【週刊ゲーム市場分析】「アイドルマスター」は堅調な本数、VITA発売後のPSP市場は?

2012年11月04日 | 団長は断腸の思い
ゲームソフトの週間販売本数からゲーム市場を分析する記事の第69回。
毎週のゲームソフトの販売本数を予想し、ポイントを競うYSO3の参加型企画【Y1】もよそしく!

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今回のファミ通TOP30(ファミ通.com掲載データはログが残らないため、YSO3のメインBBSにコピペ)
※前作データ等はすべてゲームデータ博物館様(ファミ通データ)より転載。
※年間販売本数データ等はGEIMIN.NET様よりお借りし、独自集計。
※アニメディスクの販売枚数はアニメDVD・BD売り上げまとめwiki様よりお借りしています。
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■PSP「アイドルマスター シャイニーフェスタ」は初週9.7万本、前作の8割の出足

今回の首位はPSP「アイドルマスター シャイニーフェスタ グルーヴィー チューン/ハニー サウンド/ファンキー ノート」(3バージョン合算で9.7万本)。ここで「アイドルマスター」シリーズの販売実績(初週本数のみ)を眺めてみる。



今作は2009年発売のPSP「アイドルマスターSP パーフェクトサン/ミッシングムーン/ワンダリングスター」(3バージョン合算で初週12.1万本)の約8割の初週本数となった。前作とは違い、今作はダウンロード版が同時発売なことを考えるとまずまずの出足と言えそうだ。

近年の「アイドルマスター」シリーズは、アニメディスク同梱のPS3「アニメ&G4U!パック」が初週1.4万本~1.6万本という極めて安定した本数を記録していたが、今作「シャイニーフェスタ」にも3バージョンそれぞれに異なる新作アニメが収録されており、販売を下支えしているようだ。


■後継機PS VITA発売後のPSP市場は?

「アイドルマスター シャイニーフェスタ」は前作の8割の本数となったが、ここでVITA発売後にPSPで発売されたシリーズ最新作の販売状況をまとめてみた。販売データはGEIMIN.NET様掲載の「2012年テレビゲームソフト売り上げランキング(ファミ通版)」をお借りし、全体のTOP100タイトルから集計。その中から前作および前作に準ずる作品との比較が可能なPSPタイトルを抜粋(前作もPSPタイトルのもの)。


※前作に準ずる作品は独自に判断
※「プロ野球スピリッツ2012」と「ダンボール戦記W」はVITA版も同時発売



やはり後継機が発売されていることもあり、前作より本数を落としているタイトルが目立つ。総じて、今回の「アイドルマスター シャイニーフェスタ」と同じく前作の8割程度となっているシリーズが多いようだ。しかしシリーズ作品の続編の本数が目減りしていくのはPSPに限ったことではなく、さらに近年のPSPの有力作品はVITAでのプレイを見越してダウンロード版が同時発売されることが多いことを考えると、PSP市場はまだまだ健在という結論が妥当だろう。

PSP市場はVITAに移行する前に3DSにユーザーを奪われているという見方もあるが、データを見る限り、PSP→VITAに移行する猶予はまだまだ残されていそうだ。


■PSP「ソードアート・オンライン」は初週10万本規模? 人気アニメ作品のゲーム化が市場を盛り上げる

現在のPSP市場の主力ジャンルとなりつつあるのがテレビアニメのゲーム化作品。ここで以前に作成したアニメディスクの販売枚数とゲームの販売本数(PSPソフト)の関係のテーブルを再掲載してみる。


※「女性層」欄の●は、比較的女性ユーザーが多いと思われる作品

今後も主にライトノベル原作→深夜アニメ放映→PSPでゲーム化という流れが続くが、まさにこの流れをたどる「ソードアート・オンライン」のアニメディスク1巻が発売された。注目された初週販売枚数は合計3.4万枚(BD 2.7万枚、DVD 0.7万枚)と近年ではトップクラスの出足を記録している。

過去のデータにならうとアニメディスクの平均売上枚数(累計)は4万枚前後になるとみられるが、上記のテーブルに当てはめてPSPソフトの販売本数を単純計算すると(ゲームの発売日は3月14日、アニメは2クールで終了とした場合)、初週本数は10万本規模となる。あくまで机上の計算に過ぎないが、今後も人気アニメ作品のゲーム化でPSP市場が盛り上がりを見せるケースは続きそうだ。


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