東方のあけぼの

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最大の受益者は誰か:管理組合という悪文化(5)

2006-07-17 08:16:01 | マンション管理組合

マンションの価値は管理のよさだという。要するに住民に負担をかけないで安心して管理を任せられる管理会社かどうかということだ。事毎に管理組合がやれ総会だ、臨時総会だ、理事会だと煩わされなくて済むことだ。

マンションのよさは一戸建ての場合には避けようも無く、悩まされる管理のわずらわしさから開放されることである。管理会社がしっかりしていればそれは管理費のみではなくてマンションの価格にも反映されてしかるべきである(管理費のあまりに安いマンションは購入を再検討したほうがよい)。

だいたい、自分のマンションの管理会社が信用できないからと、事毎に疑惑の目で細かいことまで管理組合がその能力もないのにチェックするなどというのは悲しいではないか。

自分のマンションが劣悪であると表明しているようなものだ。もっとも色々な管理会社があるようだから「心配ごもっとも」な場合もあろう。ご愁傷さまである。

管理会社が提出する会計書類など公認会計士でも税理士でもない一般住民がチェックできるわけがないではないか。それが総会の承認事項になっている。承認すればお墨付きを与えるようなものだ。世にこれをめくら判を押すという。こういう書類は受け取って「読み捨て」ておけばそれでよいのだ。たまたま専門的な技能のある人が問題を見つければ何年前のものでも、問題を発見した時点で追及すればよい。

区分所有法に基づく管理組合の存在の最大の受益者は横着な管理会社であろう。だから管理会社は例外なく管理組合を奨励する。業界の機関紙は管理組合の崇高な意義を強調する。業者が訳知り顔で顧客に説教をする問題ではないよ。

居住者の要望、意見に個別に誠実、迅速に対応せず、すべて管理組合という機動力の無い会議体の窓口を通してしか受け付けなければ管理会社は楽チンモードである。「それは管理組合マターですので」というのが管理会社の得意技である。

管理人も管理会社から派遣されているから当然管理組合にしか目が向いていない。管理人は住民すべてにサービスするもので常駐している利点を生かして迅速に住民個人のニーズに対応できるはずなのに、「まず管理組合に話してください」なんて言う。管理人は管理組合の理事とか活動家のご機嫌をとっていれば自分の首は安泰という態度が露骨である。

地域特性にもよるが、管理組合を仕切ろうとする活動家がいるものだ。こういう連中と管理会社の思惑があいまって管理組合を善良なる住民の始末に負えないものとしている。信じられないことだが、こういう連中が住民に説教したり、強制しようとしたりする。場合によっては、これらの活動家が主義者であったり、KM党のようなカルトの背景をもっていたりするから危険だ。


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