王様の耳はロバの耳

たったひとりの叫びでも、そのうち風にのって広がれば・・・

安保法案:大荒れ必至の最終局面へ

2015-09-15 06:01:50 | 戦争法案
ヴィジュアル的にインパクトのある絵である。



人文字で「NO WAR」 安保法案に反対の市民ら(共同ニュース)



「「NO WAR」7千人が人文字 安保法案反対で 広島」(朝日新聞 9月13日)

>被爆地・広島では約7千人(主催者発表)が広島市中区の中央公園に集まり、人文字を作って法案反対を訴えた。

>午後3時。参加者は合図とともに一斉に「戦争NO!」などと書いた紙を頭上に掲げ、「NO WAR」「NO ABE」という計10のアルファベット文字を1文字約20メートル四方の大きさで形づくった。



一方、13日(日)に投開票が行なわれた山形市長選挙では残念な結果に終った。

「山形市長に佐藤氏が初当選 自民・公明など推薦」(朝日新聞 9月13日)

>山形市長選は13日、投開票され、新顔で元経済産業省職員の佐藤孝弘氏(39)が、元防衛省職員の梅津庸成氏(48)とラーメン店経営の五十嵐右二氏(64)の新顔2人を破り、初当選した。投票率は56・94%(前回47・60%)だった。

>市長選では、民主、共産、社民などが推薦する梅津氏が、参院で審議が大詰めの安全保障関連法案を争点に掲げ、「安保法案反対」を前面に打ち出した。

>これに対し、自民、公明などが推薦する佐藤氏側は「安保法案は市政と直接関係がない」との立場を取った。政権与党との関係強化が市勢の発展に役立つとし、半世紀近く続く「非自民」勢力が主導する市政の刷新を訴え、安保法案への批判をかわした。



与党側は「安保法案」の勝利などとうそぶくが、記事にあるように、当選した佐藤氏側は「安保法案は市政と直接関係がない」としアピールには盛り込まず、安保法案は直接の争点にはならなかった。
また、佐藤氏は二度目の挑戦で、運動に4年を費やしたのに対し、梅津氏の準備期間は僅か数ヶ月であったという。更に、それぞれの得票数は佐藤孝弘氏:56,369票、梅津庸成氏:54,596票で、その差は1,773票の僅差だった。

ちなみに同日に行なわれた長野市議選では日本共産党が7名全員当選で、前回より1議席増となっている。

 * * * * *

さて、いよいよ近付いた「戦争法案」の行方を占う『Xデー』。
17日か、18日か、それとも連休突入で先送りになるのか。

従来からNet上では「秘策」と称して法案成立阻止の作戦や方法が語られてきた。それぞれ具現性のあるもの、反面、実現性の疑わしいものとがあって、しかも、状況は変化するのでその時々でそれに敵うものかどうかは常に不確定的だ。

改めて野党は「あらゆる手段で成立阻止」と、結束を固めている。

ついて、最も直近の記事で、具体性があり、実際に野党が実行するであろう作戦は次の通り。
もちろん、与党側は承知のことであり、どういう形でその攻防戦が繰り広げられるかはわからない。野党には臨機応変、相応な身のこなしが求められる。

野党抵抗「あらゆる手段」で 安保法案 近づく採決 決議案連発や長時間演説 存在感アピール狙う
日本経済新聞 9月13日

 安全保障関連法案は17日の成立を目指す与党と、徹底抗戦を掲げる野党との攻防が大詰めを迎える。与党が参院平和安全法制特別委員会で採決に踏み切れば、野党は「あらゆる手段」を駆使して参院本会議での成立を阻む考え。数で劣る野党はどんな抵抗戦術を想定しているのか。

 民主党の岡田克也代表は12日、甲府市内で講演し「内閣不信任決議案や問責決議案を含め、あらゆる手段を講じる」と強調した。民主、維新など野党6党と参院会派「無所属クラブ」は11日の党首会談でこうした方針を確認した。

 自民、公明両党は衆参両院で過半数を占めるので、理屈の上では全ての法案を成立させられる。野党の対抗策は「与党の『数の横暴』を訴える」「審議を遅らせて時間切れを狙う」だ。

連休前に攻防
 7月の安保法案の衆院通過時の混乱は、安倍内閣の支持率低下につながったとみられる。野党は参院でも抵抗し「不正常な採決」と訴える。

 「時間切れ」を狙う場合のヤマ場は18日だ。19~23日は秋の大型連休で、残りの国会会期中の平日は24、25日の2日間。野党側は連休前の成立を断念させ、世論の後押しを得たい考えだ。

 このため内閣不信任決議案や閣僚問責決議案などの連発を想定する。与党が特別委で安保法案を採決すれば、参院本会議に中川雅治議院運営委員長の解任決議案、鴻池祥肇平和安全法制特別委員長の問責決議案、山崎正昭議長の不信任決議案、中谷元・防衛相、岸田文雄外相らの問責決議案の連発を検討する。衆院への内閣不信任決議案の提出も視野に入れる。

 決議案を提出すると採決まで1本あたり3時間程度かかる。一般の法案より優先処理されるため、否決されても時間稼ぎはできる。抵抗姿勢を訴える効果もある。

 野党は各決議案の趣旨弁明などで長時間演説をし、議事進行を遅らせることも検討する。長時間演説は米議会では「フィリバスター」と呼ばれる。2004年の年金制度改革法案の審議では、民主党の森ゆうこ参院議員(当時)が厚生労働委員長の解任決議案の趣旨説明に3時間かけた。

 本会議の採決は出席議員の5分の1以上が要求すれば、記名採決にできる。その場合、議席から投票箱までゆっくりと歩いて時間を稼ぐ「牛歩戦術」をとった例がある。

 1992年の国連平和維持活動(PKO)協力法の審議では、社会党などが徹底的な牛歩戦術を使い、衆院では可決に4日間を要した。社会党の全衆院議員が辞職願を提出する奇策もあった。

冷ややかな声も
 世論調査で安保法案への支持が広がらない中、野党は徹底抗戦で存在感を示す考え。ただ「何でも反対の万年野党に逆戻りすれば政権交代は遠のくばかりだ」(民主党幹部)との声もくすぶる。維新内には不信任案への反発もある。

 安保法案は参院送付から60日が過ぎる14日以降、衆院で再可決して成立させることもできる。野党各党は状況を見極めながら対応策を練る。


もちろんその実効性と相まって、裏には様々な思惑もある。
ほかに、公明党の造反を狙った切り崩しなども語られてはいるが、現実味、という点では心許ない。
一方で、やはり何と言っても国民の声は効果的である。それは8.30に勝る国会包囲の巨大デモ。おそらく、17日、18日にはそれが実行、実現されるだろう。


そう言えば、公明党絡みでこちら、例の学会員が集めた署名の件。

「創価学会員「安保反対署名」 公明党受け取りも“異例の3条件”」(日刊ゲンダイ 9月13日)

>安保法案に反対する9177人分の署名を公明党が11日、ようやく受け取った。8日から、東京・信濃町の公明党本部前で訴え続けた創価学会員、天野達志氏(51)の粘り勝ちだが、受け取るまでにも一悶着あった。直前に“異例”の条件を突きつけられていたのだ。

>天野氏は山口那津男代表や所属議員に署名を手渡そうとしたが、「警備員に渡せ」と突っぱねられていた。10日にようやく担当者から「職員が受け取る」と連絡を受けたが、3つの条件を言い渡された。

>「やっと手渡しできるとホッとしたのですが、『党本部内での受け渡し』『1人で来ること』『撮影禁止』の条件を付けられました。マスコミや支援者の方も居たので、『皆の見ている前での受け渡し』をお願いしたのですが、なかなか了承してくれない。11日になって『マスコミ以外の帯同者1人』『党職員による撮影』の許可を得ましたが、『党本部内――』の条件は覆りませんでした」(天野達志氏)

>11日はマスコミ数社に加え、安保法案に反対する母親グループ「ママデモ」、70歳前後の年代からなる「OLDs」、一般の学会員も集まった。公明党はそんなに公衆の面前で署名を受け取るのがイヤなのか。大きく報じられて困ることでもあるのか。

>「一学会員が書面を渡すのに、なぜこんなに条件を付けられなければいけないのでしょうか。納得のいかない思いはあります。公明党は『平和の党』としての存在意義をなげうって与党にとどまっている。今のままなら、私は応援する気にはなれません」(天野達志氏)

>「受け取りましたよ」というポーズなのだとしたら、トンデモナイ。山口代表は支持者にきちんと返答すべきだ。


結局のところ、馬耳東風なのかもしれないが、せめて意義はあったのではないだろうか。

ともあれ今、この数日が差し当たっての正念場だ。


安保法案17日夜にも成立?攻防は最終局面」 TBSニュース 9月14日



 安保法案の国会審議が、大詰めを迎えています。野党は14日も政府答弁に納得せず、審議は度々中断。一方、政府与党は早ければ17日の夜にも法案の成立を目指す構えです。与野党の攻防は最終局面となっています。

 「国会前にはきょうも安保法制に反対する人々が多く集まっています。子ども連れの家族も参加していて、幅広い世代に反対の声が広がっていることが分かります」(記者)

 国会の正門前では、14日も安保関連法案に抗議する座り込みが展開されていました。

 「ここで意思表示しないと、本当に後で後悔する」(デモ参加者)

 そして門を隔てた国会の中では・・・

 「私自身はその点についての報告は受けておりません」(横畠裕介 内閣法制局長官)

 「『私自身』なんて、個人の話は聞いてないよ!法制局長官なんだろう?ふざけるな!」(民主党 福山哲郎 参院議員)

 95日間の延長を経て戦後最も長い245日間に及んだ今の通常国会。27日の会期末まで2週間を切って最大の焦点安保法案の審議が今週、大詰めを迎えます。しかし、ここまで審議を積み重ねても、なおはっきりしない政府側の答弁に14日も野党が納得せず、審議が再三、中断したり、中谷防衛大臣が答弁の撤回に追い込まれるなどヤジが飛び交う荒れ模様の展開に。見かねた委員長が大声で注意する場面も見られました。

 「先ほどの私の発言につきましては誤解を招くもので、撤回させていただきます」(中谷 元 防衛相)

 「大事な声が聞こえないの。不規則発言をお互いにやめよう。ちゃんと審議しよう」(参院特別委 鴻池祥肇 委員長)

 また安倍総理に向けては総理としての資質を問い質す、こんな質問も飛び出します。

 「国民はですね、自分の国の総理大臣は立派であってほしいと素朴にそう思っているんですよ。少し辛口なことを申し上げます。国会審議における総理の態度も誠に残念であります。総理は自分の意に反する意見について謙虚に耳を傾けるという態度に欠け、顔をしかめ、時には乱暴な言葉を吐く。やじについても泰然と受け流す器量が見えない」(民主党 北澤俊美 副代表)

 防衛大臣も務めたベテラン、民主党の北澤議員は国会審議での安倍総理の態度を、こう質しました。当の安倍総理は「真摯に受けとめていきたい」と応じる一方で、法案については・・・

 「確かに、まだ支持が広がっていないのは事実でございますが、我々はこの法案がですね、もし成立をした暁にはですね、そして時が経ていく中において 間違いなく、ご理解は広がっていくと」(安倍首相)

 国民の支持が得られていないことを自ら認めながらも「時が経てば理解は広がる」と強調。その自信の理由は不明ですが、今の国会で法案を成立させたいという強い決意を示しました。参議院での審議時間は14日で90時間を超え、いつ採決するかが焦点になってきます。

 政府・与党は17日木曜日に特別委員会で採決。その日のうちか、または翌18日には参議院本会議で可決・成立を目指す姿勢です。ただ、自民党は16日から所属の参議院議員だけでなく衆議院議員にも速やかに国会に集まれる場所に待機するよう求める方針で、衆議院で再可決する「60日ルール」を使う可能性にも含みを残します。

 一方の野党側は早期の採決には徹底抗戦する構えで、採決の際に、わざとゆっくり歩くなどして時間を稼ぐ「牛歩戦術」を使う可能性にも触れています。

 「かつて先輩方もそういう戦術を使った。国民の皆さんから、むしろそういうことをやれと声が上がってきているのは若干の驚きを持って迎えている。相手の出方を見ながら戦術を考える」(民主党 枝野幸男 幹事長)

 採決の日程をめぐり、与野党の攻防はクライマックスを迎えることになります。


■安全保障関連法案をめぐる当面の日程
9月14日   法案を衆院で再議決できる「60日ルール」が適用可能に
  15日   参院特別委で法案採決の前提になる中央公聴会
  16日   横浜で地方公聴会
  17日   与党、参院特別委で法案を採決予定
  18日   与党、参院本会議で法案の成立をめざす
19~23日  大型連休
  26日ごろ 安倍首相、国連総会出席のため米国へ出発予定
  27日   通常国会会期末
10月上旬   内閣改造


参議院安保法制特別委員会の本日開かれる中央公聴会には小林節教授、SEALDsの奥田愛基氏ら6人が公述人として出席する。奥田氏は民主党の推薦による。

坂元一哉大阪大大学院教授(国際政治学) 与党推薦
浜田邦夫元最高裁判事 民主党推薦
白石隆政策研究大学院大学長(政治学) 与党推薦
小林節慶応大名誉教授(憲法) 維新の党推薦
松井芳郎名古屋大名誉教授(国際法) 共産党推薦
奥田愛基 明治学院大学学生 民主党推薦


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