毎日、ほぼ同じ始発電車に乗るのは７時少し前。里山から都心まで３社相互乗り入れだが乗換え無しで降車駅までいける。いつも同じ時刻や車両に乗るようになるのは老の証・・・と聞いた事がある、などと考えながらエスカレーターを降りて行くとあれ、今日は先客が居る。
さて先客は入り口側に座るか或いは奥のシートに座るか、私の降車駅は左のドアが開くから入り口側が確保できれば良いけどと思いながらその後ろに並んだ。
電車が入線し、ドアが開いた。 先客は入り口側に座ったので私は対面の奥を選んだ。何気なく見ていると先客が座った入り口側の窓ガラスに緑色のバッタの様な虫がいる。遠くてよく見えないが、通称首きりバッタ（クビキリギス；直ぐに噛み付いてきて、引き離そうと胴体を引っ張ると首がもげて神経組織がズルズルと身体から出て来るというＤＱＮバッタ）じゃ無さそうだけど先客の頭の上辺りの窓ガラスを這い回っている。
対面に座ってよかった、このまま電車に乗ってどこまで行くのだろうか、などと考えていたが、やがて満員になり見えなくなった。
降車駅が近づいて来た頃、膝に乗せてある鞄の上に置いていた左手がムズムズするので見るとその虫が居た。よくまあ人にも踏まれず対面まで移動してきたものだ、お前はカワサキか。観察すると触覚細く体長より長いのでこれはバッタじゃなくてツユムシの仲間じゃないかと思ったところでその虫はまたＮＩＮＪＡの如くに姿を消してしまった。
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