いつもこのブログを見て頂いて有難うございます。
比較的暖かい日が続き、過ごしやすいですね。
さて、本日は新連載 MY HOME への道 ⑬をお届けしようと思います。
このお話は100年に一度の大不況の最中、新築一戸建ての購入を目論んだ
とある30代半ばの自営業者にまつわるノンフィクションです
第13話
~ 前途多難 ~
この物語の主人公の男は平素、車での移動が多く、睡眠時間を除いて6割以上は
車の中で一年を過ごしている。
車を走らせる男の携帯電話がフイに鳴った。
表示を見ると建築社長からの電話であった。
男「 もしもし・・御世話になっております」
建築社長 「あ~○○さん、毎度です。今、電話いいですか?」
男「 いいですよ。何か? 」
建築社長 「 実は工事関係者用に○○さんに借りていただいた駐車場の管理者が
現場にいる基礎屋さんに、ポンプ車は止めたらいかん・・ゆうて
直接言いに来たらしいんですわ。」
男「 ぇ・・でも工事期間を見越した上で、数ヶ月分の駐車場代を支払いましたよ」
建築社長 「ええ、私もいましたんでそれは分かってるんですけど、ポンプ車だけは
別や、ゆうてるらしいんですわ・・・」
男「 月極め駐車場で、車の種類が違うからといって別料金にはなりませんよね。
数台分が充分に駐車できるスペースを数ヶ月借り切ったんですから、ポンプ車だろうが
ミキサー車だろうが関係ないと思いますが・・・ 」
建築社長 「 おっしゃるとおりですわ。でも、このままポンプ車止めれないと
基礎屋も基礎のコンクリート打てないんですわ。どうしましょう 」
男 「それは私に言われても困りますが、まぁ直接その方の所に行きますわ」
数十分後、男は駐車場の管理者(持ち主ではなく、その人がその土地を借り切っている)
の家を訪ねた。
行く前、男は建築社長より、絶対に喧嘩だけはしないでくれ、その場所で無いと
ポンプ車はすえられないので、喧嘩になると工事が止まる・・と念を押されていた。
身動きの効かなくなった心境の男は、駐車場の管理者の家のピンポンを押す瞬間まで
どう話し、どう振舞うべきか、判断に迷っていた。
昭和後期に建てられたであろうモルタル塗りの家に住む、管理者は部屋の奥から出てきた。
男 「 すみません。ポンプ車の事で何かお話があると聞いたのですが・・」
訪問の要件だけが伝わるように、男は静かな口調で語りかけた。
管理者 「 あぁ~、あんたな、ポンプ車はあかんで、わしは大工さんの車だけやと
思っとったんや。ポンプ車みたいなもん止めるンやったら、普通の駐車場代
だけやったらあかんわ。そら非常識や」
と、その初老の管理者は言い放った。
男 「しかし、ポンプ車が止まるのは、工事期間の中でも、たった三日ほどですし
私が当初、この土地をお借りしたいと申上げた際に、それは建築の為という事は
申上げましたよね。
昨日、現場でお会いした時に、○○さん(管理者)は何もおっしゃらなかったじゃ
ないですか。
明日、コンクリートを打つ事も、建築関係の仕事に以前つかれていたんでしたら
○○さんも百も承知の事ですよね。」
管理者 「いや、基礎屋は工事前に挨拶に来た時に、駐車場代は払うからいくらですか?
とわしに聞いたんや。
だから、わしはあんたがが払った分とは別やと思ってたんや。」
※完全に二重貸しとなるので、上記の言い分は筋が通らない。
男 「 それは、いくらなのですか? 」
管理者 「後、3万や」
一瞬の沈黙の後、男はそれを支払いますと言った。
男の購入した土地は、非常に奥まった所にある為、この時点ではこうするしか
無かったのである。
どう探してみても、他にポンプ車をすえ、敷地内に生コンを引きこむことは不可能だった。
翌日、現場を見に行った所、予定通りポンプ車は駐車し、敷地内へとコンクリートが
だくだくと流れこんでいた。
男は朝一番にそれを確認すると、自らの仕事に取り掛かるべく、もと来た道を
とぼとぼと帰っていった。
続く・・・
和歌山の不動産物件情報はこちらから
http://www.create-mn.com/
比較的暖かい日が続き、過ごしやすいですね。
さて、本日は新連載 MY HOME への道 ⑬をお届けしようと思います。
このお話は100年に一度の大不況の最中、新築一戸建ての購入を目論んだ
とある30代半ばの自営業者にまつわるノンフィクションです
第13話
~ 前途多難 ~
この物語の主人公の男は平素、車での移動が多く、睡眠時間を除いて6割以上は
車の中で一年を過ごしている。
車を走らせる男の携帯電話がフイに鳴った。
表示を見ると建築社長からの電話であった。
男「 もしもし・・御世話になっております」
建築社長 「あ~○○さん、毎度です。今、電話いいですか?」
男「 いいですよ。何か? 」
建築社長 「 実は工事関係者用に○○さんに借りていただいた駐車場の管理者が
現場にいる基礎屋さんに、ポンプ車は止めたらいかん・・ゆうて
直接言いに来たらしいんですわ。」
男「 ぇ・・でも工事期間を見越した上で、数ヶ月分の駐車場代を支払いましたよ」
建築社長 「ええ、私もいましたんでそれは分かってるんですけど、ポンプ車だけは
別や、ゆうてるらしいんですわ・・・」
男「 月極め駐車場で、車の種類が違うからといって別料金にはなりませんよね。
数台分が充分に駐車できるスペースを数ヶ月借り切ったんですから、ポンプ車だろうが
ミキサー車だろうが関係ないと思いますが・・・ 」
建築社長 「 おっしゃるとおりですわ。でも、このままポンプ車止めれないと
基礎屋も基礎のコンクリート打てないんですわ。どうしましょう 」
男 「それは私に言われても困りますが、まぁ直接その方の所に行きますわ」
数十分後、男は駐車場の管理者(持ち主ではなく、その人がその土地を借り切っている)
の家を訪ねた。
行く前、男は建築社長より、絶対に喧嘩だけはしないでくれ、その場所で無いと
ポンプ車はすえられないので、喧嘩になると工事が止まる・・と念を押されていた。
身動きの効かなくなった心境の男は、駐車場の管理者の家のピンポンを押す瞬間まで
どう話し、どう振舞うべきか、判断に迷っていた。
昭和後期に建てられたであろうモルタル塗りの家に住む、管理者は部屋の奥から出てきた。
男 「 すみません。ポンプ車の事で何かお話があると聞いたのですが・・」
訪問の要件だけが伝わるように、男は静かな口調で語りかけた。
管理者 「 あぁ~、あんたな、ポンプ車はあかんで、わしは大工さんの車だけやと
思っとったんや。ポンプ車みたいなもん止めるンやったら、普通の駐車場代
だけやったらあかんわ。そら非常識や」
と、その初老の管理者は言い放った。
男 「しかし、ポンプ車が止まるのは、工事期間の中でも、たった三日ほどですし
私が当初、この土地をお借りしたいと申上げた際に、それは建築の為という事は
申上げましたよね。
昨日、現場でお会いした時に、○○さん(管理者)は何もおっしゃらなかったじゃ
ないですか。
明日、コンクリートを打つ事も、建築関係の仕事に以前つかれていたんでしたら
○○さんも百も承知の事ですよね。」
管理者 「いや、基礎屋は工事前に挨拶に来た時に、駐車場代は払うからいくらですか?
とわしに聞いたんや。
だから、わしはあんたがが払った分とは別やと思ってたんや。」
※完全に二重貸しとなるので、上記の言い分は筋が通らない。
男 「 それは、いくらなのですか? 」
管理者 「後、3万や」
一瞬の沈黙の後、男はそれを支払いますと言った。
男の購入した土地は、非常に奥まった所にある為、この時点ではこうするしか
無かったのである。
どう探してみても、他にポンプ車をすえ、敷地内に生コンを引きこむことは不可能だった。
翌日、現場を見に行った所、予定通りポンプ車は駐車し、敷地内へとコンクリートが
だくだくと流れこんでいた。
男は朝一番にそれを確認すると、自らの仕事に取り掛かるべく、もと来た道を
とぼとぼと帰っていった。
続く・・・
和歌山の不動産物件情報はこちらから
http://www.create-mn.com/