ねこやま

徒然備忘録

イニシエーション・ラブ / 乾くるみ

2010-11-18 20:45:50 | あ行作家
抜粋

大学四年の僕(たっくん)が彼女(マユ)に出会ったのは
代打出場の合コンの席。
やがてふたりはつき合うようになり、夏休み、クリスマス、
学生時代最後の年をともに過ごした。
マユのために東京の大企業を蹴って
地元静岡の会社に就職したたっくん。
ところがいきなり東京勤務を命じられてしまう。
週末だけの長距離恋愛になってしまい、
いつしかふたりに隙間が生じていって…。

目次から仕掛けられた大胆な罠、全編にわたる絶妙な伏線、
そして最後に明かされる真相…。
80’sのほろ苦くてくすぐったい恋愛ドラマは
そこですべてがくつがえり、2度目には
まったく違った物語が見えてくる…。
























まずは読んでもらいたい。
何かいてもネタバレになるような気がするのでかけない。

二度読み返したくなるっていうのは本当で。
ミステリー小説が好きなくせにネットで調べないと
カラクリがわかんなかったぐらい上手だったと思う。
そういわれてみれば、そこここに怪しいシーンはあったものの…
まぁ、ミステリー読みなれてる人もまずは何も考えずに読んでほしい。
途中で気づいちゃうときっとつまらなくなってしまうと思う。
どうせ読むなら、楽しんだ方がいいにきまってる。

カラクリがなければただの恋愛小説。
その恋愛小説部分が素敵かというと・・・
なんていうか、短調なのでそこまでのめりこむほどでもない。
前半部分はこのままの流れならもういいな、というぐらいだった。
後半に行けば行くほど雲行きは怪しくなってくるし、で。

だから、この仕掛けに★4ついきたいとこだったけど、
それ抜きにして考えたら普通だなー、ということで★3つ。



↓↓以下ネタバレ↓↓







未読の方は絶対に読まないで下さい










とりあえず、主役はマユだったのね。

A面とB面の男は別人だった、というのがカラクリの正体。
一見するとマユが振られたっていう話じゃん。
って思う人も多分、いると思う。
なんせ、わたしは意味がわからなくてネットで調べたもの。

読み返したくなるのは伏線の入れ方。

指輪。
水着。
入院。
男女7人。
アインシュタイン。
おでこ。
ホテル。

指輪や入院のあたりは違和感を覚えた。
けど、まさか夢オチ?!
とか一瞬思ったぐらいで続きと思っていた。
確かにAとBでは性格が違うような気がしてた。
なんかBは乱暴だと思った。
けど、接続部はうまーく繋がってると思う。
なんせ、帯にだってそう書いてあるんだもの。
同一人物のたっくんとは書いてない。
最初に僕(たっくん)とあるし。
しかし、これで登場人物が"たっくん"と呼ばれることになるんだな
っていう先入観は植え付け完了だよな、とも思うが。

今日、アマゾンで抜粋文みたんだけど・・・
"目次から仕掛けられた大胆な罠、全編にわたる絶妙な伏線"
ちょーヒントじゃん!
こんなこと書いてあったんだ~。
これ見てたらわかったかな・・・いや、どうだろ。。。


ひとつ思ってたことがあって。
夕樹がたっくん、はちょっと厳しくないか?w
付き合いたてのカップルが自分たちだけの呼び方を決める。
普通じゃつまらない=たっくん なわけか、って勝手に思ったけど。
ココで気づく人もいるのかなぁ・・・。
わたしはいい方に解釈したわけだ。


気持ちいいぐらいに騙された。


A面のたっくんはこの先何も知らずに幸せになってほしいものだ。

B面の男も今となっては気の毒に、とも思うが浮気はいけません。

そしてもしかしてCがいたかもしれないという妄想。

お腹の子の父親は誰?


怖い女の子の話だった。


AとBの時間差。
Bとの終わりが見えてきたマユはAに乗り換えることにしたのか。
だからBに妊娠を告白し、結婚も否定して
わざと別れる方向に持っていったのか。
それとも繋ぎとめるため・・・?
いつまでキープする予定だったんだろう。
その間もAをBのように仕立て上げるのに余念がない。
メガネとって、オシャレさせて、免許取らせて車買わせてetc…

とか考えてると恐ろしくなってくる。


















↑↑以上ネタバレおわり↑↑




















これは文庫に解説がついてるので、文庫をオススメします。


がしかし、その解説とやらも内容に触れないように書かれているそうなので
そちらもちょっと難しいようです。なので、解説読んでもわかんなかった場合
わたしの書いたネタバレ部分を読むともっとわかるかもしれません。


2008.08.02


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2 コメント

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コメントありがとうございます (ねこやま)
2010-11-18 23:42:11
すみません!
ブログ初心者でよくわかんないんです!

わたしが読んだ時にはたぶん抜粋文と同じ文面が本を開くと貼り付けてあったと思います。
てのは、図書館でかりたのでそこの図書館は本の帯をはりつけてくれるんですね。
だからそんな内容だったかと。
最後の一行でびっくりとか、二行でびっくりとか。
ミステリーにはありがちですが、読みなれた読者にはほんのささいなヒントから
正解が見えてきちゃうので出版社にも言葉を選んでもらわにゃですね。
読み返そうと当時わたしも思ったものですが、実はめんどくさくなってやめたのでした。うふ
はじめまして (イニシエーション)
2010-11-18 22:28:25
こんばんは。
トラックバックが出来ない設定でしたので、こちらにてコメント。

私も「イニシエーション ラブ」を拝読致しました。
裏書のあらすじですが、
あの「最後の2行目は先に読まないで」はいらない・・・と個人的には思います。
あれが、書いてあったので、読んだ時「ああ、な~~んだ、そうだったのか」とあまり驚きませんでした。
あらすじを書いている人はあれが書きたかったのだと思いますが、読者の為には、あれは書かない方が良かったと・・・。
あそこでのネタバレが、残念で仕方ないです。あれがなかったら「ほぉ~~」だったのに・・・。

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