歳を重ねると楽しいとか賢くなるとか・・・・みんな戯言なんだよ。

感じるままに、赴くままに、流れて雲のごとし

終わりは始まり。そんなに大したことでもなく・・・

2019-12-21 | 音楽
ほぼほぼ1年を費やした。
ライブが終わった。

出演バンドを検討し話を繰り返しして、つべこべと言い合い、自問自答と説得と食い違いの修正。
ライブスタッフとのPAと照明と進行スケジュールのすったもんだ。
意見の食い違い。誤解の解凍。
すべては自分の思い通りにするための膨大な時間の消費。
バンドのセットリストの検討とリハーサル。他の2バンドの個性を活かせるシーンの創生。
何よりもモチベーションを高めるためのコミュニケーション。
MCネタの取材と原稿起こし。

どれもこれもが面倒なことばかり。
ストレスが溜り、苛立ちを鎮めるための飲酒。
それの一つ一つを誰にも悟られてはならない。
そんなことを多くの失敗を重ねて自らの体に染み込ませた。

どんなシーンに出くわしたとしても身体が自然に動かなければ理解していることにはならない。
頭で考えてはいけない。だって、そんな時間もないのだから。
現場は厳しい。

閃き・・・そんな幼稚な言葉を発する人に、僕の言葉は届かない。
それでいいのだ。

ステージのライトが落とされて
ライブが始まる。


開演前の注意事項とゲストバンドを紹介する。
客は62人。ちょうど手ごろな人数。反応は悪くはない。
マイクを握る手に汗はなかった。
思いのほか冷静にスタートを切った。
そんなことに容易く気が付いた僕は感性のアクセルを強く踏み込む。
笑いと嬌声と拍手。そして数少ない沈黙。

これでいいんだ。と、嘯く。

ゲストバンドの演奏を舞台の袖で息を潜めて聴き入る。
1曲が終わった後の観客の反応を覗う。


上々の反応を確かめ、楽屋を出て外に出た。

六本木はもはや昔の六本木ではなかったが、日曜日にしては静かな街並みだった。