先日、私の所属する全国療術師会、東海ブロックの講習会へ行って来ました。
毎年、有名な先生が特別講演をして下さるのですが、今回はテレビなどにも出演されている栄養学の山田豊文先生でした。
正直なところあまり期待していなかったのですが、その予想を見事に覆してくれました。
いや~凄かったです。
外見は、ちょっと地味目な普通の男性(失礼!)ですが、話が始まるとぐんぐん引き込まれていきます。
圧倒的な情報量、その一つ一つがどれも的を得ていて説得力があります。
ご紹介したい話が多すぎて、何を話したら良いやら迷うほど。
今回はカルシウムとマグネシウムについての話をします。
カルシウムは骨の主成分ですが、様々な生理作用に関わっています。
筋肉の収縮、栄養の吸収、神経伝達物質やホルモンの合成・分泌など様々な生命活動は酵素が働いていますが、カルシウムはその調整をしています。
カルシウムが細胞内にとどまっていると、様々な障害が起こります。
心筋梗塞で亡くなった人は、解剖すると決まって「体内のカルシウム濃度が高い」のだそうです。
カルシウムと拮抗する作用を担うのがマグネシウムです。
カルシウムが筋細胞内に入ると筋肉が収縮します。
そしてマグネシウムの作用で、カルシウムを細胞外に出すことで筋肉が弛緩します。
カルシウムが緊張させ、マグネシウムが弛緩させていると言うわけですね。
もし、マグネシウムが不足したり正しく作用しなければ、細胞内にカルシウムがとどまったままとなり、筋肉が緊張しっぱなしになります。
これが筋肉の過緊張(こり)です。
腰痛も肩こりも首のこりも、マグネシウム不足が原因の一つです。
足のつりはマグネシウム不足による筋肉の過緊張です。
運動で汗をかくと大量に失われてしまうので、汗をかいた後でつりやすくなるのです。
私も地元の運動会で大汗をかいた後、足をつった経験が有ります。
カルシウムが血管細胞内に入り、マグネシウム不足で定着してしまうと動脈硬化になります。
カルシウムが細胞内にとどまり、さらにカルシウムが細胞内に入ってくるとカルシウム濃度を下げようと細胞内に水分が多くなります。これがむくみです。
マグネシウムのそのほかの作用として、血圧や体温の調節や、体内の300種類もの酵素の働きを助けるのも,マグネシウムの働きの一つです。
マグネシウムはとても重要な役割を担っているわけです。
カルシウムとマグネシウムの比率はこれまで2:1と言われてきましたが、現代は1:1くらいで丁度よいと山田先生はおっしゃっていました。
マグネシウムは食事から摂る事ができますが、大豆製品、魚介類、海藻、木の実に多く含まれます。
豆腐に使われるにがり、自然塩などにもマグネシウムが多く含まれています。
カルシウムは骨ごと食べる魚、殻を食べるエビ、葉物等に多く含まれます。
牛乳についてはまたの機会にお話しします。