カナダ・エクスプレス

多倫多(トロント)在住の癌の基礎研究を専門にする科学者の自由時間ブログです。

コペンハーゲン

2008年05月30日 | 旅の徒然
今出張でコペンハーゲンに来ています。2泊3日の短い旅です。コペンハーゲンはデンマークの首都ですが、ここはスカンジナビア圏です。お隣にスエーデンがあります。10年ほど前に、コペンハーゲンからフェリーでスエーデンに渡った記憶があります。ルンドへ行ったときです。今は橋がかかっていると聞きます。

着陸するときにデンマークの土地を空から眺めながら気がついたのは、風力発電があちこちに見られることです。何でも、20%の電力が風力発電で賄われているとのこと、小さな国とは言え立派なものです。世界中の国々が努力して排気ガスやガソリンの消費を抑えていかなければなりませんね。ガソリン価格の高騰が昨日の夕食の話題にも上りました。イギリスが一番高いみたいでね。どこの国でも悩みの種のようです。

さようなら、チェルシー

2008年05月24日 | ペット
5月11日(母の日)に我が家の愛犬チェルシー(ゴールデン・リトリーバー)が亡くなりました。13歳でした。

亡くなって二週間になりますが、ようやく記録としてこのことをブログに書く気持になりました。ペットをなくすということがこんなに衝撃的でつらいことであることを初めて知りました。今まで13年間、我が家のどこかにいつもいて、名前を呼べばこそこそと動き始めて、こちらを見てくれる存在。ラボから帰宅して車をガレージに入れる時、玄関のガラス戸越しにいつも帰りを待っていて、私の帰宅を家人に知らせてくれる存在。近くのゴルフコースを一緒に散歩して、楽しそうに走り回ったあとで、クッキーをおねだりする存在。みんな一瞬にしてなくなってしまいました。

死とはそういうことなのですね。人でもおなじ、犬でも、どんな生き物でも同じことなのでしょう。存在が近ければ近いほど、その衝撃は大きいものです。自然の輪廻は脈々と流れていきます。身近な存在の死に接したとき、考えさせられます。われわれ自身の存在についても。生きとし生けるものは欠けがえのないもの、生を大切にしなければなりません。

とはいっても、やっぱり今心にあるものは、チェルシーが本当に可愛かったという思い出です。そんな一枚を最後の写真として掲載しました。夏のヘアカットをしたばかりのチェルシーです。実に可愛い!

クイックランチ

2008年05月17日 | カナダ
一昨日同僚のC博士に誘われて、クイックランチのJapanese restaurant「MANPUKU」に行きました。メニューはシンプルでどんぶり物とうどん各種、それにおにぎり、たこ焼きという塩梅でした。私は肉うどん(5ドル95セント)、C博士はカレーどんぶり(同価格)を食べました。注文してから待つこと数分で、あっという間に出てきました。あまり期待しなかったのですが、結構おいしくて、感心しました。お茶やお水も何回も入れ替えにきてくれて、とても親切で好感のもてる店でした。また行こうと思います。

遠い昔のことを思い出したのですが、札幌の旧道庁の北向いに石狩会館というビルディングがあって、そこの地下に食堂というかレストランがありました。学生時代に、そこで友達のS君とスタミナランチ(500円)を感激しながら食べた記憶がよみがえってきました。このスタミナランチは、とにかく破格のバリューがありました。まずボルシチが大皿で供され、それから白身魚のフライにキャベツの千切りとトマトのスライス、そして、ライス、さらにコーヒー付きでした。もうないのでしょうかね、石狩会館は?そして、スタミナランチは?このブログの読者の方で、知っていらっしゃる方はおそらくいないでしょうね?

つまらないランチの話でした。

サイエンス・ランデブー

2008年05月11日 | サイエンス
今日はScience Rendezveouというサイエンスの催しがトロントの街中で行われました。一般の人々を対象にサイエンスに少しでも接してもらうことが趣旨で、一部の研究室を公開して実験のデモンストレーションをしたり、一般向けのサイエンスの講演があちこちで行われました。

私のラボもUniversity Health Networkを代表してラボツアーの催しに参加しました。ポスドクのC君とJさんが大変張り切って30分のツアーを3回取り仕切ってくれました。

大腸菌を使ってヒトのタンパク質をつくるところから、NMR測定、そしてタンパク質の構造決定まで紹介しました。お客さんは、当初小学生や中学生の子供を予想していたのですが、意外なことに大人のお客さんが多くて、びっくりしました。かなりシニアの方々も来てくれて、熱心に説明を聞いていました。

この催しはトロントにある大学、研究所、病院などあらゆる研究組織が参加した前例のない画期的なものでした。サイエンスを一般の人々に少しでも知ってもらうことは実に大事なことです。なぜなら我々の研究費は税金から大半が賄われているからです。

それから、子供たちに少しでもサイエンスの楽しさ、おもしろさを知ってもらうことが、今後の科学の進歩にとっても大事なことだからです。

まだ第一回でしたので準備不足のところも多々ありましたが、この経験を生かして来年また参加したいと思っています。

名人戦第三局

2008年05月10日 | 将棋
昨日の名人戦第三局、森内名人対羽生挑戦者の将棋にはびっくりしました。森内名人が序盤から桂得となり明らかに優位に対局を進め、中盤では「森内勝勢」という専門家の解説が出ていました。森内名人の飛車が楽々と挑戦者の玉の横腹めがけて成り込む様相を呈していましたが、それを玉頭の攻めと歩のたたきなどを駆使し、最終的に自陣に打ち込んだ攻防の角を使って、羽生挑戦者はその飛車を敵陣に見事に封じこめてしまいました。そして流れが変わったと思われます。終盤では森内名人のミスも誘い、圧倒的に敗勢と思われた将棋を見事に自分のものにしてしまいました。この羽生挑戦者の実力と気合いそして集中力に、感動と感嘆の意をこめて拍手を送りたいと思います。

どんなに窮地に立っても決して諦めない羽生二冠の姿勢はほんとうに印象的でした。将棋に限らず、何事にもこうありたいものだと思わせる、素晴らしい将棋を見せていただきました。

ピッツバーグへ出張

2008年05月02日 | サイエンス
4月30日にピッツバーグであったNMRシンポジウムに出席しました。前にもこの街は通過したことがありますが、ピッツバーグ大学を訪れるのは初めてです。お隣にはカーネギーメロン大学があります。一日だけの滞在、しかも一日中会議でしたので、観光は全くできませんでした。でも、たくさんの同僚に会うことができて、とても有意義な一日でした。

今回はトロントからナイアガラを通って車で行きました。片道約600kmです。ポスドクのC君がほとんどドライブしてくれたので助かりました。それにしてもUSのカスタムには全く憤慨します。この話はまた別の記事で書きます。