東京ナイト

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『ヘンリー・ダーガー展 ~アメリカン・イノセンス。純真なる妄想が導く「非現実の王国で」』

2011-05-15 23:44:31 | 展覧会
今日は原宿のラフォーレで開催の『ヘンリー・ダーガー展 ~アメリカン・イノセンス。純真なる妄想が導く「非現実の王国で」』展に行ってきました。

ラフォーレなんて久し振り。
相変わらず気合の入ったファッションの女の子達がいて、変わらないなーと思いましたです。

で、展覧会はすごい人出。
通路一杯のお客さんでびっくりです。
ヘンリー・ダーガーって、かなりマイナーな人だと思っていたのに、これはどうした事でしょう。
ほとんどが若いお客でした。

ヘンリー・ダーガーは、1892年、シカゴ生まれ。
幼い頃、両親を亡くし、施設に預けられ暗い幼少時代を過ごします。
施設を脱走した後は、病院の掃除夫として、ほとんど人と交わらない一生を送り、1973年に死去。
彼の死後、下宿先の大家夫妻によって偶然、『非現実の王国で』と題された15,000ページにも及ぶ長編小説が発見されます。
その作品は、ヴィヴィアンシスターズと呼ばれる7人の少女が、子ども達を奴隷として虐待する悪の帝国と戦う、という一大叙事詩的小説で、小説には数百枚の彼自身が描いた挿絵が添えられており、今回の展覧会は、その展示。





会場入り口から、しばらくは彼の人生を紹介したパネルが続くレイアウト。
絵はその後、ようやく出てきます。
この構成の仕方が、なんというかアウトサイダーアートの紹介方法の定番なんだと思いますが、ちょっとあざとい印象を持ちました。
ゴッホとかゴーギャンもそうですが、画家の不遇により、死後の「発見」を輝かせる手法を感じてしまいます。

ヘンリー・ダーガーの絵自体は、彼の精神状態や描かれた時代によってだいぶ差はあるものの、際立った存在感を発しています。
首を絞められる少女のモチーフが再三に渡り登場したり、グロテスクなシーンも多いのですが、何故か不思議と時が止まったようなほのぼのとした印象を受けました。
それが、淡い色使いのためなのか、画家のデッサン力の問題なのか分かりませんが、独特な雰囲気は「個性」としか言えないもの。

という訳で、なかなか印象深い展覧会でした。
帰り、渋谷まで歩いて遅いランチをしたのですが、脱原発のデモ隊に遭遇。
今回は時間が無かったので参加できなかったのですが、かなり良い感じでした。
近いうちに僕も参加したいと思います。

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