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マイスター攻略方あれこれ

2014-08-22 21:11:12 | お芝居演劇
 2014年度平成演劇教育委員会、裏方技能検定が終わった。たかが模擬舞台設置なのにやり始めるとムキになるし面白い。上手くいけば歓声も上がるし、しくじれば悔しい。結局は秋の大会でしくじらないにはどうすればいいか、頭ではなく体で経験できればそれで良いのだ。毎年様々な事件が起きるのだが、今年のマイスター検定A課題に臨んだ雲雀丘と県立伊丹のことを書いておこうと思う。
 設置した舞台図はこちら。6×6平台4枚を一組にして左右対称に配置。高さは3種類混合。例年が平台6枚程度なので多め。しかも斜め置きで空きスペースが少ないのが特徴。このためどの順番で平台を組み上げるかが問題になる。県立伊丹では前から3間、上下に1間の2点を基準に手前の尺4寸からそれぞれ時計回りに組み上げる方法を取った。こうすることで手間のかかる箱馬を早めに終わらせること、サス位置を早めに空け、シュートの邪魔にならないように出来るなどのメリットがある。
 実際にやってみると自分が今運んでいる開き足が、どの平台のどちら側のものか大体決まっていたはずが微妙に揺らぐ。一人が揺らぐとその影響を他の子が受け、全体がざわつく。結論としてはここまで決めておかなければいけないのかっていうぐらい決めて初めて出来ると言いきれるってことだ。下手が先に出来るから、出来たら上手に回るという程度の決め方だと、上手に回った下手メンバーによって上手が混乱する現象も観測できた。つまり時系列も計画のうちということだ。甘かったといえる。4人一組のフォーメーションは崩さなかったことで苦しみながらも作業は前進し、9分30秒で舞台は組み上がった。
 なんとか舞台が組み上がった県立伊丹に対し、雲雀丘は厳しかった。運んでくる開き足の横幅が違う。4人一組という体制が取れていない。舞台監督がセンターから指示を出し続けていない、一度決めたはずの平台を何度も調整で動かす、箱馬の高さを間違えて組んでいるなど。あらゆる事件が発生した。規定の15分で設置とシュートが終わらず、安全確保のため、スタッフと審判員が介入し、検定は終了した。「学校では上手くいったのに」と雲雀の舞監さん。そうなのだ、予習はしてきたのだ。コンクール前夜の位置決めでこういう状況に陥る学校が毎年ある。なんとしても回避しなければならない事故だった。
 位置決めが終わればキッカケ合わせ。やりたいところは4箇所。県立伊丹は平台の後に役者を飼い殺して宇宙人の襲来と同時に登場させる予定。飼い殺しに付くためには一度舞台を暗くする必要がある。そこで暗転チェックをし、その間に役者を配置させようとした。終了1分30秒前になったら暗転チェックに行く予定が、30秒前になっても演出がキッカケ合わせをやめない。ななみんが大暴走していたのだ。暗転チェックの準備をして何故か物静かに立ちすくんでいる舞監しげの頭の上から、調光のみなちゃんの声がした。「ななみん、暗転チェックしよ。」「分かった」残り19秒のファインプレー。6人の役者が上下から装置裏にスタンバイ完了し、県立伊丹は位置決めを終えた。
 ミスは絶対起きる。複雑な作戦を立てたら立てただけその危険は高まる。大切なのはワンミスで終わらないこと。誰かがリカバーして当初の目的を達成できればそれで良いのだ。
 「誰かがリカバー」簡単に書いたが、それは全員がカバーに回れる力を持っているということ。そのためのミーティング、役割分担、チーム作り、信頼関係。一度しかない舞台のために、準備できることはけっこうあるのだ。
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