「みんなで駅の掃除をしましょう!」
という会長の呼びかけで掃除をすることになった。
ゴールドエイジの会は何事にも積極的である。
予定の時間の10分前には集合だ。
駅に着くと、お揃いのブルーのTシャツが・・・。
ひょっとしてTシャツ着用かと思い車に用意してあった会のロゴが入ったものを着た。
「ご苦労様~。皆さん揃ったら・・・まず、写真を撮りましょう。」
・・・・・ はい・・。
駅の前に固まって並ぶが・・・・撮る人が・・・いない。
「ちょっと~~。あんた~~。こっち来て~~。」
駅前を自転車で通り過ぎようとしたおばさんを呼びつけて・・・・記念撮影。
絵が消えたじゃ駅名が入らんじゃとごじゃごじゃしている間に、連絡してあった町の広報担当者がやってきた。
・・「はい。写真撮ります・・・。はい。オッケー。」
担当者にしてみれば、おばちゃんがどっち向いてようと目をつむってようとおかまいなしだ。
えらく簡単に一枚を撮り、インタビューが始まる。
掃除はまだ始まらない。
会長が取材をうけている間に、早く帰りたいので目に付くところから掃除を始めた。
そうこうするうちに、今度は動画担当の広報担当者がやってきた。
・・・ おそらく・・、ケーブルテレビで流すのだろう。・・画面に映りこみたくないのでひたすらカメラから逃れた。
一ボランティアとしては、ひっそりと活動したいのだ。
聞くところによると、毎週土曜日にどこかの宗教団体がボランティアで駅の清掃をしているそうなのだが、それこそひっそりとされているらしく話を聞くまでは知らなかった。
なんとも、ゴールドエイジの会のボランティアは華々しいデビューを飾った。
お掃除に関しては、皆さんキャリアのあるプロなので出来栄えは完璧だ。
とても熱心で1時間少しかけて満足の行く状態になった。
「また、次回、機会を作ってお掃除しましょう。」
そりゃそうだ。
広報紙にのせてもらいケーブルテレビで流してもらうかもしれないのだから一回こっきりというわけにはいかないのも当然だろう。