。(傍の小川にイモリがいるので実験してみたい。)ミミズは簡単に切れた身体を再生できるのに…。こうしてみると脊椎動物の「再生」というのは、なかなか難しいようだ。
もし体細胞が簡単に胚細胞に戻れるルートが残されていたら、それは個体にとって有益かどうか。せっかく卵子と精子の合体により子孫を残すという方式を進化の過程で築いたのに、体細胞がセイロンベンケイソウのように簡単にクローン増生するようになったら、確かに多くの個体を作れるが、長い眼で見たら遺伝子が劣化して、環境の淘汰圧に抗しきれなくなるだろう。
ただ骨髄細胞の中には、未分化間葉細胞(UMC)があって、それが個体の臓器や組織を修復するのに用いられているということは事実としてある。ただその場合にも、建築の骨組みに相当する部分は残っていないと無理だ。UMCには骨組みを作る機能はない。
学問的にはSTAP細胞については、それが存在するという実物証拠を示すか、理論的に存在しえるという包括的理論(仮説)を示すべきだろう。この仮説は検証可能性、無矛盾性、反証可能性を含まないといけないが、たぶんそれは無理だろう。私はそんな理論を作るつもりもない。
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