カナダ・エクスプレス

多倫多(トロント)在住の癌の基礎研究を専門にする科学者の自由時間ブログです。

プロフェッショナル

2008年07月29日 | 将棋
親類から送ってもらったDVDで、7月15日に放送されたNHK「プロフェッショナル」ライバルスペシャル「宿命の対決・名人戦・森内俊之VS羽生善治」を見ることができました。素晴らしかった。

羽生はこの名人戦を制して永世名人の資格を獲得しました。この勝負にはどうしても勝ちたかったのでしょうね。その執念というか決意が画面から伝わってきました。

森内前名人が最終局に敗れた翌日、一行より先にいち早くホテルを立ち、始発で東京の自宅に戻ったという話は、勝負の世界の厳しさを感じさせてくれるエピソードです。こんな話は大山、升田時代からあったような話ですね。今も昔も勝負の世界は変わりません。

羽生名人の一言には重みがあります。プロフェッショナルとは、24時間、356日プロであり続けることだと、さらっと言ってのけます。本当にこの人はそうしているのだと思います。実にさわやか、実に爽快です。これからも、このお二人にはいい将棋を極めていってほしいと思います。

家人が横で「将棋の棋士は歳をととったらどうなるか?」と聞いています。年とともに気力や集中力は低下しますが、還暦を過ぎてもまだ現役で将棋をとことん指している棋士は数人います。成績が低下して引退していく棋士もたくさんいますが、そういう棋士たちの多くは地方の将棋教室などで将棋を教えたりしているのだと思います。

 生涯現役の方が多い世界ですね。そういえば、痴呆になった棋士の話はあまり聞きません。我々の耳に入らないだけかも知れませんが...大山永世名人などは生涯A級(トップ10人からなる棋士のクラス)でした。頭を使い続けること、大事ですね。米長邦雄さんの話だったと思いますが、将棋を指していると「脳が汗をかく」と言っていました。頭も体も汗をかくくらい使い続けたいものです。健康で長生きする秘訣かもしれません。

シネマテクオンタリオ・サマーインジャパン

2008年07月23日 | カナダ
夏になるとトロントでは国際映画祭が行われ、街のあちこちで様々な国の映画が鑑賞できます。もちろん日本映画も登場し、日本ではもう見られないような古い映画が上映されています。

21日(月)、家人とともに鈴木純清監督の「ツィゴイネルワイゼン」を見に行ってきました。7時から始まるので、その前に軽く食事をとりました。以前にも紹介したMANPUKUというファーストフードのお店に家人を案内しました。店内に入るといつも元気に走り回っているSさんが笑顔で私たちを迎えてくれました。

冷茶を運んできてくれたSさんが突然「先生のブログ見ました!」というので驚きました。何でもトロントに来てすぐの1年ぐらい前までは私のブログをよく見ていたそうです。ところがしばらく忘れていて、私たちの訪れた前日に友達からの情報でまた私のブログを見る機会があり、その時初めて、変な科学者の人たちとよく来るあの日本人(もちろん私のこと)がこのブログの管理人であることに気づいたそうです。

その次の日にまたまた私が店に現れたので、これも驚かせたことでしょうね。MANPUKUで奮闘しているSさん、頑張ってください!応援しています!私のブログを覚えていてくださり、ありがとう!

MANPUKUで私はカレー丼、家人はわかめうどんを食べてから、AGOに直行しました。値段も手ごろだし、時間がない時でも手早くおいしい日本の味が味わえるので、こういう店が身近にあることは大変重宝です。それもAGOのお隣ですし、どこへ行くにも大変便利な場所にあります。

会場に到着すると結構人が入っていました。上映開始の時にはほぼ満員でした。それも90%以上がカナダ人です。映画は?と言うと、ちょっと長すぎたし、例の古い前衛映画で、面白かったのですが、少し疲れました。でも、楽しい夏の夜を過ごすことができました。

雨と朝顔

2008年07月20日 | カナダ
昨日(土曜日)はとても気持ちのいいお天気でしたが、今日は朝から雨です。数日前から咲き始めた我が家の朝顔も今日は何だか悲しそうに咲いています。おにゆりも見事なオレンジ色のきれいな花を咲かせていますが、雨に打たれてこうべを垂れています。

今年は雨が多いせいか、芝がとてもきれいです。緑のじゅうたんが庭を生き生きとしてくれています。こういう雨の日曜日は読書に限ります。最近暇があると読んでいるのは、アジアの北方民族のこと。遠い昔、日本列島にもやってきた人たちのことです。中国の古書やら日本の本をひも解きながら、楽しんでいます。

サイエンス以外のことを考えるのもサイエンスにプラスになっているように思えるようになってきました。10年前は考えもしなかったことです。歳を重ねるということは、こういうことなのかも知れません。その時、その時の自分のやりたいことを信じて、生きている間に科学論文以外にも何か残しておきたいな~と考える今日この頃です。

OBON 2008 in Toronto

2008年07月13日 | カナダ
昨日7月12日(土)はトロント仏教会主催の恒例夏の盆踊りが日系文化会館(JCCC)!で開催されました。実は私がこの催しに参加するのは今年が初めてです。同じ大学の日系カナダ人O教授が「今年は娘に誘われて、私も久しぶりに踊りにいくわ」というので、見に行ってきました。

夜7時から始まったのですが、まずはご先祖様の供養をする「儀式」から始まり、仏教会の長老らしき方の挨拶があり、それから間もなく盆踊りが始まりました。面白いのは、日本の各地から来ている移住者の方々によって受け継がれてきているので、様々な地方の盆踊り歌が披露され、皆さん上手に踊られているのでびっくりしました。東京音頭もあれば、郡上音頭、ソーラン節あり、そして締めは何と、炭坑節です。

O博士と娘さんを踊りの円の中に見つけて、その見事な踊りぶりにこれまたびっくりしました。踊り手の皆さんは90%以上が女性でした。これも日本の盆踊りとは違います。小さな子どもたちが浴衣姿で踊る姿は、本当に心をなごませてくれます。

私の故郷尾張津島地方では旧盆を祝うので、盆踊りというと8月中旬でした。小さい頃は盆踊りが楽しみでした。同時に行わた花火大会も素晴らしかった記憶があります。当地トロントでは新盆を祝うようです。それにしても、日本の文化が異国の地で脈々と受け継がれている様子を見るのは本当にうれしいものです。日系人の方々の努力に頭が下がります。

夏のBBQパーティー

2008年07月13日 | カナダ
7月11日(金)は私のラボの恒例夏のバーベキューパティーでした。総勢35人でした。子供の数が突如として増えました。この一年でポスドクのC君とテクニシャンのCさんにそれぞれ新生児誕生です。他にも年初めにラボのメンバーになったNMRマネジャーのSさんのお嬢さん3人(小学生から中学生)がパティーに花を咲かせてくれました。

それから、今年は以前私のラボにポスドクでいたRさん(現ピッバーグ大の助教授)が500KMをドライブして、パティーに駆けつけてくれました。下準備から後片付けまで手伝ってくれたので助かりました。

となりからもテーブルといすを借りたので、なんとか皆が着席できした。来年はもうひとつ折りたたみ式のパティーテーブルが必要のようです。

メニューはアペタイザーが、スモークサーモンの押し寿司、そば稲荷他。メインは、カレー二種類。インド風本格カレー(スパイシー)と日本の甘いバーモントカレー。それに、チキンとビーフリブのBBQです。それから、トーフサラダ。一人ベジタリアンの人がいるので、メニューにも気を使います。どれもあっという間に片付きました。本当にすごく食べます。これが毎年見ていて気持ちがよくて、楽しみです。

私は年に二回(もう一回は冬のクリスマスパティー)レストランのシェフの気持ちを味あう楽しみを持たせてもらっています。楽しいものです。ただ、疲れた~!

今日は暑かった

2008年07月08日 | カナダ
今日は本当に蒸し暑かった。今年初めての夏らしい日になりました。

私のいる研究タワーから病院のあるビルディングまで徒歩で5分ほどなのですが、今日は二回往復して、蒸し暑い炎天下を歩いたので、夏日であることを肌で感じました。通常部屋にいたり、研究タワーから出なかったりすると、全く外の温度や湿度はわかりません。

日本ではG8サミットが始まりましたね。洞爺湖の山の上にあるホテル、知っています。アルバータ大のS教授が一度あそこでゴルフがしたいと言っていたホテルです。北海道はまだ涼しいのでしょうね。環境問題、国際情勢、いろいろな問題が山積している折、会議の成功を祈ります。

おとなりさん

2008年07月02日 | カナダ
私の家はお隣さんと屋根を供有するタイプのセミデタッチト・ハウスです。こんな家が私の住むストリートには何十軒と並んでいるので、言ってみれば、長屋通りという感じです。隣り同士がうまくいっているケースはいいのですが、隣が気に入らないから出ていくというような話を聞かないわけではありません。大抵、隣が騒がしくて、注意しても一向に聞いてくれないとか、庭の手入れが良くなくて、見苦しいというような理由が一般的なお隣さんへの不平不満のようです。

幸い私どものお隣さんは、とてもいいカナダの夫婦で、我が家とほぼ同年代のカップルであることもあり、気の置けない付き合いをもう十年近く続けています。今日も、夕食時に、ピンポンと玄関のチャイムがなりました。行ってみると、お隣さんの大男のC氏が玄関で仁王立ちしています。何かと思ったら、「ジャガイモ2個もらえない?」ということでした。正確には、「My wife needs two potatos? Do you have them?」というようなニュアンスで、「俺がいるのではなくて、家内がいると言っているけど、ちょっともらえる?」という口ぶりです。そして、家にあったジャガイモ4個をあげました。先日はやはり夕食時に、確か「パセリ少し分けてくれない?」とお隣の奥さんIさんがやってきました。このときもパセリの在庫があり、喜んでもらえました。

今はどうか知れませんが、こういうことは日本の昔の町内のご近所さん同士や長屋の住人などの間では、近所付き合いの一環としてよくあったことですね。砂糖貸してくれない?とか、塩貸してくれない?というようなことが...返すことはなくても、日本的にはやはり「貸す」なのですね。そんな昔の長屋の雰囲気をカナダでも感じられることができて、とても幸せに思えます。この他にも、お隣さんとは、旅行時の留守番をし合ったり、夕食を招待し合ったり、たまには4人で外食に行ったりしています。

いいお隣さんを持っていることが今住んでいる家をいつまでも離れられない一つの理由かもしれません。

Canada Day

2008年07月01日 | カナダ
今日はカナダ・デーです。あちこちでカナダの国旗を見かけますし、うちのストリートには毎年恒例になったミニチュア国旗が各家一軒一軒に立ちました。明日の朝には、すべて撤収されるはずです。頼みもしないのに、誰がやっているのか?以前問題で出しましたね。これはうちの界隈をテリトリーとする不動産会社の「仕業」でした。

カナダ・デーと言えば、花火が解禁になる日です。今日の夜はあちこちで花火大会がある模様です。毎年遠くから聞こえてくる花火の音を楽しんでいます。

日本の夏の風物詩。線香花火に、蚊取り線香、そして西瓜。どれも懐かしいな~あ...