日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

この季節の楽しみ 2017(10)

2017-07-09 09:10:13 | 野球
四度目の週末を迎えて16大会が開幕しました。試合数も一挙に増えて、16日目は23大会110試合の開催でした。開催中の大会を示す公式サイトの日本地図が半分以上塗りつぶされ、大会はいよいよ本格化の様相です。それとともに暑さもいよいよ本格化し、今季初めて自室に冷房を投入。終日我が家に閉じこもり、耐え難き夏の暑さをやり過ごす一日でしたorz

・東北
68チームで戦われる岩手大会は、開幕日を終えたところで早くも2回戦に入りました。全43県中最も広い岩手の中でも、とりわけ広いのが南北方向です。その広い県土一杯にまたがる、北海道の支部予選でもなかなかない壮大な戦いが同大会の見所でもあります。この日の白眉は水沢商対久慈東、直線距離でも約130kmを隔てた両校の対戦でしたが、試合展開も劇的でした。2対2で突入した延長10回、水沢商が勝ち越すも、久慈東がすぐさま同点に追いつき、再試合もちらつく14回表、水沢商が再び勝ち越し勝負ありという結末です。この試合を筆頭に、この日の岩手は9試合中7試合が9回以降まで戦われ、そのうち5試合が2点差以内、延長線とサヨナラ勝ちが各2試合という接戦ぶりでした。
将棋界では超大型新人の連勝記録が話題となりましたが、高校野球界で今季注目されるのが、10連覇中の聖光学院がどこまで勝ち続けるかです。そしてこのblogがそれ以上に注目しているのが、藩校を発祥とする会津です。秋季と春季は初戦で敗れたものの、昨季4強入りの学法福島と、古豪学法石川の両校相手に惜敗という結果であり、昨夏の県8強入りがまぐれではなかったことが窺われます。あと二つ勝てば16強入りし、そこには聖光学院が勝ち上がってくると予想されます。二年連続の8強入りは難しいとしても、相見えるところまでは勝ち残れるかもしれません。

・北信越
遠隔地のチーム同士の対戦は、広大県の大会における見所の一つですが、唯一の例外なのが新潟です。移動を回避するため同じ地区同士のチームを組み合わせる結果、同じ町、あるいは隣町のチーム同士により繰り広げられる練習試合のごとき戦いぶりには、毎度興ざめさせられます。ところが今年は、対戦も球場も無作為の組み合わせになり、上越と下越のチームが初戦でいきなり当たったり、上越、中越のチームが下越の球場で戦ったりという現象が続出しています。過去の記録を繙くと、三年前と六年前にも同様の現象が起こり、翌年から元に戻ったことになっています。南西から北東まで300kmにも及ぶ細長い県土だけに、移動の負担を嫌う意見が根強い一方、近所同士の試合だけでは面白味に欠けることから、在学中一度に限り無作為に組み合わせるという政治的決着が図られたのでしょうか。来年以降の組み合わせが注目されます。

・東海
愛知で一挙27試合が戦われました。これだけの試合数になると話題には事欠かず、中でも瀬戸窯、名古屋市工芸の両校が揃い踏みしたのが特筆されます。野球については全くの弱小校が多い芸術系の高校にあって、名古屋市工芸は昨季突如として3勝を挙げました。まぐれかと思いきや、今季も大勝で初戦を突破しており、次戦の戦いぶりも注目されます。
揃い踏みといえば豊田西と西尾東もそうでした。片や杉浦を生んだ挙母の後身、片や12年ぶりの月間MVPで話題をまいた岩瀬の母校であり、名選手を生んだ無名校として、このblogでは毎年追いかけているチームです。無名校なのであって弱小校ではなく、どちらも過去五年以内に県4強入りを二度果たしています。特に五年前は両校が揃って4強入りを果たしました。次戦はいずれも一週間後と決まっており、少なくともあと一度は両校が揃い踏みすることになります。

・九州
沖縄と同様、離島勢の試合を開会式のある週末に集中させるのが長崎大会の特徴です。この日は全6試合に離島勢7校が登場し、2勝5敗という結果でした。6試合に7校ということは、1試合は離島勢同士の対戦になるということであり、本土のチームを下したのは五島だけでしたorz
鹿児島は雨で今季二度目の全試合中止となり、トリを飾る種子島中央の初戦の初戦も順延となりました。しかし、二日、三日の足止めも珍しくない鹿児島にあって、一日限りで済めば上出来ともいえます。仕切り直しの一戦は正午前に開始の見込みです。

・沖縄
この日をもって8強が出揃いました。8試合中6試合が9回まで戦われ、そのうち1点差が4試合、2点差が1試合という相変わらずの接戦ぶりです。しかし、沖縄尚学と興南はしぶとく勝ち残り、8強のうち両校を含む6校が選手権出場経験を持ちます。8強の時点で無名の公立校ばかりとなった去年ほどの波乱は起きず、落ち着くべきところに落ち着いているのが現状です。2校残った離島勢の戦いぶりが、今季の沖縄大会最後の見所となりそうです。

★岩手大会2回戦
 盛岡四10-3軽米
 花巻農9-5盛岡市立
 平舘1-3花巻南
 紫波総合8-9x西和賀
 水沢商4-3久慈東(延長14回)
 大船渡5-3盛岡北
 水沢一7-2黒沢尻北
 花泉4-5x一関修紅(延長11回)
 住田0-10x一関二
 大船渡5-3盛岡北
★福島大会1回戦
 福島工2-4会津
 清陵情報33-0新地
 勿来工1-0いわき海星
 只見1-3郡山東
 相馬東2-6磐城農
★茨城大会1回戦
 友部・神栖・潮来・石岡商1-21鬼怒商
★東東京大会1回戦
 九段0-7x立教池袋
★新潟大会1回戦
 帝京長岡2-4糸魚川
 長岡農0-32新潟
 豊栄0-8新潟産大付
 上越総合技術7-0新潟東
 羽茂3-13三条
★愛知大会
・1回戦
 瀬戸窯1-5大府東
 名古屋市工芸11-1安城学園
 佐織工0-10豊田西
 高蔵寺20-0美和
 猿投農林1-4大同大大同
 桜台1-5杜若
 明和10-2岡崎北
 西尾東8-0蒲郡
・2回戦
 名古屋大付2-22春日井西
★徳島大会1回戦
 つるぎ0-10x阿南高専
★長崎大会1回戦
 上五島4-1壱岐商
 五島海陽1-3佐世保高専
 上対馬3-14佐世保西
 五島3-2佐世保商(延長12回)
 諫早9-0北松西
 壱岐4-5x長崎北陽台
★沖縄大会3回戦
 那覇商2-9x沖縄尚学
 糸満4-0浦添工
 宮古1-0豊見城
 読谷2-3興南
 北山3-10x美来工科
 首里10-11宜野座
 知念5-6x浦添商(延長11回)
 八重山農4-2八重山
コメント