股関節の動きと正常関節可動
①股関節 屈曲(くっきょく:前に曲げること):ももの骨が胸に近づく運動 正常可動域 125度
②股関節 伸展(しんてん:後ろに伸ばすこと):ももの骨が胸から遠のく運動 正常可動域 15度
③股関節 外転(がいてん:外側へ開くこと):ももの骨を外側に開く運動 正常可動域 45度
④股関節 内転(ないてん:内側に閉じること):ももの骨を内側に閉じる運動 正常可動域 20度
⑤股関節 外旋(がいせん:脚を外側に回旋すること):ももの骨を外側へまわす運動 正常可動域 45度
⑥股関節 内旋(ないせん:脚を内側に回旋すること):ももの骨を内側へまわす運動 正常可動域 45度
前回は屈曲について説明しました。今日は伸展です。
②伸展について
皆さん、右足を一歩大きく、できるだけ大きく前に踏み出してみてください。
この歩幅は、皆さんの股関節の屈曲と伸展の動きの程度を表しています。
右足を一歩前に踏み出した時、右股関節は屈曲し、左股関節は伸展しています。
逆に左足を一歩前に踏み出した時、右股関節は伸展し、左股関節は屈曲しています。
右足を一歩前に踏み出した時の右足の踵と左脚の踵の距離は何cmでしたか?
左足を一歩前に踏み出した時の左足の踵と右脚の踵の距離は何cmでしたか?
左右で差がありましたか?
皆さんに理解していただきたいことは、足を一歩前に踏み出した時には、反対の足の股関節は伸展していると言うことです。
もともと誰でも股関節の伸展はあまり動きませんが、変形性股関節症患者さんはさらに動きが悪くなりやすいのです。
ですから、どうしても歩幅が狭くなったり、膝を早く曲げてつま先を使った歩き方になったり、腰を反ってデッ尻になって歩く方がいるのです。
うつ伏せに寝て、股関節が床につき、お尻がデッ尻になっていなければ、股関節は比較的伸展はできそうです。
また、上向きに寝て、片方の足をできるだけ曲げた時に、反対側の足が床から浮かなければ、股関節は比較的伸展はできそうです。
もしも、うつ伏せが楽にできるようでしたら、さらに、膝のお皿の下に丸めたタオルでも入れて、股関節を伸展させたままストレッチしてみてください。
股関節患者さんは、屈曲拘縮(くっきょくこうしゅく)を起こすことが多いんですよね。
屈曲拘縮とは、股関節が伸展できないだけでなく、少し屈曲した位置で固まってしまっている状態です。
この状態では、常に股関節が曲がっていますので、仰向けに寝ると膝の下に隙間ができます。また、うつ伏せになると、股関節部分が床から離れて、お尻がデッ尻になります。
通常、原因は腸腰筋の短縮と言われています。数年の短縮であれば、筋肉をほぐしてあげれば改善することもあります。
腸腰筋のストレッチ方法
右の腸腰筋を伸ばすには、仰向けで左股関節をできるだけ曲げた状態(左ひざは曲げる)で、浮いてきた右のももを床に押し付けるとストレッチできます。一人ではなかなかやりにくい方法ですが、工夫次第では一人でも可能です。
皆さんの股関節は伸展しますか?
変形性股関節症を怖がらないでね
良い週末を