少しネタバレになってしまうのですが、次回の「らぶらぶ万歳サークル」さまの競作大会用に書いた話に「青蓮花寺」が出てきます。
青蓮花寺は亡くなった瑠璃母の乳姉妹が庵主をやっている尼寺で、瑠璃が出家しようと駆け込んだお寺でもあります。(と言うより、高彬が男として盛り上がってしまった尼寺と書いた方が早いかも知れません)
それで「青蓮花寺」を書くにあたって2巻のその辺りを読み返している時に、ふと気が付いたんです。
あぁ、そうか、この乳姉妹は瑠璃母の死を受けて、自分は出家して尼さんになったんだなって。
今まで思ったことがなかったので、私的には新発見でした。
『父さまも何かと援助をしている』と書いてあって、瑠璃父も本当に良い人ですね。
瑠璃は早逝なんてしませんけど、でも仮にそういうことがあったとしたら、小萩が尼さんになって、その面倒(援助)をずっと高彬がしてるって言う図式なんですよね。
せつなさと言うか、しんみりとした思いが広がってきて、しみじみと(あー、ジャパネスク好きだー)なんて(改めて)思ってしまいました。
さて、タイトルの「証拠集め」
私は初読当初からずっと、瑠璃の高彬への態度の「そっけなさ」に物足りなさを感じていました。(今風に言うと「塩対応」?)
なので、いつの頃からか「瑠璃だって高彬を好きに違いないはずだ」と言う、その証拠を集めるような読み方が癖になってしまいました。
瑠璃の言葉から、ちょっとした態度から、果ては行間の空気から、少しでも瑠璃→高彬の思いを汲み取ろうと言う読み方をしてしまうのです。
どうにも瑠璃の発言はクールに感じられて、何しろ最初の時の「右大臣家の四男だし」もそうだったし、まぁ、これは告白されてすぐの時だったからまだしょうがないとしても、あとは入道事件のあとに藤宮さまが三条邸に来た時も「あたしみたいなはねっかえりには高彬みたいな常識ある人の方がいいんです」なんて言い方をしていて、どうしてもっとこうはっきりと「あたしは高彬が好きなんです」と言わないんだよー、と、もどかしくもじれったくも感じていました。
瑠璃が色目を使ってるとは思わないのですが、鷹男にも守弥にも結局はもててしまっていて、身も蓋もない言い方をしてしまうと「なんだかなぁ」と言う感じ。
守弥とのこと「たとえ高彬と言えど、いいたくないことがある」なんて読むと、がっくりと言うか深いため息が出そうになって、でも、私はそこで諦めずに
(「たとえ高彬と言えど」の「たとえ」には、高彬の特別感が漂っているのではないか・・?)
などと、しつこく証拠集めをしてしまうのです。
実際、その頃の瑠璃は、高彬が自分にとってどれだけ大切な存在であるかを認識できていなかったんだと思います。
ある意味、空気のような存在。
あって当たり前、いて当たり前。
あたしを好きでいてくれて当たり前・・・。
後半の「あんたが右近少将じゃなくてもいいのよ」は嬉しかったのですが、でも、正直、私にはまだ不満でした。
どうしてかと言うと、高彬が色んな解決に向けて頑張ってくれて、それの感謝から出てきた言葉のようにも感じたからです。
私が一番、嬉しかったのは、非常にマニアックと言うかコア過ぎるのですが
『あたしはあたしで、高彬が生きるか死ぬかってときに、とても頭が鷹男のほうにまで回らない』
なんです。
そうそう、これ。これなんだよ、私が聞きたかった言葉は!・・・と言う感じ。
あとは、藤宮さまが事件の真相を聞くために鴛鴦殿にどんどん文を送ってきたけれど
『高彬の看病で、返事をかくどころではなかった』
と言う言葉。
どちらからも、高彬が大事、高彬が一番、と言うのが伝わってきて、もうこの言葉だけで、今までの瑠璃のそっけなさが帳消しになるくらいです。
瑠璃は、鷹男や藤宮さまとの付き合いを大切にもしてきたけど、ここにきて、優先順位がつまびらかになったと言う感じで、今までのじれったさやモヤモヤ感がすぅーと消えて行くのです。
藤宮さまはともかくとして、鷹男に対しては正直(ザマミロ、鷹男め。瑠璃の一番は高彬なんだぞ、判ったか)と思いましたもん(笑)
高彬が火傷を負う前と後では、瑠璃の中での高彬の見方が変わったはず。
変わったと言うか、気付いた、の方が適切かも知れません。
末永くお幸せにね~、と思わずにはいられない二人なのです。
青蓮花寺は亡くなった瑠璃母の乳姉妹が庵主をやっている尼寺で、瑠璃が出家しようと駆け込んだお寺でもあります。(と言うより、高彬が男として盛り上がってしまった尼寺と書いた方が早いかも知れません)
それで「青蓮花寺」を書くにあたって2巻のその辺りを読み返している時に、ふと気が付いたんです。
あぁ、そうか、この乳姉妹は瑠璃母の死を受けて、自分は出家して尼さんになったんだなって。
今まで思ったことがなかったので、私的には新発見でした。
『父さまも何かと援助をしている』と書いてあって、瑠璃父も本当に良い人ですね。
瑠璃は早逝なんてしませんけど、でも仮にそういうことがあったとしたら、小萩が尼さんになって、その面倒(援助)をずっと高彬がしてるって言う図式なんですよね。
せつなさと言うか、しんみりとした思いが広がってきて、しみじみと(あー、ジャパネスク好きだー)なんて(改めて)思ってしまいました。
さて、タイトルの「証拠集め」
私は初読当初からずっと、瑠璃の高彬への態度の「そっけなさ」に物足りなさを感じていました。(今風に言うと「塩対応」?)
なので、いつの頃からか「瑠璃だって高彬を好きに違いないはずだ」と言う、その証拠を集めるような読み方が癖になってしまいました。
瑠璃の言葉から、ちょっとした態度から、果ては行間の空気から、少しでも瑠璃→高彬の思いを汲み取ろうと言う読み方をしてしまうのです。
どうにも瑠璃の発言はクールに感じられて、何しろ最初の時の「右大臣家の四男だし」もそうだったし、まぁ、これは告白されてすぐの時だったからまだしょうがないとしても、あとは入道事件のあとに藤宮さまが三条邸に来た時も「あたしみたいなはねっかえりには高彬みたいな常識ある人の方がいいんです」なんて言い方をしていて、どうしてもっとこうはっきりと「あたしは高彬が好きなんです」と言わないんだよー、と、もどかしくもじれったくも感じていました。
瑠璃が色目を使ってるとは思わないのですが、鷹男にも守弥にも結局はもててしまっていて、身も蓋もない言い方をしてしまうと「なんだかなぁ」と言う感じ。
守弥とのこと「たとえ高彬と言えど、いいたくないことがある」なんて読むと、がっくりと言うか深いため息が出そうになって、でも、私はそこで諦めずに
(「たとえ高彬と言えど」の「たとえ」には、高彬の特別感が漂っているのではないか・・?)
などと、しつこく証拠集めをしてしまうのです。
実際、その頃の瑠璃は、高彬が自分にとってどれだけ大切な存在であるかを認識できていなかったんだと思います。
ある意味、空気のような存在。
あって当たり前、いて当たり前。
あたしを好きでいてくれて当たり前・・・。
後半の「あんたが右近少将じゃなくてもいいのよ」は嬉しかったのですが、でも、正直、私にはまだ不満でした。
どうしてかと言うと、高彬が色んな解決に向けて頑張ってくれて、それの感謝から出てきた言葉のようにも感じたからです。
私が一番、嬉しかったのは、非常にマニアックと言うかコア過ぎるのですが
『あたしはあたしで、高彬が生きるか死ぬかってときに、とても頭が鷹男のほうにまで回らない』
なんです。
そうそう、これ。これなんだよ、私が聞きたかった言葉は!・・・と言う感じ。
あとは、藤宮さまが事件の真相を聞くために鴛鴦殿にどんどん文を送ってきたけれど
『高彬の看病で、返事をかくどころではなかった』
と言う言葉。
どちらからも、高彬が大事、高彬が一番、と言うのが伝わってきて、もうこの言葉だけで、今までの瑠璃のそっけなさが帳消しになるくらいです。
瑠璃は、鷹男や藤宮さまとの付き合いを大切にもしてきたけど、ここにきて、優先順位がつまびらかになったと言う感じで、今までのじれったさやモヤモヤ感がすぅーと消えて行くのです。
藤宮さまはともかくとして、鷹男に対しては正直(ザマミロ、鷹男め。瑠璃の一番は高彬なんだぞ、判ったか)と思いましたもん(笑)
高彬が火傷を負う前と後では、瑠璃の中での高彬の見方が変わったはず。
変わったと言うか、気付いた、の方が適切かも知れません。
末永くお幸せにね~、と思わずにはいられない二人なのです。