それぞれの道/三浦久 Hisashi Miura
若くして亡くなったかつてのお芝居仲間の49日が明けました。約3年間、同じ芝居をあちこちでやっていて彼とは初演時からの付き合いでした。
まったくの未経験者からでしたが、この芝居も最後のあたりになると指示され指定された演技やらセリフまわしではなく、自分自身の言葉でセリフを語るようになり、役として舞台に立ってました。
いつの間にか、ほかの誰も代替えのできない「モクさん」になってました。
いよいよ旅立ちのときです。
さて、長々と手を加えているチャランゴですが、装飾やら塗装の若干の不満には目をつぶり使用再開でございます。
弦高も下がり、ブリッジの位置も直り弦を張って3日目。ナイロン弦てえのは伸びきってからがやっと音が出てきます。(自分の楽器の場合)
チャランゴは10弦の複弦楽器で同じ音程の弦が8本、1オクターブ違いのが2本。黒のナイロン弦を通販で購入してますが、フロロカーボン製の釣糸を使ったりします。
当然ナイロンとの音の違いはありまして、なんとなく金属的な立ち上がりの早い音ですな。(自分の楽器の場合)
自分のチャランゴは同じ音程の弦を黒ナイロン弦とフロロカーボン混在で張ってます。同じ音程がちがうサウンドでなってます。
エフェクターでいうところのコーラスがかかったような感じです。チューニングの精度をごまかすためという御意見もありますが。
古いタイプのチャランゴらしくギターのようにブリッジがあって象牙や牛骨のサドルに弦が乗っているタイプでなく、ブリッジにそのまま弦を巻きつけるタイプです。
ですので弦高の調整は、ブリッジをそのまま生かすのであれば指板を削って角度を変えるしかありません。
サドルで調整できれば弦高調整ももっと楽なんですが、弦と表面板の関係を考えると、弦ーブリッジー表面板というタイプの方が、弦ーサドルーブリッジー表面板というタイプより、一段階少ない分だけ振動量が大きいような気もします。
でもって小型の楽器、ワライチョは、とりあえずピックガード(ゴルペ板)を付けて弦も張り音を出してみたものの、どうにも鳴りが悪い。
弦を張って3日経っても音になりません。表面板の変形を気にするあまり力木を太くし過ぎたのか、表面板が厚すぎたのか。
ピックガードをはがし、裏穴を再びあけてカッターとミニルーターで力木を削ります。幅はどうにもならないので厚みを1/3に削る。
そして表面板を削ります。表からライトを照らせば裏穴から力木、ブリッジが透けて見えるくらいまで。
これで多少は音になります。が、どんなもんでしょう?
もちろん塗装は最初からやり直しでございます。