超心理マニアのためのブログ

マット・イシカワによる超能力研究の文献ガイド

覚醒のメカニズム~グルジェフの教えの心理学的解明

2006-12-29 | 読書ガイド
超心理学研究のひとつの到達点を暗示する著作。
108番目。

●チャールズ・C・タート『覚醒のメカニズム~グルジェフの教えの心理学的
 解明』吉田豊訳、大野純一監訳、コスモス・ライブラリー(2001)

14番で紹介した超心理学界の重鎮が、およそ20年後に書いた本。両方の
本のカバーに示されているタートの顔写真を比べると、重ねた齢に応じて
深まった議論が期待できる。

催眠(9章)が有効に働くように、我々は合意的トランス(10章)という一種の
催眠状態にあり、自動機械と化している(少なくともそうした社会的圧力の
もとにある)。さあ、目覚めに向かってワークを実践しよう・・・
これだけ聞くと、自己啓発セミナーやカルト宗教の宣伝に聞こえてしまうが、
その危険をあえておかしながら、トランスパーソナルな心理学的検討を行なう。

超心理学の知見はわずかに瞑想や祈りの効果(20章)のところにあるだけ
だが、タートの状態特異科学のヴィジョンと、それを目指す思いが伝わってくる。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/8-5.htm

パート2は心理学の知識が少ないと読みにくいかもしれない。斜め読みくらい
で先に進み、また後で読み返す程度の気持ちで読むのがよいかも。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿