癖が強過ぎる、個人タクシーの運転手さんに遭遇しました。
仕事の現場から現場への移動中で、お笑い芸人さんと一緒に乗っていたのですが。
その芸人さんと『芸』についての、結構熱めなトークを繰り広げていた訳なのですが。
急~に、私たちの話にㇲッと入って来まして。。
そんでもって、自分語りが始まりまして。。
そんでもって、いつの間にか、
仕事の話から、御自身の過去の恋愛話やらなんやらが始まりまして。
ほぼ自分の恋愛トーク。
何故に?
65歳の運転手さんなのですが。
声はダンディで低音の良い声なんですよ。
(今考えれば、無理して出してたのかもしれないけど。笑)
かけてる音楽もラジオとかじゃなくて、ロマン溢れる感じの運転手さんの選曲。
ええ。
正真正銘のザ・ナルシストさんですよ。
もう、その方が仰っていた事を全てお伝えしたいです。
何故に私達がその運転手さんに接待をしないといけないのか、謎過ぎましたが。笑
「俺、こんな感じでしょ?
そりゃあ若い頃はヤンチャして、沢山の女性を泣かせましたよ。」
いや、知らん。
「女性はみんな子猫ちゃんなんだから、追いかけさせないとダメなんですよ。」
いや、あなたの恋愛のハウトゥー、聞いてない。
「ほら、身長も180㎝もあるから、昔から目立っちゃってね。」
と、いきなり後部座席に向かって手を広げ始める始末。
いや、ちゃんと運転して。
「俺なんかは日本の女性はダメでね。
ベネズエラ、フィリピン、韓国、色んな女性とお付き合いして来ましたよ。
日本の女性は、天邪鬼でしょ?
ちゃんと俺に情熱をぶつけてくれないとね。」
いや、自分、ナンボのもんじゃい。
「あなた達、若い内は、借金をしてでも、色んな国に行くべきですよ。
もう俺は一体何ヶ国行ったか解らないなあ。
世界は広いんですよ。
こんな狭い国にいちゃ勿体無い。」
いや、じゃあ何で今、日本におるねん。
「俺なんかの時代は商社マンで本当に大変でね。
結婚式を挙げた時に迄、そのまま仕事でしたよ。
ハネムーンも行けなかったから、ハニーも悲しんでいたから。
アフターケアが大変だったな。」
いや、本当に知らん。
「やっぱり常に恋愛はしていないとダメですよ。
俺なんかこの歳ですがね、この間も、年上の女性に「お寿司を食べたい♡」っておねだりされて、デートをしたんですがね。
年齢を重ねても、本当にキュートで可愛いんだなぁ。
勿論、その後に何かあるなんて事、無いですよ?
俺は紳士ですから。」
いや、聞いてないし「その後」の話なんて知りたくもない。
「俺は自由な性格だから、今の結婚関係を解消しようと妻にお願いしてるんですがね。
妻がどうしても俺を離してくれないんだ。」
いや、じゃあどうしてそもそも結婚したんだ。
「愛情という言葉は『愛』という字から先に書くでしょう?
だから、結婚したら残るのは『情』だけなんですよ。」
↑この台詞、3回位言ってたなぁ。
私達が『愛情』という字を書けないと思っていらっしゃるのか?
あと、最初に私が「良い声ですね」と言ってしまったから悪いのですが。
「声もいつも褒められるんですよ、あなたも「ジェットストリーム」って言って欲しいですか?
たまにリクエストなんかもらってしまって、車の中で歌まで歌わされちゃってね。」
いや、結構です。
って言うか。
この人、いつまで喋るん?
その同席していた芸人さんも、苦笑いしながら、
「もう運転手さんのラジオ状態ですね」と3回位言ったのですが。
「そうなんですよ「何でDJにならないんですか?」なんて聞かれちゃったりしますね。」
……と。
はい?
アッバレか!この人は!
ちょっと私はたまらなくなってしまい……
「じゃあ何で今、日本でこのお仕事をお選びになったのですか?」と聞いたら
「僕はね、組織に組み込まれるのが合わないんだな。
一匹狼だから。
だから個人タクシーでしょ?
ほら、内装にも凄くこだわってしまうし。
1人で自由気ままに仕事するのが性に合ってるんですよ。」
……。
だから、アッバレだな!
羨ましいですよ!
メガプラス思考!
私にも分けておくれ!
私、全国にお仕事に行かせて頂けると、結構、
その土地その土地の運転手さんとお話をするのが好きで。
それは、その土地についてのお話などを聞きたいのですが。
(あ、疲れている時や、喉をケアしたい時は、黙っているのですが。)
東京で、こんなナルシストに延々と話続ける運転手さんに出会うとは。。。
やっぱり、芸人さんと一緒にいると、こういった特殊な事が起こるんだ……と、関心しました。笑
何で運転手さんを接待しなければならないのかは…本当に解りませんでしたが。笑
その人はきっと、
自分より若い人を捕まえては、こうやって色々と自分語りをするのが、毎日の楽しみなんだなぁ……と思ったら、
なんだか乗ってあげないといけない様な気がして。笑
父親と同い年だし。
私は城達也さんが大好きなので、ジェットストリームだけは断固お断りしましたが。笑
無論、嫌なら付き合わなきゃ良いんですがね。
ずーっとナルシストーークに付き合っていたので(向こうが止まらないので)
若干、若干で良いから運賃負けてくれないかなぁ、、、と思ってしまいましたが。笑
50円。
50円、負けてくれましたよ。笑
50円。
(いや、その、一緒に乗っていた先輩の芸人さんが払ってくれたので私は無傷ですが。笑)
最後の台詞まで。
「こうして出会ったという事は、また何処かで御縁があるでしょう。
see you again!」
と。
おっしゃっていましたが。
無いと思います。
最後まで、キャラ、ブレなーい!
その芸人さんには、後から
「絶対に鈴木が引き寄せたんだあの人は!
あんな人いない!なんなんだあの人は!」
と言っていましたが。
あんな人、いないですよ。
絶対芸人さんの力で呼び寄せたんですよ。
芸人さんは、話を盛って、面白可笑しくしてナンボの世界ですが。
盛る必要が無いレベルに、もう盛れないレベルに、ナルシストーークを繰り広げていらっしゃいました。
もうお腹いっぱいでした。
パンパンです。
タクシーに乗り、運転手さんの話にも乗り、ノリノリな日でした。
世の中、色んな人がいますね。
勉強になります。