東方のあけぼの

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日本政府の中国への制裁見送りには充分な説明がない

2021-03-24 08:57:02 | 東アジアの悪友

 茂木外相は中国の人権問題についてアメリカやEUのように制裁をしないと発表した。G7では日本だけが制裁をしていない。異様な事態である。理由があればよい。

茂木は二点をあげていた。いずれも国民を納得させる理由になっていない。

 

1:中国は日本と距離が近いから影響が大きい。

 つまりシナが侵略してくるだろうとおびえているのだがみっともない話だ。EUとイギリスはイランや中東過激派諸国に従来から極めて厳しい態度をとっている。欧州各国はイランには最近ではアメリカより柔軟な態度をとっているが、それは一定の核合意が出来たからである。中東はヨーロッパから近い。つまり日本がシナ、朝鮮に近いというのと同じである。近いからこそ、脅威に敏感になる。脅威に強く出る。当たり前のこと、自然で合理的な態度である。日本の茂木の「近いから怖い」というのは墳飯ものの腰抜けである。

2:茂木は言う。日本はシナと経済的に密接な関係があるから制裁の影響が大きいという。

 こんな理屈はない。アメリカや欧州の制裁の内容を見ると別に全面的なものではない。部分的なものである。それに対してシナも報復的制裁を課しているが全面的ではない。彼我の制裁の重さが均衡がとれているかどうかは専門家でないから分からないが、部分的であることは間違いない。日本政府は中国に対する警告の意味でまず部分的制裁案を作る能力もないのか。

 茂木は恐れているのか。日本が制裁を科したら、向こうは全面的に無慈悲な制裁を科してくる、あるいは尖閣に攻め込んでくると。こんな「おびえ」を公式に表明することは外交政策として幼稚きわまる。論外である。

3:シナに進出している日本の大企業、中小企業について:

シナへの企業進出はつねに危険が伴う。不安定である。その辺の事情を十分に認識して危機シナリオを持たずに暢気にシナに進出しているなら、そういう企業は日本の顧客に対してまったく責任感を欠いている。最近のLineの醜状はよくそれを現わしている。

 

 



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