小川の小路でピアノの音

ピアノ、音楽を通して感じたことを綴っています。

雑談

2017-08-02 17:39:09 | ピアノ
今日、雑談の中で、結婚前、私が勤めた職場での経験に思いを馳せました。

知的障害者自立支援施設での音楽指導と音楽療法、精神科病院での作業療法プログラム(合唱の時間と音楽レクリエーション)を受け持ちました。

とても楽しく華やかだった大学時代、より専門的な知識や技能を学んだり、他大学の様々な学生さんたちとも交流したり、気の合う仲間とお茶や食事をして恋愛の話を語り合ったり、毎日が幸せで薔薇色でした✨

そこから一転、社会に出ると現実の大変さ、自分の様々な面での能力不足を思い知らされ、かなり悩みました。

業務の一部を忘れてしまったり、車の中で寝てしまったり、冗談が通じず固まってしまったり、あげくのはてには飲み会で記憶をなくすまで酔っぱらってしまったり...。
こんな世間知らずな当時の私、上司は本当に大変だったと思います。

正直な気持ちを上司に伝えた後に上司が私に返してくれた言葉は「出来ないことをあら探しして自分を責めるよりも、何が自分に出来るかを考えて実践する方が気持ちが楽じゃないですか。」

こんな度量のある上司がいたからこそ、私は様々な方面にも手をのばして試みながら音楽活動が出来たんだと思います。

コンサート指導では、一人は打楽器、二人にキーボードを担当させ、歌と楽器による合奏形式でいきました。最初は一小節、それが出来たら更に一小節増やしていく。文字や音符が読めないので指の動きを真似して覚えます。ゆっくりではあるけれど、一つ一つ出来た時の達成感を共有する喜びがありました。

連弾形式でピアノの前に座らせて「雨ふり」の演奏に合わせて「雨」を自由に表現して弾かせたり、「トルコ行進曲」に合わせて自由に身体を動かせたり...その時の彼らの生き生きとした表現と笑顔を思い出し、少しハッピーな気分になりました🎵

精神科病院ではまたガラッと雰囲気が変わります。一日中ベットに横たわる患者さんが音楽の時間になると起き上がり、歌を歌ったり、トーンチャイムを鳴らします。唯一、彼らが文化的なものに触れて人間らしい姿を見せてくれるのが、音楽の時間でした。

病院の中で文化祭があり、そこで歌を披露します。練習の期間、患者さんが、病を抱えながらもそれぞれが真剣な眼差しで歌を覚えていた姿が素敵で印象に残っています。

知的障害者施設では、パニックを起こした方に思いっきり張り手を頬にくらわされたり、お腹をけられたり、そして精神科病院では暴れる患者さんを鍵つきの個室に連れていく場面を見たり、ベットに横たわって独り言を言ったり一人笑いをしている患者さんを目の当たりにしました。

痛い思いや、ショックで悲しい事もありましたが、これらの経験で得た事があります。

社会的にはハンディを抱え、弱い立場にある方たちと直接関わり、それぞれ光る面や尊敬出来る面を発見することが出来、人は学歴や肩書きなどで判断出来ない事を実感しました。

長くなってしまいましたので、ここで一旦終わりにします。

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