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ねこやま

徒然備忘録

ジーン・ワルツ / 海堂尊

2010-11-21 08:52:44 | 海堂尊
抜粋

桜宮市・東城大学医学部を卒業、
東京・帝華大学に入局した32歳の美貌の産婦人科医、
曾根崎理恵―人呼んで冷徹な魔女(クール・ウィッチ)。
顕微鏡下人工授精のエキスパートである彼女のもとに、
事情を抱えた五人の妊婦がおとずれる。
一方、先輩の清川医師は理恵が代理母出産に手を染めた
との噂を聞きつけ、真相を追うが…。


































ジーン・ワルツ。
遺伝子の三拍子。

この話はそのうち自分に降りかかってくる問題かもしれない。
わたしはどうしても子供を望むんだろうか。
まだわからない。
精神的にも肉体的にも辛い日々を送り、
さらに金銭的にもかなりの負担がかかるという不妊治療。
あるいは、日本では認可されていない代理出産を、望むんだろうか。
托卵。そんな言葉を思い出した。
実際本の中でも出てきた言葉だけれど。
托卵され、生まれた雛のその後の行動はまず置いといて。
そこまでして望んだ命なのに、日本の法律の元での母親は、
生みの親になってしまう。
法律が悪いのか。

本では悪いといっている。
明治時代から変わらぬ法律。
医学は進歩しているのに。
法律はおいてけぼりをくっている、と。
おっついてくれと、作者は切実に訴えている。
患者に対して最善を尽くした医師が、手錠をかけられてしまう。
そんな法律がまかりとおっていいのか。
そうじゃないはずだ。
何度も何度も作者は繰り返す。

不妊は病気じゃない。
だから保険も適用されない。
生めよ増やせよといってる国は、本当に子供を望む夫婦に、
救いの手を差し伸べようとはしない。
矛盾してるんだ。
そうも作者はいっている。

厚生省に対しての痛烈な批判。
そんな裏話が(メタボの話)・・・本当にあるのだろうか。
官僚って、怖い。
そんな人だけじゃないはずだと思いたい。
白鳥みたいな人が、多分頑張ってるはずだ。









そして。

ミステリーだったの?これ

もうその域じゃないと思うのだけれど。

あの人がしたことは犯罪だと思う。

命を作る人は、自分を神様だと思うんだろうか。

ある夫婦には子供がいた。

その子は白血病。

誰も血液型が一致しない。

夫婦は子供を作った。

その子供の骨髄液が白血病の子供と一致することを祈って。

残念ながら完璧な一致ではなかった。

そして遂には、人工授精で、完璧に一致する子供を身ごもった。

試験管の中の受精卵たち。

その中の合致する一人を母親の子宮に戻した。

自分が親ならそうするだろうと思う。

でも自分じゃないから、怖いと思った。

もしかしたら生まれてこれたかもしれない受精卵を思うと

なんともいえない気持ちがわいてくる。






医学の進歩って、すごい。


2008.12.25


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