ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【STAP細胞:エピローグ】難波先生より

2014-12-23 09:51:17 | 難波紘二先生
【STAP細胞:エピローグ】
 12/19理研記者会見の報道を見て、「やっと終わったか…」と思った。
 この細胞については、2/3付のメルマガで「免疫遺伝子に再構成のある分化したT細胞から幹細胞を作ったら、免疫不全マウスができるはず」と疑念を表明して以来、「泉ブログ」のリストによれば、126回もネットで発言している。
 http://blog.fujioizumi.verse.jp/?eid=247
 私にとって2006/11の「病腎移植」事件以来、必死で文献を読みネットで情報を集め、全力で発信した1年になった。
 その第1回に当たる2/3に日本の報道について、こう書いた。

<1/30付各紙が遺伝子導入をしない多潜能幹細胞の作成に理研(神戸)の女性研究者が成功したと報じている。「共同」は論文が「ネィチャー」誌に掲載されたというのが主体だ。
 http://www.47news.jp/news/2014/01/post_20140129205928.html
 「読売」は祖母にもらった割烹着をつけて実験をするというのを強調している。(2/3までの各紙はすべてこの手の報道で、研究の中身についての<解説報道>がない。日本語では「ニュートン」か「日経サイエンス」のような科学雑誌を待つほかないのか…。情けない。)
 http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20140130-OYT1T00213.htm
バカバカしくて、読んでいられないので1/29付NYTとワシントンポストの記事を読んだ。>
<今朝1/30の各紙は一面トップ記事のほかに、国際面や社会面でも大きく扱っている。これは理研側のパブリシティ作戦だろう。ただ報道には不審な点もある。
 Obokataという姓でNIHのPubMedを検索すると、50近い論文がヒットするが、大部分はA, J, T, Nというファーストネームの研究者。H.Obokataではたった7本しか引っかからない。うち筆頭論文は2本だけだ。(Nature論文はまだ入力されていない。)
 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=Obokata+H
 PubMedリストの2番目の論文の末尾に名を連ねているのが、ハーヴァード大時代の上司C.A.Vacanti(「共同」はバカンティと音訳している)である。
 Nature電子版1/30号には、一挙に2本の論文がトップオーサーで掲載され、編集部による記事も載っており、さらに音声インタビューも貼り付けられている。
 http://www.nature.com/news/acid-bath-offers-easy-path-to-stem-cells-1.14600

 今までは「下働き」的な研究で、自前でやった研究の論文がいきなりNatureに2本も同時掲載されるというのはきわめて珍しい。
 ただこれがマウスだけに起こる現象か、他の動物やとりわけヒトにも起こることなのか、そのへんの詰めは恐らくもう行われていると思うが、他の研究者による追試と再現性の確認を待つべきだろう。(マウスでは起こるがヒトでは起こらない、という現象もままある。)
 一般論として述べると、科学研究は他者による「再現性の追試」があって初めて事実として認定されるべきだ。2/1「読売」社説は、すでに事実として認定した上で、「メカニズムの解明を」と呼びかけているがいかがなものか…。>
< 幹細胞研究では、ES細胞を使ったソウル大学教授の論文が「サイエンス」などにも掲載され、韓国政府が「国家英雄」の称号を授与し、大いにもてはやされていたが、2004年実験用ヒト卵子の「売買疑惑」を発端に、すべて捏造であると判明し公職追放となった事件が起きた 1)。
 昨年は医科歯科大・東大を舞台としたiPS細胞の臨床試験をボストンで実施している(場所も同じ「ハーヴァード大付属病院」)とした「森口事件」が起こったばかりだ。
 検証が比較的簡単な実験物理学のような分野でも、研究者間競争とメディアの過剰報道がからむと「常温核融合スキャンダル」のような信じがたい事件が起こっている 2)。
 科学史全体をみると、NYTのニコラス・ウェイドが指摘するように、政治家の汚職・役人の不正ほどではないが、意図的・無意識・不注意による不正は科学者にも起こっている 3)。人間のすることだから不正を100%防止するのは不可能だが、抑制力として米国が1980年代に設立した科学FBI(ORI=研究不正防止局)のような制度 4)を設けることが、巨大科学を健康に保ち研究費の浪費を防ぐために必要なのである。
1) 李成柱:「国家を騙した科学者」, 牧野出版, 2006
2) F.D.ピート:「常温核融合」, 吉岡書店, 1990
3) ウィリアム・ブロード&ニコラス・ウェイド:「背信の科学者たち」, 講談社ブルーバックス, 2006
4) 山崎茂明:「科学者の不正行為:捏造・偽造・盗用」, 丸善, 2002 >

< それにしてもNYTのアンドリュー・ポラック記者は、ヨーイ・ドンで始まった報道レースですぐに、これだけの解説報道記事を書き、NYTはそれを無料で世界中から読めるようにしている。(無料で読めないので、まだNature論文は読んでいない。)
 それが可能なのは、ペーパーレス、デジタル化により、紙新聞の原料費、生産費、流通コストをゼロにしたからだろう。その代わりに優秀な記者をそろえた。
 日本の新聞社はこの対応が完全に遅れていると、河内孝が「文藝春秋」2月号で指摘している。教養としての現代生物学は、いまやすべての記者に必要だろう。>
 このように指摘したが、その後も日本のメディア報道はあまり芳しくなかった。ドレフュース事件に際しての、フランスの作家エミール・ゾラの箴言「赤新聞は瑣事に嘘を書くが、大新聞は普段は嘘を書かない。大事に嘘を書く」というのを想起させてくれたのが、「朝日誤報」取り消し記事とSTAP報道だったように思う。

 小保方本人も理研の再現実験チームも、国内国外の第三者による10件以上の追試もすべてSTAP細胞もSTAP幹細胞もつくるのに失敗した。このことは「STAP細胞が存在しない」ということをテクニカルには意味している。「テクニカル(技術的に)」というのは、「分化した体細胞が初期化される」という理論的可能性までは否定できないからだ。アインシュタインの「特殊相対性理論」(1905)は光が重力により屈折することを予言していた。この予言の正しさは、皆既日食の際に、太陽の後に隠れているはずの彗星が見えることで実証された。
 ヴァカンティが提唱した「各臓器に初期化能力を持つ、小さな幹細胞が存在する」という理論は、誰かが実証しないかぎり、「銀から金ができる」という理論と同様に、消えて行く宿命にある。

 元はアリストテレスが述べたことだが、オッカムのウィリアムによる「オッカムの剃刀」という原則がある。「最も正しい理論とは、現象を最も簡単に説明できるものをいう」。
 プラトンは現実に存在する個物の起源を、眼に見えない「イデア」の存在を仮定することで説明した。いわゆる「観念論(イデア論)」の起源である。キリスト教神学の基盤といってもよいだろう。
 では「STAP細胞とSTAP幹細胞」を最も簡単に説明できる理論とは何か。
 第1は、STAP細胞は脾臓から取り出した細胞を1週間培養する間に、細胞がアポトーシスを起こし、自家蛍光を発するようになる。混在しているマクロファージがこれを食べ込むので、未熟な研究者が蛍光位相差顕微鏡で観察すると、「細胞塊が形成され、それがOCT4の特異蛍光を発しているように見えた」。これがSTAP細胞の本態。だから増殖能がなく、幹細胞になれない。
 第2は、「STAP幹細胞」なるものは、免疫遺伝子に再構成がなく、別種の細胞だということだ。小保方研究室の冷凍庫から、ES細胞株が入った箱が発見されており、これがすり替えによりSTAP幹細胞に仕立て上げられたとすると、すべて簡単に説明がつく。
 死ぬ細胞の自家蛍光を初期化遺伝子の発現徴候と誤認し、すり替えられたES細胞で細胞の増殖能力とキメラマウスへの分化能を主張する。

 トリックはきわめて簡単で、もし理研が「隠しカメラで小保方の実験を監視する」ということを公表していないか、本人に告げていなければ、小保方による「再現実験」は成功していたと思われる。いわば「高速ビデオで撮影する」と予告されて、インドの大魔術師が得意技を披露できないのと同じだろう。
 実際にSTAP細胞の実験が成功していたのなら、写真の加工や盗用や文章を他の論文やNIHのHPから大量にコピーする必要はまったくなかった。事実そのままを忠実に記載すれば、それで論文ができるはずだ。これらはストーリーそのものがフィクションだったから必要になった。
 「ネット集合知」により、細部の不整合性や捏造、盗用が暴かれ、他者の追試と本人らの「再現実験」により、論文そのもの虚構性が確定したというのが事実経過だろう。

 だが問題は残る。事件はなぜ起きたのか?「和田心臓移植」事件や韓国の「ES幹細胞」事件、低温超伝導に関する「シェーン事件」などは、個人の異常な野心・名誉欲で説明がつくが、小保方の場合は彼女の「妄想」が大きな役割を果たしているように思われる。
 3/12付のメルマガに以下のように書いた。
< 生体の内部に三胚葉性の臓器ごとに「幹細胞」があり、それは芽胞様細胞の形態をしていて、各種のストレスに耐性である、というのはヴァカンティの「妄想」である。彼はひたすらその説を信じて、実験によりそれを証明してくれる「忠実な弟子」を必要としていた。生命科学の知識に乏しい小保方晴子は、まさに彼にとってうってつけの人物だった。
 ヴァカンティの妄説を信じた小保方が、帰国して理研にもぐり込み、巧みに周囲の指導的研究者をたぶらかして、自分の研究を信じこませた。そこから今回の喜劇が始まった。「SATP細胞」は小保方の妄想の中にしか存在していない。
 喜劇は終わった。みんないい加減に眼を覚ませ。>
http://blog.goo.ne.jp/motosuke_t/e/267d8549bb11820d17b8396df6705a96

 「妄想(Delusion)」とは、「ある社会・文化の中で他人と共有されない誤った確信。通常、実際にはあり得ない不合理な内容で、客観的事実や論理的説明によっても訂正できない」と『認知科学辞典』(共立出版)にある。オックスォード大の進化生物学者リチャード・ドーキンス(Dawkins)に『God Delusion』(神、妄想)という著作がある。
 高校時代の小保方には(相手がそう思っていないのに勝手に「彼」だと思いこむ)関係妄想があった。妄想には誇大妄想とか発明・発見妄想もある。いずれも「訂正不能」というのが妄想の妄想たるゆえんである。
 小保方の「発明・発見妄想」が、ヴァカンティとの関係の中で生まれたことは間違いないだろう。家族に臨床心理学の関係者が多いと報じられているが、これまでの人生で精神医学の専門家に接することはなかったのであろうか?早稲田や東京医大の基礎教室にそれを期待しても無理だが、理研にはそういう医者はいなかったのだろうか?

 これらについては、
 小畑峰太郎『STAP細胞に群がった悪いヤツラ』(新潮社)
 須田桃子『捏造の科学者、STAP細胞事件』(文藝春秋、2015/1発売予定)
の2冊を読んだ上で、また考えてみたい。前者は「新潮45」連載記事の単行本化、後者は「毎日」科学環境部の科学担当記者によるものだ。(これはアマゾンで章別の内容要約が読める。)
 まあともかく、年内に決着してよかった。「再生医療」を経済政策の一つの柱にするという、安倍内閣の計画は頓挫したけれど…。
 12/20産経「余録」が「あの朝日の木村社長ですら辞任した。野依氏は偉い学者さんではあるが、トップリーダーとしての身の処し方は、ノーベル賞をとっても身につかないようである」と痛烈に皮肉っている。こういうことが堂々と書けるのが本当の言論人であって、言論の自由とはこういうことをいう。事実と異なる嘘を書くのは「言論の自由」にも「学問の自由」にも入らないことが、野依氏にはわかっていないのだろう。年内に辞任するのがせめてもの責任の取り方だろう。「俺がいなければ理研はどうなる」と思っているとしたら、人間として未熟だというしかない。
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Unknown (Mr.S)
2014-12-23 12:30:33
単なる妄想ではないような気がする。
2ch情報だが、小保方氏の記者会見を視聴していた複数の精神科医達は「サイコパス」と認定したというのだ。
精神科医というものも信用し難い存在ではあるが、一般人よりもその手の見識は遥かに深いものを持っているだろうから、ちょっと関わっただけで「ああ、、、、これは」と感付くのだろう。
断片的な知識と憎めないキャラクターを持っている小保方氏に周囲が引き込まれた形だ。
マスコミに知識を求めても仕方がない。
この組織は自己利益の為なら被災地や被害者をネタにして偽善の王道を行く「サイコパス団体」だからだ。
未だに東北地震における被災地に向けて報道展開している「絆」の意味が私には理解できない。

「てんでんこ」はよく理解できるがね。 
増殖しない細胞? (アノニマス)
2014-12-23 14:32:55
STAP細胞騒動の経緯を眺めていて、ずっと喉に引っ掛かった小骨のように、私が違和感を感じていたのは、「STAP細胞はほとんど増殖しない」と言われていたことです。なぜなら、増殖することは、最も基本的な細胞の機能であり、最も原始的な生殖方法であるからです。細菌やアメーバのような単細胞生物は、細胞分裂をすることで次の世代へと命を繋げて、種として生き続けているわけだし、もっとも原始的な多細胞生物であるプラナリアなんかもそうですね。「増殖しない細胞」は、その代が死滅したらおしまいなわけで、そんな細胞があり得るのだろうか?というのが、ずっと疑問でした。けれども、今回の難波先生の解説で、死にかけの細胞をSTAP細胞と言っていたんだとストンと理解できました。
Unknown (Unknown)
2014-12-23 16:19:44
退職3日前の12日に、三ノ宮でショッピングや美容院にひとり堂々と出かける小保方氏をTVで見た。

カメラ目線で、レポーターを駆け足で振り切る映像からは「憔悴してる」様には見えない。

体調不良で会見欠席と理研が発表したが、
本人は出席する気満々で身支度を整えようとしてた気がする。
欠席させたのは大局的に正解だったのかもしれない。

「サイコパス」というのも否定できないなぁ。。





大人の形をした子ども (spinnaker)
2014-12-23 17:40:23
改革委員会の方々の提言の中には、小保方さんについて言及されていませんでした。どうしてここに(可愛らしく純真な)子どもが紛れ込んだんだろうね、誰が連れてきたんだろう、そこを明確に、という趣旨が表れていました。

最後の最後まで、「あるんです~」と言い続ける子どもに対して、ハイハイ、あるね、あるよあるよ、お嬢ちゃん、気をつけておうちに帰るんだよ。もう、実験室に紛れ込んじゃだめだよ。

さーて、誰だよ連れてきたのは、あっ、、、もういない。
Unknown (Unknown)
2014-12-24 00:14:25
アインシュタインの一般相対性理論を強く支持する根拠となったのは、太陽で曲げられた「恒星」の光が1919年の日食の際に観察されたことですよ。

>アノニマスさん
人間を含めた多細胞生物の体内のほとんどの細胞は、増殖しません。細胞は分裂によって増殖しますが、細胞が分裂サイクルに入るかどうか、ということは多段階のチェックシステムによって厳密に制御されています。このチェックシステムが壊れた細胞が増殖すると、がんになるわけです。
発生の過程や損傷の修復過程では、分裂サイクルがオンになるよう制御されて増殖が起きます。また、腸管や皮膚など常に新陳代謝の行われている部位では、分裂サイクルに入った幹細胞が増殖を行い、分裂して生じた多くの細胞は分化して増殖性を失っていきます。
体内では「その代が死滅したらおしまい」じゃない細胞の方が珍しいのですよ。
Unknown (Unknown)
2014-12-25 21:14:16
明日、理研緊急発表。 STAPは99.9%ES。

ただし誰が混入したか不明である。 笑)

未熟で不勉強な小保方に、ESを用意したのは笹井氏なんてオチはやめてくれよ。。


やれやれ、とんだクリスマスだ。
「STAP細胞学」の提唱 (Nekogu)
2014-12-26 01:38:46

私の総括として、以前(8.4)、科学コミュニケータブログに寄せた文章を、この場をお借りして、以下にほぼそのまま再録します。

「STAP細胞学」の提唱

「STAP」はなかなか卓越した概念であると、私は考えます。というのは、この概念によって、これまで個別に提示されてきた、ある刺激/ストレスによって体細胞から得られた多能性(幹)細胞を整理して理解することができるようになるのではないかと思われるからです。「ストレス」の概念を拡張すれば、iPSの「初期化遺伝子群の導入」もストレスの範疇に含めることができるとは考えられないでしょうか。「初期化遺伝子群の発現は、分化細胞の分化状態を維持できない程のストレスをその細胞に与える」と見なすことが出来るからです。

STAPは Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency のアクロニムですが、撤回されたNature論文の中で、いろいろな刺激を stressor といっていたわけですから、S はむしろStress であるべきだと思います。そうすると、iPSこそはSTAP細胞の1つであり、iPSも含めたSTAP細胞という研究領域が浮かび上がってきます。

この研究領域では、「細胞の分化状態を維持できない」程のストレスをその細胞に与え、「増殖も死滅も出来ない状態」を長期間持続させ、最終的に細胞を初期化、あるいは脱分化させる「ストレス」を見いだすことと、そうしたストレスの作用機序とストレスでもたらされた「多能性細胞」を相互に比較することなどが、研究の主題となります。今のところ、そうしたストレスは山中法(初期化遺伝子群の発現)以外には見つかっていないと考えるわけです。小保方法(弱酸性処理)やヴァカンティ法(研和)は理研CDBで検討中であり、他のストレス法も探求されねばなりません。

こうした見方は、iPSの中山先生には大迷惑かもしれませんが、学問の体系化という観点からは、意味がある/正しいのではないか、と私は考えます。しかも、これで、STAP細胞はあるとかないとかの、不毛な議論は不要になり、STAP研究の環境は健全な状態になるのではないでしょうか。

ただし、当面の研究対象となるのはSTAP幹細胞で、前段階のいわゆるSTAP細胞ではありません。iPSと対応するのはSTAP幹細胞です。Nature論文を読んだ当初から疑問に思ったのは「初期STAP細胞」の解析に拘っている点でした。「初期STAP細胞」は増殖性が乏しく、細胞集団が一様でなく、恐らく不安定で、解析に適さず、実用性も低いにもかかわらずです。
 一方、「初期STAP細胞」に対応するのは「初期iPS」になるのでしょうが、「初期iPS」はほとんど研究されてきませんでした。増殖性のない細胞の細胞特性を解明するのは困難で、実用性も乏しいからだと思われます。最近になって、iPS変換過程に焦点を当てた論文が、中山グループから発表されました。(Nat Commun 5:3678, 2014)
 したがって、今行われている「初期STAP細胞」の検証実験や再現実験は困難であり、失敗に終るでしょう。まずは「STAP幹細胞」の検証・再現を目指すべきだと、私には思われます。

以上。

残念ながら、理研の「検証実験」(12.18 結果公表)では、STAP幹細胞の樹立には、あまり力点が置かれなかったようです。
Unknown (Unknown)
2014-12-26 02:46:12
山中先生のお名前でさえ間違うような人間がiPSについて語るなんて・・・

iPSの初期化過程に関する研究はこの数年、続々と報告されています。わざわざSTAPやmuseにこじつける必要性がありません。「STAP幹細胞」の検証結果からは、ES細胞の混入である可能性大との結果が出たようです。

Nekoguさんが初期化にご興味をお持ちでしたら、ご自身で大学院等で実際に実験されると良いと思います。その上で、データを元に「STAP細胞学」を提唱されるべきでしょう。
Unknown (Mr.S)
2014-12-26 03:06:50
STAPなんかありゃせんの。
もしあったら褒めてやるよ。
Nekoguさま (アノニマス)
2014-12-26 13:18:27
あなたが言ってることは、単なる屁理屈か空想・願望と言うしかないです。なぜなら、あなたの論理は、STAP細胞が存在しなければ、何も根拠がないからです。
例えば、私が家族とお茶を飲みながら、「この地球上の環境に適応した生命体が存在している以上、火星には火星の環境に適応した生命体が存在するかも知れない。」と言うのと同じレベルです。可能性としては誰も否定できないけれど、仮説とも呼ばれません。科学者が、火星にロケットを飛ばして、例えば遺伝子の欠片とか、生命維持に必要なたんぱく質の分子を見つけたとかの証拠があって、初めて「火星にも生命体が存在するかも知れない」という仮説が成り立つものだと思います。

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