ひまわりの名前

書きたいこと、忘れたくないことだけ。

SHOW-ismⅧ ユイット(ネタバレあり)

2015-02-08 13:42:00 | 日記
現在シアタークリエで上演中のユイットについて、さきほどいっぱい感想を書いて、さあアップしようと思ったら下書きを消してしまいました。
なんというマヌケっぷり。
あまりにもガックリして、もう書けない!という気分だったのですが、やっぱりがんばります。
さっきとは全然違う書き出しですが、、。

ネタバレもあるのですが、この作品ってもしかしたらネタバレも多少読んでおいたほうが一回だけ見る予定の方とかはむしろ良いかも、、と思ってます。
と言うのも、自分は初日見終わった段階では、よくわからなかったので。^^;
それぞれのエピソードごとにお話しがいくつかに分かれているんです。
基本的なことをおさえておくと、理解が早いかもしれません。

まずホテルの住人さんたちですが、パリ博の時に謎めいたドクトルという人物に「不老不死の薬」をもらって飲んだので、永遠の命をもつ「ユイット」になりました。
ただパリ博の時にはまだいなかったマドモアゼルシス(蘭寿さん)だけは、薬を飲んでいないのでユイットではないのです。
お話は、ホテルにムシューセット(勇輔くん)が訪れるところから始まります。
彼はこのホテルでは新入りですが、以前に不老不死の薬を飲んでいるので、すでにユイットです。
このホテルには、みんな探し物を見つけに来ます。
セットの探し物は、「再燃マッチ」。
すべてのものに飽きてしまったセットは、再び胸を熱くしてくれるマッチを探しているのです。
果たしてマッチは見つかるのでしょうか?^^

そんな具合に始まり、物語は「みんながユイットになった訳」「パリの100年を振り返るショー」 誰かの探し物「思われ木の葉」 マダムドゥーの探し物「妄想幻灯機」 誰かの探し物「クジャクのほくろ」などへと続いていきます。
その間にお客さんが開演前や幕間に書いてくれた「探し物」を男性キャスト陣が見つけてあげるサロンコーナーやワインサーブのコーナーが。
ワインサーブについては別途書きます。

ホテルの持ち主であるムシューアン(井上さん)は、シスを愛しています。
限りある命の彼女と共に生き、共に死ぬことを望むようになった彼は、ドクトルを探し出しユイットでなくなる薬をもらおうと思っています。
それで夜な夜なサロンを開き、ドクトルの訪れを待っているわけです。
ここからは激しくネタバレなのですが、結局ドクトルは現れません。
そして自分が持っている「不老不死の薬」をシスが飲みたがっていることを感じたアンは、セットが持ってきたカクテルと中味を交換して薬を隠します。
でもシスはそれを見ていて、不老不死の薬を飲んでしまうのですよね。
永遠の命をふたりで生きようと思うのです。
うーん、、、なかなか難しい選択ですよね。

「クジャクのほくろ」のシーンでは、アラビアの王妃が死にかけています。
永遠の命を得るための薬に必要な孔雀のほくろを手に入れるために、侍女(?)が旅に出て、苦労してそのほくろを持ち帰るのですが、王妃は限りある命を選ぶんですよね。
正反対の選択もありだよ、、みたいな、そのあたりもなんかオトナな演出だなぁと思いました。

それにしても、その孔雀の役が勇輔くんなのですが、その妖艶さをどう言葉にしたらよいのか、、。
とにかく私の中では、死のダンサーさまと一位二位を争うアイドルです。
孤高で力に満ち、だけど儚げな美しさ。
まるで火の鳥のようです。
捕獲したいけど、捕まえて自由を奪ったら死んでしまうんだろうなぁ、、と。
ぶっちゃけこのシーンだけでも、私はチケット代が惜しくないです。^^;;;
小林先生、よくぞやってくださいました!と思います。^^

クジャクさまもですが、この作品の勇輔くん、すべてが素敵です!
いわゆるスタンダードな踊りを普通に踊る勇輔くんを実はあまり見たことがなかったことに気づきました。
なんてカッコイイんでしょう~!
美しいポージング、手足のニュアンスの繊細さ。
とにかく色っぽくて、、ラテン系のダンスとか、ゾクゾクします。*^o^*

ワインサーブについてちょっと書いておきます。
ロビーでのサーブは、テーブルの上に赤、白ワイン、ウーロン茶が置いてあります。
上演前と幕間に自由にとることができます。
劇中のサーブですが、キャストさんたちが一幕二幕、各々一回サーブする時間があって、客席に下りていらして注いでくれます。
そのために、最初にもらったワインのカップはキープしておいてくださいね。
ご贔屓さんじゃなきゃイヤって言う場合は結構難しいですが、どなたでもいいのでおかわり欲しいっていう場合はもらえる確率は高くなります。
真ん中のお席だとそれもちょっとハードかな、、。

勇輔くんに関してですが、私が見た4回とも後方席が中心になります。
3回は、センターにある張り出し舞台に来てサーブしていましたが、無いこともあります。
前の席のほうに来るころにはワインが無いか、時間が無いか、どっちかっていうことが多いです。
ちなみに4回とも白ワインを持っていました。^^v

最後にもうひとつ、触れておきたいことがあります。
「思われ木の葉」のことです。
これはあの辛い震災の記憶の物語です。
幸せな家族の肖像が一瞬にして消え去ってしまった現実を再び突きつけてくる物語でした。
人生は誰にとってもラクではなくて、誰だって少し疲れていますよね。
安楽な夢にひと時浸りたいと思って見ていたら、こんな辛いお話。
正直、最初はとまどいました。
でも、このシーンにはすごいチカラがありました。
忘れようとしている自分をハッとさせるチカラ。
苦手なことを後回しにしている自分に勇気をくれるチカラ。
井上さんの歌、ジェニファーさんの信じられないほど美しいコーラス、蘭寿さんと勇輔くんが深さを加えていくハーモニー、そこにある真摯な思いがあまのじゃくな私の心さえ揺さぶりました。
今、自分のために生きよう。
今、誰かのためにも生きよう。
そんなことばが自然に胸に湧きあがりました。