この懐かしき本たちよ!

まだ私の手元に残っている懐かしい本とそれにまつわるいろいろな思い出、その他、とりとめのない思いを書き綴りたい。

#474 フランス映画「天井桟敷の人々」12

2008年05月13日 | 映画、ドラマ
私の尊敬するWさんからメールを頂いた。
Wさん。有難うございました。

Sさん     Wです
Sさんの大好きな『天井桟敷の人々』は、私が、田舎から上京し、大学に入って、間もなくの頃(だったと思うのですが)、学校の小ホールで見た記憶があります。だから記憶は、あやふやで断片的です。印象に残っているのは、パリの下町の喧
騒、天井桟敷の熱狂、女芸人をめぐる〝大恋愛〟でした。
「すごい映画だな」という強烈な印象を残したことは事実です。
だけど、映画が語りかけている意味をそんなに理解できていなかったと思います。

昨日、Sさんのブログをじっくりと拝見、拝読しました。
名場面集をことごとく見ました。それを見ているうちに、ぼやけてしまった記憶が少しよみがえってきました。これも学生時代の記憶ですが、ものすごく長い映画でしたよね。廉価版のDVDもあるようですから、近く、腰を入れて見てみたいと思っています。

この映画が製作されたのは、第二次世界大戦のさなかですよね。
当時の日本はとてもこのような映画を作る想像力も財力もなかった。
フランスだってナチに散々痛めつけられていた時代ですよね。

そんな時代に、言ってみれば、恋をテーマのな映画を作るというフランスの創造力には、底知れぬ文化の力を感じます。「恋なんて簡単よ」と、ガランスは言いますが、それは、「恋ほど複雑で難しいものはない」という反語だと思います。あの時代に「映画つくりは簡単よ」なんてとても言えない時代に、つくったという悲壮なまでのマルセル・カルネ監督の血の出るような創作意欲に対して、ただただ驚嘆、驚倒いたします。

戦時の暗い世相の中で、思い切り明るいパリの下町の喧騒、天井桟敷の人びとの貧しいけれど子どものような底抜けの天真爛漫さ、カルネ監督の描いた『天井桟敷に人々』は、あの時代のまさに〝反語〟ではなかったのか、と思ったりもします。

昨日は、Sさんのブログを思い切り楽しませていただき、勉強をさせていただきました。その余韻でついつい駄文を書きたくなりました。あしからず。

 W拝

                      (つづく)

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