カナダ・エクスプレス

多倫多(トロント)在住の癌の基礎研究を専門にする科学者の自由時間ブログです。

オンタリオ州ミッドランド

2007年07月26日 | カナダ
今週は私も夏休み。息子も大学の寮から帰っているので、昨日は家族三人でトロントの北部ムスコカ地方にドライブに行ってきました。

お昼は、ジョージアン・ベイの港町Midlandに立ち寄り、昼食をとりました。港に面したレストラン「Scully's Clab Shack Restaurant」で名物「Fish and Chips」をいただきました。カリッと揚がっていてとてもおいしかった。しばらくダイエットしなければなりません

それにしても、この界隈は白人ばかりです。このレストランの客をざ~と見渡しても、すべて白人の家族ずればかり。我々家族が唯一の黄色人種。トロントでは考えられません。ムスコカ界隈は避暑地で、個人のコッテージがいたるところにあります。ほとんどがトロント近郊から来る人たちのもので、週末はトロントとムスコカの間の道路は交通渋滞で大変です。

昼食を取ったあと港のあたりを散策して、帰宅しました。トロントから2時間ほどの所に、トロントニアンが楽しむ、のんびりとした夏の避暑地があります。

Faculty 1000

2007年07月24日 | サイエンス
科学文献の検索は、近年の膨大な論文出版量に伴って、常に最新の情報を手に入れることが大変難しくなってきました。また最新情報に敏感でないと、科学の競争社会では勝ち残っていけません。

私がまだ学生の頃は、インターネットも普及していませんでしたし、文献検索というと、図書館に行って「Chemical Index」とか名前すら忘れてしまいましたが、生物関係のアブストラクト集からキーワード検索していました。ジャーナルの数もそれほど多くなかったので、図書館でせいぜい十冊ほどのジャーナルの最新号に目を通せば、当時の私の分野におけるおおよその世界の状況は把握できました。

最近はジャーナルの数がものすごく増えて、すべてに目を通すことなど到底できません。その点、PubMedは大変重宝なツールです。論文検索はもちろんのこと、大学図書館を通して原著のPDFコピーが簡単にプリントできます。何と便利になったことでしょう。

オンライン検索がさらに進化した形で現れたのが、Faculty 1000というサイトです。このサイトは有料ですが、様々な分野のエキスパートが世界中から参加していて、彼らが選んだ最新の重要論文がリストとして紹介されています。例えば、私が所属する構造生物学のFacultyで、「これは面白い」と論文に出くわせば、簡単なコメント共にF1000に投稿します。それが簡単な審査のあと(これは重要な過程)1週間以内でサイトに掲示されます。世界中の頭脳をボランティアで集めて人類の知恵袋にしようというような感覚でしょうか?メールでも、毎週最新情報を送ってくれるので、それを見て面白い論文を見つければ、そのタイトルをクリックするとさらに詳しい内容がたちどころに入手できます。

便利な世の中になったものです。静かな図書館でのんびりと論文の宝物探しをしていた時代がとても懐かしく思い出されます。

日々是好日

2007年07月22日 | カナダ
文月は梅雨の月、日本はうっとおし雨の日が続いているのでしょうか?新潟で地震で被災された方々には、心よりお見舞い申し上げます。

こちらトロントは本日快晴。この時期にしては、珍しい清々しい風の吹く、本当に気持ちのいい一日でした。朝は犬の散歩の後、愛用の自転車で少し遠出をしました。坂を登った先にある公園まで行き、そのサイクリングコースを一周して来ました。往復40分ほどだったと思いますが、私にとっては始めての冒険です。いい汗をかきました。

その後、ヨガ教室に行き、スチームバスに入り、昼食はスパゲティを私が作り皆で食べました。我ながら上出来でした。その後、午後は庭でゆっくりと読書。ゆっくりと時間が流れていきます。夕日が奇麗で気持ちのいい風がやさしく流れていました。いい休日でした。

ザ・フォーク・クルセダーズ

2007年07月21日 | 音楽
ふとしたことで、10代の前半から聴いていたフォークソングに再開しました。その一曲とは、ザ・フォーク・クルセダーズの「悲しくてやりきれない」です。

ご存じない方も多いでしょうね。作詞はサトー・ハチロー、作曲加藤和彦です。ザ・フォーク・クルセダーズは加藤和彦、北山修が中心となって結成したフォークグループで、「帰ってきたヨッパライ」、それに「イムジン河」などのヒットを出しました。「帰ってきたヨッパライ」のレコードが出たとき、近所のレコード屋さんに注文して、何日も待たされたあとようやく手にした時には、そのレコードが宝物のように思えました。

「悲しくて・・」は実に名曲。何度聞いて胸が熱くなります。それに、「イムジン河」は、現在の朝鮮半島の状況だけでなく、反対勢力間の紛争が絶えない中近東の状況を思うとき、平和の大切さを訴える実に素晴らしい曲です。

最後に、加藤と北山コンビの名曲「あの素晴らしい愛をもう一度」は私のカラオケの持ち歌です

千の風

2007年07月15日 | 音楽
日本では「千の風になって」という曲がヒットしているのですね。私も昨年暮れの紅白歌合戦で聴いた時、その歌詞とメロディーの美しさに惹かれましたが、しばらく忘れていました。

「私はお墓の中にはいませんよ。千の風になって地上の生命を育て、星になってあなたを見守っています」というような内容です。この歌には色々エピソードがあります。ニューヨークのテロで亡くなった方々の追悼式で、お父さんを亡くした幼い少女が作者不明のこの詩を朗読して、多くの人に感動を与えたとのことです。原作は英語だったのですね。驚きました。

というのは、この歌詞を初めて日本語で聴いたとき、これはまさに真言密教の伝える思想であると思ったからです。実に東洋的思想、仏教的思想の匂いのする詩だなあ、と思ったからです。ところが、この原作者はどうもアメリカ人女性であるようです(諸説があるようですが)。やはり人間の行きつく死への考え方には、人種や文化を超えて共通性が存在するのだと思いました。私にとっては驚きと感動の発見でした。

「千の風になって」をいまiTuneでダウンロードして聴いています。心にしみいる名曲です。

中神駅前の食堂

2007年07月14日 | 食いしん坊
また昔の話しになります。ごめんなさい。

1979年のことですから、かれこれ28年も前のことです。私は昭島市にあるJ社にマススペクトロメトリーの研修に行きました。その際、中神駅前の通りを少し歩いて左手にあった「18番」という名前の食堂に毎晩のようにお世話になりました。

そこのメニューはすべで番号で書かれていて、注文も「8番と36番!」とかいう風にします。膨大な数のメニューのなかで私がとりわけ好きだったのが、写真の豚肉とトマトとたまごの炒め物でした。この正確な番号は今は思い出せませんが、私も「13番!」とかいう風に注文していたのを思い出します。トマトと豚肉の相性がとてもよく、それにたまごの甘味が実にうまくからまりあった一品で、私は大ファンになりました。

口数が少なく腕の立つ職人といった感じのご主人がコックさんで、奥さんは都はるみにとてもよく似た小柄で気さくな方だったことを今でもはっきり記憶しています。今はどうされていますか。確か数年前にJ社を訪れた時、すでにこの店が中神から姿を消したということを知りました。とても寂しく思いました。

30年近くたった今でも、この料理が我が家の食卓に上ります。家人も大好きです。今日は私が腕をふるって作りました。おいしかった。

Inside-the-park Home Run

2007年07月12日 | 英語と日本語
昨日の大リーグ・オールスター第一戦で、マリナーズのイチロー選手がランニングホームランを打ちました。オールスター戦でのランニングホームランは大リーグ史上初めての快挙とのことです。おみごとと言う他ありません。

ところで、英語でランニングホームランは「Inside-the-park Home Run」というのですね。初めて知りました。私はスポーツに関してまったくの無知です。「Inside-the-park」は、野球場のファウルラインの内側という意味です。英語の会話で「ball park」という使い方があるのは、野球から来ているということも、今回調べてみて初めて知りました。まったくのスポーツ音痴です。「ランニングホームラン」は確かにいかにも和製英語ですね。他にも野球用語には和製英語が多数あることを前に聞いたことがありますが、今はちょっと思い浮かびません。何かありますか?

イチロー選手がブルージェーズ戦でトロントに来ると、よく行くレストランがあります。それは、King streetにある「Hiro Sushi」です。ナイターの後通常のお客さんが引けた深夜近くになってから、このレストランをよく貸し切りにするという噂を耳にしたことがあります。トロントには、かなりの数の寿司レストランがありますが、「Hiro Sushi」はとりわけ有名です。そして、寿司も一品料理も実においしい。トロントに来て日本料理が恋しくなったら、ぜひ立ち寄ってみてください。

それにしても、イチロー選手は実に素晴らしい。あの鋭い目は自分の仕事に打ち込んでいる人の目です。これからも益々活躍してほしいと思います。

ケンタッキーフライドチキン

2007年07月08日 | 食いしん坊
息子に誘われて久しぶりにケンタッキーフライドチキン(KFC)を食べました。

私が初めてこのアメリカの食文化に接したのは、ちょうど35年前、高等学校1年生の時にホームステーで滞在したワシントン州オリンピアでのことでした。日曜日のある日、その家のお母さんが「今日は家族みんなでピクニックに行きましょう。山がいいか、海がいいか、あなたが決めて。」と私に言いました。私は海を選びました。そしてその家の私とほぼ同年代の兄弟が「それじゃKFCを持っていこうよ!」と両親を説得して、許可がおりました。そして、海岸へ行く途中に、あの髭と眼鏡がトレードマークのコーネル・サンダースの人形があるファーストフードの店に立ち寄りました。しばらくすると、お父さんがバケツのように大きなKFCファミリーパックを店から持って出てきました。そのサイズには本当に圧倒されました。もちろんコカコーラも一緒に調達されました。そして、海岸でみんなでバケツを開けて、KFCをいただきました。その時のあの味は一生忘れません。独特のスパイスの利いたカリッとした衣の中に見つけたのは、とてもジューシーなチキンでした。15歳の高校生だった青年は、このはじめてのピクニックで食べたKFCの中にアメリカのリッチな食生活を見つけたのでした(今はそうは思いませんが)。

そして帰国してしばらくすると、私の高校があった名古屋にも、KFCが開店しました。栄町の明治屋のあたりだったと思います。今はあるかどうかわかりません。そこで学校帰りにKFCを早速買い求め、家に持ち帰って自慢げに家族と食べた記憶がかすかにあります。その味は絶望的に近いものでした。あまりにも脂っこくて、日本の食卓には合いませんでした。ちょうど梅雨時だったこともわざわいしたと思います。やはり、KFCはアメリカの広々とした大地のもとで食べるものだと思いました。

今では、KFCと言えば世界中どこでも見かけます。そして、非健康食品の代表格のように評価されています。うちの子供ですら普通は敬遠します。でも、昨日食べたKFCの味は格別でした。というのは、35年前の懐かしいピクニックの光景や連れて行ってくれたオリンピアの家族の皆々の顔が浮かんできたからです。

恒例BBQパーティー

2007年07月08日 | サイエンス
今年のラボのバーベキューパーティーの季節がやってきました。昨日7月6日・金曜日午後6時から我が家で開催しました。今年は例年より家族連れが多くなって、総勢26人の大パーティーになりました。

メニューは、自家製カナダ産チェダーチーズ入り春巻き、冷麦と野菜のサラダ、野菜のドライカレー、サワークリーム入りポテロサラダ、それにバベキューです。まずはガーリックとオリーブオイルで味付けしたエビ、韓国風リブの焼き肉、それから、タンドリチキンです。タンドリは昨年も作りましたが、今年も大変人気がありました。最後は、皆が持ち寄ったデザート各種とコーヒーもしくは紅茶です。大量に作ったドライカレーは少し残りましたが、それ以外は完食。あっぱれなものです。みんな本当に良く食べます。

一夜明けて今朝は後片付けをしました。恒例のBBQパティーが終わって、夏が来たなあ、という実感がわいてきました。

入谷の朝顔市

2007年07月06日 | カナダ
読売オンラインで、東京入谷の朝顔市の写真が出ていました。日本はもう夏真っ盛りなのですね。暑い夏に朝顔はよく似合います。夕涼みをしながら、朝顔の花を眺めて風鈴の音を楽しむ。日本の素晴らしい夏の風物詩です。

当地トロントでも朝顔は咲きます。もちろん輸入物でしょう。昨年から我が家でも朝顔を育てはじめ、今年は去年の花からとれた種を蒔いて、二年目の朝顔の顔を楽しみにしているところです。ただし、うちの朝顔はまだ開花には程遠く、あと一カ月は待たなければならないでしょう。ようやく、弦が伸びはじめたところです。

朝顔というと、やはり加賀千代女の名句「朝顔に 釣瓶取られて もらい水」が浮かびます。17文字の中に、季節、風景、それに繊細な女性の感情が見事に表現されています。ただただ感嘆する他ありません。

うちの朝顔が咲いたら、また写真で紹介します。

グラント更新

2007年07月04日 | サイエンス
今年2月に書いていたCIHR(Canadian Institutes for Health Research)のグラントの結果が先週金曜日に発表になりました。幸いにして、申請してあった転写関連のグラントを更新することができ、5年間の予算がつきました。ほっとしました。

カナダのCIHRも米国のNIHと同様、このところ深刻な経済状況にあり、前回2006年9月締切りの結果は、採択率16%という最悪の状況でした。NIHは採択が10%を切っている状況ですので、それに比べればまだいいのかもしれませんが、これまで25-30%あった採択率がここまで落ちると、業績を出しているかなりの研究者がカットされる状況になっています。これはひとえにCIHRに配分される研究費の国の予算がカットされたためで、前回は総額$139Mという極めて低い状態でした。幸い今回は$249Mまで予算が回復したので、採択率は26%まで上昇しました。

どこの国でも、科学者はグラント獲得に関しては頭を痛めていると思います。競争の原理に基づく科学の進歩は存在するべきだと思いますが、成長に伴ってそれなりに投資を重ねていかない限り、健全な科学の進歩はあり得ません。今後もカナダ政府がCIHRを始めとするグラント機構を強く支援していくことを願っています。

我が家の家庭菜園

2007年07月02日 | カナダ
我が家の裏庭の片隅に、小さな家庭菜園があります。そこには、毎年野菜を植えます。昨年は、ベービートマトやキュウリが大収穫で、食卓を楽しくしてくれました。

今年は、日本食料品店で購入した日本のナス、春菊、それにレタスの苗を一か月ほど前に植えました。ナスはスクスクと育ってくれて、もうすぐ花を咲かせようとしています。春菊もヒョロヒョロとよく育ち、一本は花をつけました。ただ、念願の葉っぱはそれほど多くなく、鍋の材料として食卓にのぼるということはあまり期待できません。

問題はレタス。こちらもすくすくとよく育ち、今年の野菜トリオの中でも優等生だと思っていました。ところが、ある日一夜明けると、葉っぱがきれいになくなっています。どういうわけかと思いきや、何と野ウサギの仕業でした。そういえば、最近裏庭に小さな野ウサギの子供が出てきて、それを私は楽しく観賞していました。ところが、お隣さんの野ウサギに対する感覚は我々のそれとはまったく違って、どぶネズミを追いかける調子で、隣の裏庭に入った可愛いらしい子ウサギを追い払っていました。

今年の野菜の収穫はあまり期待できません。野ウサギが見られたので、まあいいか...

カナダ・デー

2007年07月01日 | カナダ
今日7月1日はカナダ・デーです。今年は日曜日と重なったので、明日月曜日は振替休日となります。数日前の猛暑がウソのように、今日は涼しい風が吹いていて、日が陰ると少し小寒いくらいです。とても快適な日になりました。

数年前から、うちの界隈ではカナダ・デーになるとカナダの小旗が各家々の前に立ちます。去年か一昨年の記事で紹介しましたね。今年もまたです。明日の朝になれば、この数百に上る小旗はきれいに撤去されます。興味のあるかたは2年前のカナダデーの記事をご覧ください。

カナダ・デーはビクトリア・デーと並んで、花火ができる唯一の休日です。この二日以外は、カナダでは線香花火といえども、やってはいけないことになっています。今夜は賑やかな花火の音がうちの界隈にも響きわたることでしょう。「隅田川の花火」のような大規模な花火大会ではありませんが。