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緊迫するパキスタン情勢(2)

2009-05-07 | ラジオ
イギリスの新聞デーリーテレグラフが伝えたところによると、アメリカ
中央軍司令部デビッド・ペトラエアス司令官は、アメリカ議会のメンバ
ーと非公開で会談したなかで、パキスタン政府軍が自国を救いタリバ
ンによるイスラマバード占領を阻止するために、残された時間は2週間
であると述べた。
デーリーテレグラフはその記事のなかで、もしパキスタン政府軍が失
敗を犯したら、2週間後どうなるかに付いて、そうなった場合アメリカ政
府はどういった措置を取るのかに付いては言及していない。

しかし恐らくアメリカはパキスタンの内政に、干渉せずには済まないと
思われる。
14日という日数はパキスタン中央政府が、イスラマバードから100kmの
地点にある、ブネル地区で活動するタリバンの脅威を処理できるかどう
か、それを見るために必要なものなのだろう。

タリバンはザルダリ大統領政府の黙認の下、歴史的に国境線を認めて
いないクッスン人(?)が居住するスワート河の周囲の盆地に、すでにしっ
かりとした拠点を持っている。
そしてイスラマバードからたった100kmの地点にある、ブネル地区にタリ
バンの戦闘員らが現れるようになり、単にパキスタンという国が失われる
だけでなく、パキスタンが保有する核兵器がコントロールできない状態に
陥ってしまう危険性が差し迫ってきている。

それ故アメリカ政府が憂慮している訳だ。
もしそうしたことが起きれば、国際テロ組織アルカイダとも関係のあるタリ
バンの手に、パキスタンの核兵器が渡ってしまう。
そうなれば何時何処で核兵器が使われるかは判らないが、タリバンの行
動が予測つかないものであり、また大変残酷なことを考慮すれば、全く思
いがけないときに、それが起こる可能性がある。

そうした状況になればアメリカには、もう選択の余地は無い。
アメリカ中央軍司令部デビッド・ペトラエアス司令官の発言は、偶然なされ
たものではなくホワイトハウス承認の下に、なされたものであることは明ら
かだろう。

こういった問題に詳しいソトニコフ氏は、ロシアの声からのインタビューのな
かで、アメリカ政府は事実上パキスタン当局に選択の余地を与えてはいな
いと指摘し、次の様な意見を述べている。
「残された時間は2週間であるというのは、実際事実上パキスタンに対する
タイムリミットだ。
私の見るところパキスタン軍内には、パキスタンそのものがそうであるように、
タリバンに抵抗する潜在的なポテンシャルがある。
問題はポテンシャルの弱い、ザルダリ大統領政府が、これまでタリバンに対
して然るべきイニシアチブを示してこず、事実上タリバンとの融和、懐柔策を
とりスワート河沿いの盆地では、タリバンとの間に和平協定を結んできたとい
うことだ。
このことはパキスタン政府そして、ザルダリ大統領のイニシアチブを奪ったと
考えている。
またザルダリ大統領はパキスタン軍に対して命令を出していなかった。
パキスタン軍はこれまで、このプロセスに介入してきなかったが、今や状況
は変わった」
ソトニコフ氏はこのように述べている。

戦いはこの地方が山地であることや、伝統的にクッスン人(?)がよそ者を好
ないことから容易ではないものになると思われる。
クッスン人(?)達は、まさにパキスタン政府軍をよそ者として捉えている。
その他タリバンの中にはあらゆることをする覚悟を持った、多くのいわゆる自
爆テロリスト達が居る。
そもそもタリバンとの戦いは、もっと早くなされる必要があった。
というのはタリバンは、かつてアフガニスタンに駐留していた、ソ連軍部隊に
対抗するために、アメリカのCIAとパキスタン諜報機関の資金援助によって作
られたことは公然の秘密だからだ。

瓶の中から悪魔が出てきてしまった現在、この悪魔を退治する為には、もう
世界共同体が力を合わせて、それに取組以外方法は無い。

(?)は何度聴いてもクッスン人と聞こえるが間違っていたら失礼

タリバン―イスラム原理主義の戦士たち

アハメド ラシッド
講談社


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5月4日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル


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