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どっちにしろ泣く

2014-11-09 22:25:36 | お芝居演劇
 阪神大会の上演終了。県立伊丹のメンバーの気持ちは晴れなかった。理由は重い客席の反応や小さなミス、セリフ飛ばしやギクシャク。要するに今ひとつ歯車がかみ合った感覚がなかったから。タイムは59分26秒で、目標の58分からちょい遅れ。楽しいはずと思って送ったプレゼントに、包みを開けた大事な人が思ったより喜んでくれなかった感覚。舞台に挑戦したことのある人なら、誰しも経験ある出来事なのかも知れない。
 講評ではお褒めの言葉もいただいたが、何より気になるのはダメ出し部分。会話が上手く成り立っていなかったのでは?とか、台本段階で情報収集をもっとしてテレビで知れない世界を見せて欲しいとか、もっと見たい場面を丁寧に描けてるの?とか。聞き方をによっては致命的なダメにも聞こえるやさしい言い回し。ま、そんな感じ。お礼を言って講評の場を離れる足取りも重くなるのである。
 その日のシメのミーティングは話しの流れで全員に一言ずつ喋るチャンスがあった。出るわ出るわ反省と後悔と思い残しの言葉ばかり。出るわ出るわ涙と鼻水。お陰でティッシュのパス回し。このままでは終わりたくない? 甘えちゃいけません。舞台は毎回真剣勝負なのです。終わった芝居にダメはない。
 人に聞かれて恥ずかしいような「いい加減な練習」はしていない彼らです。十分とは言えない稽古期間だが、繰り返し同じダメをもらっても解決できないタイムロスは少なくない。何より気持ちで負けて前に進めないなんていう恥ずかしい現実もあるのだ。お芝居だと思えばなんにでもなれるって、信じ切れない普通の高校生なのだ。
 大会の結果は優秀賞で県高演劇部としては17年ぶりの県大会。名前を呼ばれた瞬間の悲鳴はすざまじく、泣きじゃくる人多数。そんなに行きたかったんだ、県大会。そのうえでみんなと一番喜んだことはもう一度舞台に立てること、二週間で稽古をし直せるチャンスをもらったことだったと思う。
 あれだけ欲しかった1勝目を、ぼろぼろになりつつも遂に手にした県高演劇部。上手くいかなかったと思って泣いて、もう一度もらったチャンスに泣いて。どっちにしろ泣くんだけどね。
 呪いは解けたのだ。もう同じ後悔はしたくないのである。
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