わが家の食育…「お家で作ろう! 食べよう!」

家族の健康づくりは、わが家で作る食事から…。信濃毎日新聞発行「週刊さくだいら」「週刊いいだ」特集掲載をまとめます。

おいしさと健康を支える「発酵食品」

2011-12-17 | 農と食をつなぐ…農産物の加工で豊かな食


農と食をつなぐ…農産物の加工で豊かな食 Part3 
                 信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」
                  <2011.12/8号掲載>

調味料、保存食として、農産物の加工で欠かせないのは発酵食品。
食品をバラエティ豊かにし、栄養の吸収を助けたり、機能性を持つことでも、私たちの食と健康づくりに役立っています。
健康生活を阻害する生活習慣病、アレルギー、放射性物質などの影響を少なくするためには、免疫力の改善と強化が大切。
発酵食品を食べて腸内環境を整え、ストレスやダメージに強い身体づくりをしましょう。

   
発酵食品とは―――
食品の加工には、乾燥・塩漬け・砂糖漬けに耐えられる微生物(耐乾菌・耐塩菌・耐糖菌)が活躍します。
酵母やカビ類、乳酸菌が優先的に増殖して腐敗菌を増えにくくすることで保存性が高くなるのです。
また、酵母や乳酸菌の働きで香味成分を生産するため、加工することで素材の持ち味に風味やうま味が変わり、新たな感覚の食品が生み出されます。
私たちの身体には、各々独自の微生物が棲(す)み着いています。
発酵食品の菌は、加熱調理で死んでも腸内の善玉菌のエサになるため、善玉菌を増やすことができます。
長時間熟成発酵させた本物の醤油や味噌、乳酸菌が豊富なヨーグルトなどで、自分の身体の微生物を育てることが、健康な長寿につながります。

発酵食品の種類
大豆を加塩発酵させた醤油や味噌、大豆を無塩発酵させた納豆、テンペ。
酒類やチーズ、ヨーグルト。紅茶やウーロン茶、燻製やかつお節も発酵によるものです。

              
  健康づくりの調味料…毎日飲むドリンクにも
酢は、酒造りから生まれた調味料で、アルコール発酵させて作ります。
フランスの酢=ビネガーは「酸っぱいワイン」を意味しています。
糖があれば、酵母の働きでアルコールになり、酢酸菌が酢を作り出します。
酒や酒かすからつくるもの以外に、こうじや果実でつくる酢もあります。 
梅酢、柿酢、麦芽酢など販売目的でなければ、米酢以外にもいろいろな酢づくりを楽しめます。
また、酢酸は殺菌効果が高いため、食中毒の予防や有機農法にまで活用できます。
酢の効用は多様で、酢酸・クエン酸が疲労回復・食欲増進に役立つほか、内臓脂肪や血中中性脂肪が減少したり、血圧を下げる効果が実証され、ダイエットにも役立ちます。
一日約30cc(大さじ2)を毎日飲み続けることで効果が持続するそうです。


果実でつくる酢 
佐久穂町のりんご農家須田清さんは、有機物の発酵で微生物を増やす土づくりによって高品質のリンゴを栽培し、リンゴでつくる酢も商品化しています。
果汁100%のりんごジュースを5~6ヵ月じっくりと自然発酵させた、こだわりの限定品。
リンゴを原料とするため、塩分を体外に出すカリウムやクエン酸の量が多く、整腸作用も期待できます。


野菜でつくる酢 
ヤーコンやレタスなどの野菜の焼酎はもうおなじみ。
芙蓉酒造協同組合(佐久市)は、農産物の酒づくりで地産地消や六次産業化の取り組みに貢献する酒蔵です。
「SURARA(すらら)」は、その高い技術の蓄積が生み出した野菜酢で、信州の老舗蔵元で誕生した信州の野菜調味料なのです。
かぼちゃ、えのき茸、レタスの3種のがあり、レタスは、このほど日本野菜ソムリエ協会主催「調味料選手権2011 ~新定番調味料を探せ!~」に入賞しています。


プラザ佐久(佐久平駅)、上信越道東部湯の丸サービスエリアなどで販売。
通販は、http://www.fuyou.org
  

しょうゆ・みそ  「優良こうじ」と匠(たくみ)の技で
日本のしょうゆの歴史は古く、遣唐使と鑑真が中国から醤(ひしお)を持ち帰ったことにはじまります。
平安時代から江戸時代の食文化に合わせて、調味料として味噌としょうゆに分化。
酒の醸造技術と平行して発酵技術が磨かれ、しょうゆは「ソイソース」の名で今や世界の調味料になっています。

今年、長野県市販醤油鑑評会で優秀賞を受賞した山本屋糀店(佐久穂町)の「こみやましょうゆ源泉」は、全国醤油品評会でも毎年連続受賞を果たしているこだわりの味。
自社製造の力価の高い「優良こうじ」と熟練の技で醸造しています。
みそは県内産大豆100%。国産大豆はなめらかな組成で、安全安心。
TPP参加は遺伝子組み換え大豆の表示義務がなくなる懸念が持たれる中で、国産大豆使用のしょうゆの価値は貴重なものとして見直されています。
12月は、まちの駅(佐久穂町)の山本屋糀店コーナーに、1リットルサイズペットボトル入りのしょうゆが新発売で並びます。


塩麹(こうじ・糀)
塩の代わりに使うと、どんな料理もひと味アップすることで最近話題。
こうじ(300g)を細かくほぐして塩(90g)を加えて全体になじませ、水(450㏄)を加えて混ぜ合わせ、大きめの密閉容器でフタをゆるく閉めて常温で保存します。
(2~3日に1度かき混ぜる)

長野県産米を使い、熟練の技術で種付けした(こうじ菌を振る)糖化力の強いこうじです。甘酒、漬物、辛みそに。


ヨーグルト  地産地消で地域の健康を支える
腸内の善玉菌を増やす、といえばヨーグルト。整腸作用や免疫力を高める効果で、現代の食生活には欠かせない健康食品です。
乳酸菌の機能性の研究が進み、アレルギー反応を抑える菌や、腸内の老化防止やマウスの寿命を延ばした菌の報告もされています。
ビフィズス菌やLGG菌など、どの乳酸菌を使っているかが、ヨーグルトの個性。腸内に自分の身体を守る微生物群を育てるための種菌にしましょう。



望月高原ヨーグルト(佐久市)は、地元望月の牛乳を毎朝集めて製造した地元の産品。
のむヨーグルトは地域で親しまれ、毎日の飲料として定着し、贈答用にも利用されています。
濃くてまろやかな飲み口で、合成香料など無添加。ベテラン製造スタッフが培った製造技術による自信作です。
牛乳の質や気温の変化を微妙に感じとり、発酵温度の調整をするのが経験の技。
安全な牛乳の「生産」、高い技術と安心の「加工」、地域の健康と長寿につながる「消費」。
特産品が本来理想とする地産地消の姿です。


ヨーグルトドリンクは、毎日飲める飲みきりパックが人気。
佐久市内農産物直売所、JA関連の販売店、イオン(佐久平店)、西友(佐久市内店舗)で販売しています。
通販は、http://www.ja-sakuasama.iijan.or.jp


年末年始のおもてなしに――― 
暴飲暴食になりがちな年末年始。おもてなしのごちそうにも発酵食品を取り入れて、身体にやさしいメニュー作りを心掛けましょう。
  
簡単クリームチーズケーキ 
①ボ-ルにクリームチーズ(200g)を入れて練っておく。
②小鍋に飲むヨーグルト(120㏄)と粉末寒天(2g弱)を入れて弱火にかけ、沸騰後、砂糖
(30g)を加えて溶けたら弱火でさらに2分程煮る。
③②に①を手早く混ぜ、型に流し入れて冷蔵庫で冷やす。
※ビスケットを砕いて室温に戻した無塩バター(25g)と混ぜ合わせ、容器の下に敷いたり、寒天をゼラチンに替えても可。



フレッシュなます 
ダイコン、ニンジンを細切りにして軽く塩をなじませ、リンゴ酢と混ぜる。
甘みは砂糖で好みに調える。ニンジンをリンゴの細切りと干しブドウに換えても可。



郷土食●おなっとう 
軟らかめに炊いたご飯(2合)を約60℃に冷まし、こうじ(300g)に約60℃の湯(100㏄を加えて5分ほど置いたものを混ぜる。
炊飯器に入れて保温状態で1時間おきにかき混ぜ、4~6時間で取り出して冷ます。
仕上げに塩少々入れる。
黒豆、くるみ、焼のりなどを添えたり、ヨーグルトや野菜ジュースなどの甘味料、トーストにも。



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かんたんクッキングEX         地産地消と特産品を訪ねて    

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