みるみるの会の金谷です。
平成28年12月10、11日に文京学院大学(本郷キャンパス)にて「非認知スキル向上のための『みる・考える・話す・聴く』」というセミナーを春日さんと開催してきました。
<はじめに>
文京学院大学経営学部の馬渡ゼミでは、学生さんの研究の一環として、ヴィジュアルシンキング(以下VT)を幼児教育に活かす形での提案作成を進めておられます。
非認知スキルを高める手法としてVTを学び、その重要性や有効性を体験を通じて理解するために、対話型鑑賞の技法を教示してもらいたい、ということで「みるみるの会」に声をかけてくださいました。
みるみるの会を知るきっかけとなったのは、京都造形芸術大学アート・コミュニケーション研究センターの先生方と制作した教科書副読本「みる・考える・話す・聴く 鑑賞によるコミュニケーション教育」だったそうです。
そこから、関係する方々から情報を得て、このみるみるの会のブログにたどりついたとのこと。
島根を中心に活動する私たちと、東京の学生さんたちとがつながることができるなんて、ゼミ生のみなさんのアンテナの高さ、副(福)読本、そしてSNSに感謝です!
さて、馬渡ゼミの学生さんを対象に、講義あり実践形式あり、そして対話型鑑賞のナビゲーター体験ありの文京学院大でのセミナーについてレポートします。
<文京学院大学セミナーのプログラム>
1日目<理論編>
12月10日 参加者:学生12名、馬渡先生、ゲスト参加者:平野智紀さん
(1)講義「非認知スキル向上のための『みる・考える・話す・聴く』」(春日)
(2)実践1「みる」トレーニング:「あなたはどのひまわり?」(金谷)
(3)実践2「伝える」トレーニング:「ブラインドトークに挑戦」(春日)
2日目<実践編>
12月11日 参加者:学生9名
(1)ナビゲーター デモンストレーション 作品:「靴」ゴッホ(金谷)
(2)対話型鑑賞のナビゲーター体験(2グループに分かれて)
(3)シェアリング
(4)ナビゲーター デモンストレーション 作品:「ゴッホの椅子」ゴッホ(春日)
<1日目 理論編>
(1)1日目は、春日さんによる講義「非認知スキル向上のための『みる・考える・話す・聴く』」でスタートしました。
〇講義の概要
・非認知能力とは、「学びに向かう力や姿勢」とも言い表せる。(白梅学園大学教授 無藤隆氏 これからの幼児教育2,016ベネッセ教育総合研究所より)
・幼児を対象にVTを行うと、目標や意欲、興味・関心をもち、仲間と協調して取り組む力や姿勢を育むことができる。
・対話型鑑賞は、保育園や幼稚園で簡便にできて、費用がかからない。
・幼児を対象にしたナビゲーター(以下ナビ)の声かけ(4つのフレーズ)
①何がみえますか?
②どこから そう思いましたか?
③そこから どう思いましたか?
④さらに 発見はありますか?
・ルールを伝える
①よくみる
②しっかり考える
③話すときは黙って手を挙げる
④友達の話はよくきく
・子どもたちは(対話型鑑賞を通じて)認められることで、自己肯定感も高まり、集団所属の安心感も生まれる。→さあ、ナビをやってみよう!
(2)続いて実践1「みる」トレーニング:「あなたはどのひまわり?」
ゴッホの「ひまわり」をみて自分はどのひまわりか、自己紹介を兼ねて理由ともに発表していただきました。
思いもかけず自己開示をしていたり、身近な人の意外な一面を知ってしまったり、同じ花を選んでいても選んだ理由をきくと、それぞれ違う捉え方をしていることに気がついたりと様々なことが起こります。
そのような中、お忙しいにもかかわらず、参加してくださった馬渡先生が選ばれたのは、なんと「壺」!ゼミのみんなが花咲くよう、どっしりと支えているとのこと。流石です!参りました。
このセミナーを開催することができたのも、個性豊かなひまわりたちをまとめ、支える馬渡先生がおられたからこそ。ありがとうございます!
さて、この「あなたはどのひまわり?」には、ある仕掛けがあります。「自分はどれかな」と考えながらみたり、同じ花でも違う捉えをしていたりすることを踏まえて、またみる。ただなんとなく、ぼんやりとみるのではなく、「意識をもってみる」ことが楽しみながらできるように仕掛けられていたのです。
さあ、あなたはどのひまわりを選ぶのでしょうか?
(3)実践2「伝える」トレーニング:「ブラインドトークに挑戦」
ブラインドトークは、ペアで行います。1人がアイマスクを付け、もう1人がスクリーンに映し出された作品をみて、それがどんな作品なのかアイマスクを付けた人に伝えるものです。
1作品目を伝える体験が終わって、アイマスクを取ると「オー」という声が上がりました。
お互いの体験をシェアリングして、伝えるポイントをまとめました。
〇うまくいったこと
・(描かれているものについて)全体から、物の配置や大きさについて伝える。
・(アイマスクをして)見えていない人が、きく(質問をする)。
〇うまくいかなかったこと
・言わなくても分かっている、伝わるはずと思っていたが、相手には伝わっていなかった(→ことばにすることが大事)。
1作品目のポイントを踏まえ、アイマスク役を交代して、2作品目へ。作品が映し出されると今度は「えーっ!?」という声が…。しばらく黙り込んでしまうペアもありました。
2作品目の体験後のシェアリングでは次のような意見が出されました。
・伝えることの難しさを感じた。
・双方向が大事。一方的に伝えるのではなく、お互いに聴きあうことが大切。
・同じものをみていても、受け取り方が違う。
・どう伝えたらいいか分からなかった。でも、(アイマスクのペアの人が)きいてくれると話しやすかった。
講義と実践形式の研修を通して、目と脳をフル活用してVTを体験して頂いた1日目でした。
※2日目の様子については、「文京学院大学セミナーレポート その2」にてお伝えします。
<お知らせ>
みるみるメンバーとともに、VT体験しませんか?
島根県立石見美術館 コレクション展「あなたはどうみる?-よく見て話そう美術について-」関連イベント「みるみると見てみる?」
日時:平成29年1月8日(日)、1月14日(土)、1月29日(日)、2月11日(土)、2月26日(日)いずれも14時~(40分程度を予定)
会場:島根県立石見美術館 展示室A
平成28年12月10、11日に文京学院大学(本郷キャンパス)にて「非認知スキル向上のための『みる・考える・話す・聴く』」というセミナーを春日さんと開催してきました。
<はじめに>
文京学院大学経営学部の馬渡ゼミでは、学生さんの研究の一環として、ヴィジュアルシンキング(以下VT)を幼児教育に活かす形での提案作成を進めておられます。
非認知スキルを高める手法としてVTを学び、その重要性や有効性を体験を通じて理解するために、対話型鑑賞の技法を教示してもらいたい、ということで「みるみるの会」に声をかけてくださいました。
みるみるの会を知るきっかけとなったのは、京都造形芸術大学アート・コミュニケーション研究センターの先生方と制作した教科書副読本「みる・考える・話す・聴く 鑑賞によるコミュニケーション教育」だったそうです。
そこから、関係する方々から情報を得て、このみるみるの会のブログにたどりついたとのこと。
島根を中心に活動する私たちと、東京の学生さんたちとがつながることができるなんて、ゼミ生のみなさんのアンテナの高さ、副(福)読本、そしてSNSに感謝です!
さて、馬渡ゼミの学生さんを対象に、講義あり実践形式あり、そして対話型鑑賞のナビゲーター体験ありの文京学院大でのセミナーについてレポートします。
<文京学院大学セミナーのプログラム>
1日目<理論編>
12月10日 参加者:学生12名、馬渡先生、ゲスト参加者:平野智紀さん
(1)講義「非認知スキル向上のための『みる・考える・話す・聴く』」(春日)
(2)実践1「みる」トレーニング:「あなたはどのひまわり?」(金谷)
(3)実践2「伝える」トレーニング:「ブラインドトークに挑戦」(春日)
2日目<実践編>
12月11日 参加者:学生9名
(1)ナビゲーター デモンストレーション 作品:「靴」ゴッホ(金谷)
(2)対話型鑑賞のナビゲーター体験(2グループに分かれて)
(3)シェアリング
(4)ナビゲーター デモンストレーション 作品:「ゴッホの椅子」ゴッホ(春日)
<1日目 理論編>
(1)1日目は、春日さんによる講義「非認知スキル向上のための『みる・考える・話す・聴く』」でスタートしました。
〇講義の概要
・非認知能力とは、「学びに向かう力や姿勢」とも言い表せる。(白梅学園大学教授 無藤隆氏 これからの幼児教育2,016ベネッセ教育総合研究所より)
・幼児を対象にVTを行うと、目標や意欲、興味・関心をもち、仲間と協調して取り組む力や姿勢を育むことができる。
・対話型鑑賞は、保育園や幼稚園で簡便にできて、費用がかからない。
・幼児を対象にしたナビゲーター(以下ナビ)の声かけ(4つのフレーズ)
①何がみえますか?
②どこから そう思いましたか?
③そこから どう思いましたか?
④さらに 発見はありますか?
・ルールを伝える
①よくみる
②しっかり考える
③話すときは黙って手を挙げる
④友達の話はよくきく
・子どもたちは(対話型鑑賞を通じて)認められることで、自己肯定感も高まり、集団所属の安心感も生まれる。→さあ、ナビをやってみよう!
(2)続いて実践1「みる」トレーニング:「あなたはどのひまわり?」
ゴッホの「ひまわり」をみて自分はどのひまわりか、自己紹介を兼ねて理由ともに発表していただきました。
思いもかけず自己開示をしていたり、身近な人の意外な一面を知ってしまったり、同じ花を選んでいても選んだ理由をきくと、それぞれ違う捉え方をしていることに気がついたりと様々なことが起こります。
そのような中、お忙しいにもかかわらず、参加してくださった馬渡先生が選ばれたのは、なんと「壺」!ゼミのみんなが花咲くよう、どっしりと支えているとのこと。流石です!参りました。
このセミナーを開催することができたのも、個性豊かなひまわりたちをまとめ、支える馬渡先生がおられたからこそ。ありがとうございます!
さて、この「あなたはどのひまわり?」には、ある仕掛けがあります。「自分はどれかな」と考えながらみたり、同じ花でも違う捉えをしていたりすることを踏まえて、またみる。ただなんとなく、ぼんやりとみるのではなく、「意識をもってみる」ことが楽しみながらできるように仕掛けられていたのです。
さあ、あなたはどのひまわりを選ぶのでしょうか?
(3)実践2「伝える」トレーニング:「ブラインドトークに挑戦」
ブラインドトークは、ペアで行います。1人がアイマスクを付け、もう1人がスクリーンに映し出された作品をみて、それがどんな作品なのかアイマスクを付けた人に伝えるものです。
1作品目を伝える体験が終わって、アイマスクを取ると「オー」という声が上がりました。
お互いの体験をシェアリングして、伝えるポイントをまとめました。
〇うまくいったこと
・(描かれているものについて)全体から、物の配置や大きさについて伝える。
・(アイマスクをして)見えていない人が、きく(質問をする)。
〇うまくいかなかったこと
・言わなくても分かっている、伝わるはずと思っていたが、相手には伝わっていなかった(→ことばにすることが大事)。
1作品目のポイントを踏まえ、アイマスク役を交代して、2作品目へ。作品が映し出されると今度は「えーっ!?」という声が…。しばらく黙り込んでしまうペアもありました。
2作品目の体験後のシェアリングでは次のような意見が出されました。
・伝えることの難しさを感じた。
・双方向が大事。一方的に伝えるのではなく、お互いに聴きあうことが大切。
・同じものをみていても、受け取り方が違う。
・どう伝えたらいいか分からなかった。でも、(アイマスクのペアの人が)きいてくれると話しやすかった。
講義と実践形式の研修を通して、目と脳をフル活用してVTを体験して頂いた1日目でした。
※2日目の様子については、「文京学院大学セミナーレポート その2」にてお伝えします。
<お知らせ>
みるみるメンバーとともに、VT体験しませんか?
島根県立石見美術館 コレクション展「あなたはどうみる?-よく見て話そう美術について-」関連イベント「みるみると見てみる?」
日時:平成29年1月8日(日)、1月14日(土)、1月29日(日)、2月11日(土)、2月26日(日)いずれも14時~(40分程度を予定)
会場:島根県立石見美術館 展示室A