様々なウェブサービス、アプリなどで使用する、たくさんのIDやパスワードを管理するのは大変です。
常に同じパスワードを使っているという方もいらっしゃるでしょうが、この場合、どこかのサービスが不正侵入され、情報が漏洩してしまうと、同時に全てのサービスが脅威に晒されるという事態に陥ってしまいます。
自分の場合も、先日のアドビ社の情報漏洩事件の影響で、いくつかのサービスのパスワードを、念のため変更することとなったものでした。
かといって何十件ものサービスを利用していると、これら全てを別のID、パスワードにしておいて、その全てを忘れないというのは至難の業でしょう。
■アカウント情報の一覧表が欲しい
そんなわけで、アカウント情報の一覧表などを作成したくなるわけですが、このデータは非常にヤバい情報ということになります。
しかも、それを自宅でも会社でも閲覧できる状態にするために、Dropboxなどのクラウドストレージにアップするなど、リスク管理という点からは本末転倒も良いところなわけです。
しかし、自宅でも会社などの出先でもMacを使っているという方なら、こうしたアカウント情報のリストを、比較的安全に保管しておく方法があります。
iCloud キーチェーンのことを言いたいのだな、と思われた方は多いと思いますが、キーチェーンの最大の欠点は、自分が使っているMacのログインパスワードを誰かに知られた上で、そのMacを使われてしまうと、パスワード掛けてないのと同様に、あらゆるサービスにログインされ放題となってしまうという点にあります。
■パスワード付きディスクイメージを活用
そこで今回は、OS標準の機能を使って上記の問題の安全性を高める、もう一つの方法をご紹介したいと思います。
もったいつけた前振りでしたが、知っている人にとっては、特別なテクニックでも何でもありません。パスワード付きのディスクイメージを使うというだけのことです。
アプリケーションフォルダの中、ユーティリティフォルダ内に、ディスクユーティリティというアプリがあります。
このアプリは、仮想ドライブ(まるでCDやDVD、USBメモリーをマウントするように、Macに仮想的にマウントさせて利用するデータ領域)を作成することが出来るんです。
アプリを起動して、上のメニューの中から「新規イメージ」をクリックし、適当な名前を付けたら、暗号化という部分をクリックしてください。
2種類の暗号方式が選べるので、どちらでも好きな方を選択したら、右下の「作成」ボタンをクリックしてください。
ここでパスワードを設定するんですが、このパスワードは「様々なアカウント情報を格納するための金庫」の鍵となる部分ですので、一種のマスターパスワードとなります。文字数は出来るだけ多く、類推が難しく、かつ忘れる心配のないパスワードとしてください。
キーチェーンに保存しないために、チェックを外すのをお忘れなきよう。
作業完了すると、ドキュメントフォルダ内にディスクイメージが作成されているはずです。このディスクイメージは、好きなディレクトリ(フォルダ)に移動させて大丈夫です。
ディスクイメージをダブルクリックしたら、Macにマウントされますが、ここでパスワードの入力を求められます。
例えば、人に見られたくない画像なんかも、こうしてパスワード付きのディスクイメージに格納しておくことも出来ます。
マウントを解除(取り出し)すれば、またパスワードロックがかかりますが、マウント解除を忘れて繋ぎっぱなしにしていると、せっかくのリスク管理も台無しとなってしまいますので、ここの運用は要注意です。
あとは、このディスクイメージをDropboxなり、適当なクラウドストレージに置くだけで、どこからでもパスワード一覧表を確認することが出来るようになります。
念のため追記いたしますが、ネット銀行のアカウントなど、危険度が高いアカウント情報については、やはり自分の頭の中だけに置いておくのが理想かと思います。
しかし、ネットショッピングなど、クレジットカードを使って買い物することが多い方の場合は、全部のショップのアカウントを覚えておくのは不可能に近いですから、こうした運用方法も、候補に入れておいて良いのじゃないかと思います。
様々な環境に対応して、パスワードを一元管理できる有料アプリなどもありますが、手軽にOS標準の機能を使って対応できる方法なので、よかったらご参考に。