日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

この季節の楽しみ 2017(6)

2017-07-03 23:29:04 | 野球
一日降り続けた雨が上がって、関東はいよいよ耐え難き暑さになってきました。11日目の試合数は若干減り、5大会48試合の開催です。

北海道の支部予選は最終盤に入り、新たに旭川、空知、小樽の各地区で代表が出揃いました。
公立私立の双璧が相見えた札幌の一戦は北海に軍配。札幌南に一時逆転を許し、7回まで全く互角の展開も、8回、9回に各3得点を挙げて振り切るという展開でした。マスコミが札幌南の健闘を讃える中、天邪鬼の印象に残ったのはむしろ北海の戦いぶりです。横綱が一瞬土俵際に追い込まれても、終わってみれば完勝だったという一番がしばしばあります。あわやと期待させつつ最後に勝つ老獪さは、去年の松商学園を彷彿とさせました。一月半の長丁場を通じてみれば、まだ序盤も序盤の段階ではありますが、自分にとっては後々振り返っても今季の五指に入るであろう好試合でした。
同じく双璧の対戦が実現した小樽地区では、小樽潮陵が打撃戦を制して代表入りを果たしました。6対6で迎えた延長10回に一挙10得点という、高校野球ならではの劇的な展開でしたが、その裏に3点返した小樽桜陽の意地も天晴れでした。

愛知では錚々たる古豪が一堂に会しました。敗者復活からの全国制覇という空前絶後の記録を持つ旭丘、戦前の古豪愛知商、それに「私学4強」の一角を占める享栄の三校です。中京大中京、東邦、愛工大名電の三校が幅を利かす愛知の高校野球界にあって、三巨頭に次ぐ戦績を残してきたのがこれらの古豪であり、いずれも8回の選手権出場は同点4位の記録です。全国でも一、二を争う激戦区にあって、8回の出場は数字以上の偉業といえます。次点が大府の3回であることからしても、格の違いが推し量れるというものでしょう。前日の享栄戦がノーゲームとなったことで実現した夢の競演でしたが、それをいずれも勝利で飾ったところに古豪の風格が感じられました。
ちなみに、旭丘といえば尾張の藩校の流れを汲む名門ですが、この日は同じく藩校を発祥とする成章も初戦を飾っており、伝統校が揃い踏みした一日でもありました。

鹿児島では二日目にして離島勢が初登場しました。部員数の減少、学校の統廃合などによって離島のチームが年々姿を消していく中、今季も7つの島から11校が単独で出場する健在ぶりは喜ばしいものがあります。
もう一つ注目すべきは「開陽・鹿児島修学館・鹿児島東・特別支援・加世田常潤」なる五校連合です。中黒を含めた字数は25にも達し、紙面では「開陽・鹿児」「島修学館・」「鹿児島東・」「特別支援・」「加世田常潤」の五行に分けて記載され、空知の代表決定戦に進出した四校連合と比べても、字数の多さは歴然としています。校数はともかく、字数でいうならこれが史上最長ではないでしょうか。

16強が出揃った沖縄は引き続き混戦模様で、5回コールドの2試合を除き6試合が9回以降まで戦われ、サヨナラが2試合、2点差が1試合という内容でした。

★北北海道大会
・釧根地区代表決定戦
 武修館9-1別海
・空知地区代表決定戦
 滝川西9-4栗山・夕張・月形・奈井江商
★南北海道大会
・札幌地区代表決定戦
 北海11-5札幌南
・小樽地区代表決定戦
 倶知安0-7北照
 小樽潮陵16-9小樽桜陽(延長10回)
★愛知大会1回戦
 愛知商11-4犬山南
 岡崎東0-7x旭丘
 起工0-4享栄
 日進西4-5x成章
★鹿児島大会1回戦
 甲南1-8x隼人工
 志布志12-0開陽・鹿児島修学館・鹿児島東・特別支援・加世田常潤
 加治木工7-0古仁屋
★沖縄大会2回戦
 八重山農2-0北中城
 豊見城南0-4北山
 美里工5-6x八重山(延長13回)
 具志川商3-8美来工科
 宜野座12-0沖縄高専
 普天間2-7浦添商
 知念13-0宮古工
 嘉手納3-4x首里
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