これらは、「ブラウザとの親和性を高めた、ブラウザベースのOS」あるいは「非常にOSに近い動きをするブラウザ」というものになるようです。
本題に入る前に、まずは簡単にOperating System(OS)について、おさらいしておきましょう。
OSの役割はいくつかありますが、簡単にいうとこんな感じでしょうか。
1.ファイルシステム(データの管理方法)を提供する
2.ハードウェア(パソコン本体やモニタなど)とアプリケーション(ワープロソフトや画像処理ソフトなど)を、きちんと動くように繋ぐ
3.色々なハードウェアどうしが上手く連動するように接続する
4.窓(ウィンドウ)やフォント(文字書体)などを表示させる
5.各種アプリケーションにGUI(グラフィカルインターフェイス)を提供する
ちょっと乱暴ですが、もっと簡単にしてみます。
自転車で走るときのことを考えましょう。
フレーム(骨格)は「OS」です。
タイヤ、ペダル、ギア、チェーン、サドルという各部品(これらは、「ハードウェア」や「ソフトウェア」)を、適切に動くようにボルトやベアリングなどで繋いでいるのも「OS」の役割に含まれます。
自転車を漕ぐ人は「アプリケーション」
前に進むという結果が、アプリケーションの「アウトプット(出力)」となります。
つまり、OSがなければ、何も始まらないのです。
さて。
Mac OSがパーソナルコンピュータを世に広めて以来、コンピュータにとっての重要な要素とは、「CPUパワー」と並んで「OSの優秀さ」でした。
Windows95あるいはWindows98が優秀だったという書き方をすると、反発を食らいそうですが、Mac OSに近いGUIを備え、かつ安価というWindowsは、その時代においてコストパフォーマンスに非常に優れていた結果、多数のユーザーに選ばれたことには間違いないでしょう。
プログラミングという観点から見れば、ツギハギだらけと言われ、お世辞にも安定動作するとは言えなかったWindows OSですが、上の意味において賞賛されるべきOSだったというのは、歴史的に見ておかしな話ではないと思います。
ところが昨今、CPUの処理速度は、もう頭打ちが近いと言われ、OSについても(マニアックな好き者を除けば)特に大きな不満なく使えるものが出揃ってきました。
おそらく、パーソナルコンピュータを使う一般的なユーザーの使用用途は、webの閲覧、電子メールの送受信、Officeソフトの編集、音楽や画像の管理といったところだと思いますが、Mac OS XとWindows XP(Vistaあるいは7)、Ubuntu(非常にすばらしいGUIを備えたLinuxのひとつ)のどれを選ぼうと大同小異というのが現実です。
念のため書き加えておきます。
マニアあるいはエンスーは、細かい違いにこだわるからこそ、そう呼ばれるのですが、その尺度を一般ユーザーに当て嵌めるべきではないと思うのです。
トヨタ、日産、ホンダ、マツダ・・・走れば良い人にとっては、どれも大差ない。
そういう感覚で「OSの差なんて大同小異だ」と書いているので、ご了承願いたいと思います。
つまり、ヘビーユーザーを除けば、もうOSはコンピュータの選択に大きく影響するものではなくなりつつあるということです。
クラウドコンピューティングの代表例の一つに、Google Docsがあります。
Microsoft WordやExcelとの互換性を備え、(まだまだ実用的とは言い難いですが)その簡易的な機能を有したアプリケーションが、ネットの向こう側に存在していて、ユーザーはブラウザが快適に動きさえすれば、それを使うことができる。
Google Chrome OSは、これの延長線上にあると考えていいと思います。
僅か数秒でブラウザを起動できるOSというふれこみですが、逆に言えば、それ以外の機能はあまり求めていないOSと言えるかもしれません。
まだまだ、Googleの理想とするものには遠いのでしょうが、その布石としての登場だと想像します。
一方のMicrosoft Gazelleは、もう少し旧来の思想で出来ているようです。
詳細は、CNET Japanにて。
正直、Googleのやり方が商業的に成功できるのかどうか、自分には分かりません。
フリー(無料)のOSなら、既にUbuntuがあります。
これは、本当に良く出来たGUI OSです。無料とはとても信じ難い。
しかし、WindowsやMac OS Xと比べると、まだまだ二線級OSという評価に甘んじていると思います。
Chrome OSがフリーだからといって、爆発的に普及する保証はありません。無料であることは強みではありますが、意思決定に影響する一部に過ぎませんから。
そうすると、(冷静に考えると)WindowsをベースにしたGazelleのやり方は、とても現実的なのかもしれません。
しっかり段階を踏んでいるようにも思えます。
CPUのパワーアップが難しいなら、次はシェイプアップです。(つまり、Snow LeopardやiPhone OS 3.0がそうしたように)
もっともっと、OSはその機能を簡略化していき、最終的に現在のブラウザとクラウドが機能を分散して保持し、現在のOSに成り替わっていくんでしょうか。
個人的な見解として、現在もっとも洗練されていて優れているOSであるMac OS Xは、その姿を変えていくんでしょうか。
その変化を、Appleはどのように考えているんでしょうか。
Jobsは、どう考えているんでしょうか。
とても、気になります。
パーソナルコンピュータとしてのMacが好きだという自分は、もう既に遅れ始めているような気がしなくもありませんね。
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