マサさんの「つれづれ日記」

松田昌のエレクトーン、ピアニカ(鍵盤ハーモニカ)よもやま話

Matsuda Masa

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音楽と暴力

2010年03月09日 23時58分18秒 | 失敗談
セントラル愛知交響楽団定期演奏会のプログラムに掲載したコラムです。

     *       *       *       *

             『音楽と暴力』

【地下鉄ホームで】
時は夕方、仕事の帰り、ところは地下鉄鶴舞線のホーム。

「凄い!凄い!このメロディーはイイぞ~~~!ん~~~~~~~ッと・・・・・
前の小節のコードがE7♭9thだから、・・・・・ここはAm?・・・
いやいや、普通過ぎる。
FM7にする?・・・・・ガーシュインはこういうところで、F#m7♭5を使っているよねぇ・・・・・」

っと・・・・・・、イメージで作曲中のボクの頭の中に突如、
飛び込んでくる「電車発着告知音楽」。

「♪■~○▲・・◇~?×●~~♪・・まもなく1番線に電車がまいります~~~!」
耳は音を追い、頭はその音を分析し構成を聞いてしまう。
そして、頭の中に浮かんでいた音楽イメージはどこかに消失~ッ!

「アララ!まいったな~!せっかくの凄いアイディア
(と本人だけは思っているのです。笑)
が・・・・エ~ッと何だっけ~?
前の小節がE7♭9thで~っと・・・・ワ~~!忘れちゃった~~!」

とても悲しいことです。失ってしまった凄いアイディアは2度と蘇りません(笑)。

「電車発着告知音楽」が名古屋の地下鉄ホームで始まったのは数年前でしょうか?
みなさんはお好きですか?
「人生いろいろ、人それぞれ」ですから、いろんな御意見があると思います。

「電車の到着や発車がわかって便利」
「目の悪い人にはとても親切だと思う」などの肯定的な御意見もあると思います。

それもそうですが、ミュージシャンっていつでも頭の中で音楽が鳴っています。
音楽って聴くものではありますが、表現者としては、
まず頭の中でイメージとして鳴るものでもあります。

特に作曲やアレンジをしているときは、歩いていても、トイレにいるときも・・・・
もちろん地下鉄のホームでも、その曲が頭の中で鳴っています。そんなときに、
「♪■~○▲・・◇~?×●~~♪・・」はたまりません。

日本に「電車発着告知音楽」が登場したのは20年くらい前、
確か東京山手線の渋谷駅(または新宿?)が最初。

やがて、話題を呼び、山手線の駅ごとに違う音楽が鳴るようになり、
今や全国に広がってしまっています。

【もっと凄い大音量】
最近はデジタルの大モニター画面と大音量の音の攻撃が街のあちこちでみられます。
ボクの生活パターンのなかから、挙げてみると、

1)名古屋地下鉄H見駅H山方面行きのホーム後から2両目くらいにあるモニター画面。
2)名古屋M駅裏、Bカメラの向かいのビル壁面の大画面と大音量。
3)大阪N駅、Tデパート向かいのビル壁面の大画面と大音量。

2)や3)になると、もう音楽は暴力以外の何物でもないと思います。
こんな大画面のモニターが街のあちこちに作られ、
勝手に大音響で宣伝を始めたらどうなるのだろう?と本気で心配しています。

【外国での鉄道事情】
ウィーンでベートーヴェンのお墓参りを終えて、
世界一美しい村と呼ばれるハルシュタットへ列車移動したとき、
ウィーン駅では、改札を入ったところに大きな電光掲示板があるだけで放送は一切なかったと思います。

発車のベルも鳴らないし、車内放送もなく、
実に静かな快適な旅でした(心配もありましたが)。

タイでバンコクからアユタヤへ列車移動したときも、車内放送は一切なかったです。
到着予定時間と、ホームに書かれたグニャグニャのタイ文字を読んで、
この駅はアユタヤなのか違うのかを想像するスリル満点の旅を楽しみました(笑)。

オーストリアもタイも、「電車発着告知音楽」や車内放送がないから、
乗客は緊張します。
電車が来る→乗る→降りる、という行為をすべて自分の責任で行わなくてはなりません。

路線図をある程度理解し、いくつめの駅で降りるかを調べておかないと、
目的地に付けない。

今の日本人の感覚からいうと不親切。
逆に、日本人はサービスが当たり前になっている分、
自分で考え行動し責任を持つ、自己責任の感覚が欠落していくのかも知れません。

【BGMという暴力】
最近、外食産業に入ると、従業員を小声で呼んで、
「ねえねえ・・・・BGMもっと小さくしてくれる?」
とお願いすることが多くなりました。

歳のせいもあるでしょうが、
シャリシャリとした高音成分の多い大きな音が快適じゃないからなのです。

にぎやかなのは外食産業だけではありません。
海水浴場にはハワイアン、キャンプ場にはアルプス風な音楽?
花火大会にはJポップ、秋の紅葉の名所にも、春の花見にも、
もちろん近所のスーパーにもかなりの大音量で、それも一日中同じ曲ばかり・・・・・。

「音楽が鳴っていない方がよっぽどイメージが広がり、心も落ち着くのにな~!」
と思う場面がいくつもあるように思うのですが、みなさんはいかがですか?

世界的な作曲家武満徹さんの著書に、
「音、沈黙と測りあえるほどに」というのがありました。

武満さんが生きていらっしゃったら、この音楽・・・いや、
音の氾濫に何とおっしゃったのだろう?

何だか今回は、「小言ジジイ」になってしまいましたね~!

失礼しました~。

指揮者

2009年10月10日 18時32分38秒 | 失敗談
セントラル愛知交響楽団第100回定期演奏会に掲載させていただいたコラムです。


               『指揮者』

【あなたは指揮者になりたいですか?】

日曜日の「題名のない音楽会」、
人気企画のひとつに、一般の人が指揮者になって棒を振るのがある。

みなさんご覧になったことがあるでしょう?
子どもから大人まで、個性豊かな指揮ぶりを見るのはとても面白い。

素晴らしく上手な指揮に舌を巻いたり、
腹を抱えて笑ったり、ウルウルきてしまうときもある。

総じて音楽に対する愛情に感激するのだが・・・。

みなさんは「指揮してみたい!」と思われますか?

あるアンケートでは、
男性がなりたい職業の上位にランクされるというのを聞いたことがありますが、
内気で恥ずかしがりのぼくにはとても難しい。

あの指揮台に立つことを想像しただけで気持ちが落ち着かない。

【内気なオジサンの妄想】 

 100人もの人が、楽器を持ってぼくを取り囲んでこちらを見ている。
(もうそれだけで、緊張!)

それぞれの人生感とそれぞれの音楽感をもっていらっしゃる方々がズラ~リ。
気弱なぼくは、200個の眼の注視に絶えられないと思う。

「さあ、あなたの合図でわたしたちは演奏を始めます。
あなたの望み通りに音楽を作り上げていきます。どうぞ指示してください!」
(くわばらくわばら・・・笑)

「そうでしょうか?・・・・・・・う~ん、
そこはぼくの考えとはちょっと違いますね~!
まあ、解釈はいろいろあるとは思いますが・・・・。」
(ええ~っ?どうしよう~?)

「それがあなたの生き方ですか?
今までいろんな指揮者と演奏をさせていただいたので、
そこに立たれただけで、あなたの人生がみんな見えるのです・・・・」
(ヒェ~!おそろしや~!笑)

オーケストラのプレーヤーを納得させるだけの音楽性を持ち、
なおかつ人の上に立って人身を掌握する才覚が要求される、
とんでもなく大変な仕事ですよね~?

【苦い思い出その1】

ぼくは、指揮にたいして苦い思い出がある。
高校の時にクラス対抗合唱コンクールというのがあった。

みんなに選ばれて指揮をやらされた。

曲は確か『夏の思い出』だったと思うが、
何十人もの人がこちらを見ているのが恥ずかしくて、恥ずかしくて、
本番の間じゅう同級生の誰とも目を合わせることができず、
うつむいたまんま機械的に手を振るだけだった。

そんな指揮で音楽がウマくいくわけもなく、出来はボロボロ。
終わってから、みんなにこっぴどく叱られた。

【苦い思い出その2】

演奏もしながらアレンジの仕事をするようになった若い頃の話。

一般的に、アレンジャーは録音に立ち会うことが多い。
ある仕事をしたときに、
安いアレンジ料に指揮料を上乗せをしてくれようとしたやさしいレコード会社があった。

「松田さん!録音のときに指揮すると1時間の指揮料もお渡ししますよ!」
指揮など出来もしないクセに、この話に食いついたのが大間違い!

スタジオ録音といっても、
ストリングスなどはクラシック・オーケストラの団員が来ていることが多い。

どうせ素人指揮者であることは一目で見抜かれるし、
「ドンカマ(テンポをしめすクリック音)に合わせて演奏するのだから
形だけ振ってればいいのだ!」
と、指揮棒など持たずに、そこにあったボールペンを逆さに持って振り始めた。

録音は順調に進んでいたのだが、
エンディングに近づいたとき何だか
「カチャカチャッ!」
と雑音が入ってしまった。

何と・・・・・・!
ボールペンの先っぽにあるはずのキャップが飛び抜けて、
コロコロとヴィオラの人の足下まで転がっていったのだ。

全員大爆笑!

ぼくは平謝り!
もちろん録音は、アタマから録り直し~~~~。フ~ッ。

【友人にリサーチ】

この原稿を書くにあたって、
某オーケストラでヴィオラを弾いている友人に指揮について聞いてみた。

「演奏中に棒はあまり見ないよ。
アインザッツ(セ~ノ~ッ的な音楽の開始の合図)は必要だけど・・・。
棒を見ながら合わせて演奏するというのではないよ。

何というか、体の各部分の動作、目の動き、ちょっとしたしぐさ、言葉など、
その指揮者全体からからにじみ出るものが僕たちを引っ張っていくのだと思うよ」(ウ~ン!なるほど~!)

「その人が練習場に入って来た瞬間からの立ち振る舞い、
いわば存在自体が指揮という行為と言っても過言じゃない。

もちろん曲をよくつかんでいるかどうか、
スコアーをよく把握しているかどうかというもの大切だけど、
それだけでなくその人の『人生』というか『年輪』が、ものを言うんだね」
(深イイ~話!)

「指揮者にもいろんなタイプがあるよ。
G氏の『春の祭典』などは、まるで猛獣!もの凄いエネルギーがあり、
われわれに伝える力が凄い!オケにふりかける魔法の粉を持っているみたいだよ。

H氏は、団員の中心人物と仲良くなるのが上手。また例えば、
チェロのトップに厳しい注文を出したりしてメンバーの中に緊張感を作り、
練習の集中力を高めるのがウマい。

Z氏は、棒は完璧。音楽も素晴らしいのだけど、
われわれオケの1人1人はがんじがらめにされているみたいで、
面白くないんだな~。
音楽って不思議だよ!

M氏はホントに細かく決まっている。
自分の思っていることと違うことをしたら、本番中でも叱ったりするよ。
いろんな指揮者がいるよね~!」

【ドラマ】
 ウ~~~~ン!オーケストラの現場では、
我々が思いもかけぬ人生のドラマが繰り広げられてるのですね~。

さて今夜のステージでは、どんなドラマが展開されるのでしょうか?

イカめし事件

2009年09月18日 23時55分27秒 | 失敗談
セントラル愛知交響楽団、第99回定期演奏会プログラムに掲載したコラムです。

      *          *          *

              『イカめし事件』
【ミュージシャンと旅】
ミュージシャンに旅はつきもの。
旅には失敗がつきもの。
特に、おバカなぼくの場合は・・・・・・。

仙台の東急ホテル。
朝食後のコーヒーを飲むのに、

ぼんやり外を眺めながら考え事をしていて、コーヒーにミルクを入れた・・・・
つもりが、間違えて醤油を入れて飲んじゃったことがある。

とんでもなくマズかった~!   

目黒のホテルでは、チェックアウトの10時過ぎに目が覚めて、
大慌てでフロントに行き、
「すみません!遅くなりました~~!」
とカギを手渡そうとしたら、フロント女性は目をまん丸にして、
ぼくの手の中のモノとぼくの顔を見比べた!

何と、握っていたのは部屋のカギではなくビールの栓抜き!
あの女性、驚いただろうな~?

 【イカめし事件】
たくさんある失敗のなかでも「イカめし事件」が最高だろう。

数年前の話。
札幌道新ホールでの松田昌音楽生活30周年コンサートのため、
千歳空港に降りて、JR千歳空港駅に着いたのはお昼前。

お腹が空いてきた。

ホームでは北海道名物のお弁当をいろいろ並べて売っている。
いっしょにいたのはパーカッショニスト岡部洋一とぼくとマネージャーの3人。

ちょうど、美味しそうなのが3ヶ入っている
「函館名物イカめし」を買うことにした。

おばさんに760円を払って、
すでに車内にいる2人を追いかけて電車に飛び乗って、出発~!

車内で「さあ~!食べよう!」と思ったのだが、
なかなか包みを開けることが出来ない。

セロテープでグルグル巻きにしてある!
お腹が空いているのでだんだんイライラ・・・・

何で、こんな包装を!と思ってマネージャーに渡した。
「ねえ、これ開けてくれる?」

つぎのマネージャーの言葉に、わが耳を疑った!

「マサさん!これ、見本よ・・・・・・・!」

ギョエ~~~~~~!
何で、見本なんかを買ったのだろう?
あの弁当売り場のおばさん、俺におつりを渡して、
何で気づいてくれなかったのだろう?

さらに、何で俺はマネージャーに言われるまで、
気がつかなかったのだろう?

アタマの中をいろいろな考えがグルグルグル!

ほどなく車内放送があった。
「千歳空港駅で~、イカめしの見本をお買いになったお客さま~!
イカめしの見本をお買いになったお客さま~!
札幌駅で係員にお申し出ください~!」

狭い車内は大爆笑!
「イカめしの見本だって~~~!はははは!バカだね~~!」

近くの座席に座っている人は、ぼくを見てニタニタ笑っている。
恥ずかしくてもう大変。

札幌までの30分の長かったこと!
ただ、数分後ボクのアタマには小ずるい考えがムクムクムク!

「俺も男だ!(べつにここで偉そうに言う必要はないですが・・・・)
こんな機会は一生に2度とないだろう!今日一日、見本を借りて遊ぼう!」

札幌駅では改札の係員には渡さず、ホールに持っていって楽屋でみんなに見せた。
「ねえねえ!イカめし食べない?あげるよ!」

ところが、共演者の佐山雅弘(ピアノ)も松本淳一(キーボード)も、
すぐに見本だとわかって面白くも何ともなかった。

当日のお客さんにはトークで大ウケし、コンサートはとても盛り上がったので、
ぼくにとっては大ラッキーアイテムでしたが・・・・・。

【翌日】
 翌日は、旭川でコンサート。特急の出発駅JR札幌駅改札で駅員さんに、
「すみません。
昨日、千歳空港駅でイカめしの見本を間違えて買ってしまったのですが、
これを千歳空港駅の売店の人に返していただけますか~?」
と、イカめしの見本を渡した。

ブツを手にとってじっくり見ながら、駅員さんは、
「は~~~?」

このオヤジ何を言っているのだろう?
という風ではあったが受け取ってくれた。

話はさらに続く。
特急が旭川に着いてホームを歩いていると、またまた放送があった!

「お呼び出しを申し上げます。
昨日、千歳空港駅でイカめしの見本をお買いになったお客様~!
千歳空港駅でイカめしの見本をお買いになったお客様~!
改札の係員にお申し出ください~!」

周囲の観光客は、顔を見合わせて笑っている。

「ええ~~~~~!また~~~?」
とは思いながら、名乗り出ると、住所と名前を教えて欲しいとのこと。

ま、どうということはないので、書いてコンサート会場に向かった。
もちろん旭川でも大切なトークネタとして使わせて頂きました。

【数日後】
家に小包が届いた。開けてみると、

銘菓「白い恋人」と、
「当社の従業員の不手際でご迷惑をお掛けしました」という丁重な詫び状と、

縦縞スカシが入った薄い茶封筒にセロテープで
500円玉1枚・100円玉2枚・50円玉1枚・10円玉1枚を
ズラ~~~ッと貼り付けた現金、があった。

ぼくとしては、760円の何倍分も楽しめたから、
返って申し訳ない気がしたのだが・・・・・笑


『音楽との出会い』セントラル愛知交響楽団定期演奏会プログラムのコラム

2009年09月12日 22時30分51秒 | 失敗談
今年の5月から、名古屋のオーケストラ、セントラル愛知交響楽団の定期演奏会のプログラムに、コラムを書かせていただいています。

ときどき、このブログにアップさせていただきますね。
まずは、5月15日(金)第98回定期演奏会。

     *     *     *     *     *

『音楽との出会い』

【自己紹介】
今回からコラムを担当させていただくことになりました。
松田昌(まさ)です。

名古屋音楽大学で音楽制作演習、電子オルガン実技、
そして鍵盤ハーモニカ実習を担当しています。

最近は、「アタマでピアニカを吹く音大客員教授」
というキャッチフレーズでテレビに出たりしています。
「ズームイン朝」、「さらさらサラダ」、「きよしのご縁ですよ!」、「デニーロ」などで、アタマでピアニカを吹いているオジサンをご覧になった方はいらっしゃいませんか~(笑)?

自分の体験を軸に、身近なことを楽しく文章にしてゆきたいと思っています。
よろしくお願いいたします。

【リコーダーとの出会い】
さて、みなさまの音楽との出会いはどのようなものでしたでしょうか?

ぼくの父は、小学校の教員をしており、
兵庫県宝塚の古い地域にあった我が家の音楽環境としては
浪花節のレコードに紛れてフルトヴェングラーの“運命”のレコードがあったくらいでした。

そんなぼくが「音楽って面白い!」と積極的に思ったのは、
小学校3年生の音楽の時間にリコーダーを吹いてからです。

自分の知っているメロディーを探り弾きするのがとても楽しく、
家に帰っても1日中吹いていた記憶があります。

とても幸せな充実した時間でした。

『好きこそモノの上手なれ!』
音楽の先生に認められ、
学芸会の「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」では、
中間部の「#ドレファミ #レミソファ」の部分をソロ!

これが人前で演奏する気持ちよさを実感した最初です。

【ベートーヴェンになりたい!】
その後、中学2年生の音楽の時間に
ベートーヴェンのピアノコンチェルト“皇帝”を聞いて大ショックを受けました。

「俺の人生はこれだ!これしかない!ベートーヴェンになろう!」
リコーダーを吹くくらいしか音楽経験のない中学生が、
あのクラーク博士もビックリするような身の程知らずの「大志」を抱いちゃったのですね?

そして父親に頼みました。

「お父ちゃん!ピアノ買(こ)うて!ぼくベートーヴェンになるねん!」

「アホ!音楽なんて男が一生の仕事にするもんと違う!」

「エエやんか!買(こ)うてえな~!」

「アカン!普通の大学に行け!」

「俺、ベートーヴェンの“皇帝(こうてい)”に感激したんやで!ピアノ買(こ)うて
エな~!」

「ん!?▲●◇・・・ニヤリ・・」

もちろん、冗談ですが・・・・・・・何度も頼み込んで、
父はやっと買ってくれました。

その後、中学の図書室にあった当時の作曲の名著、
石桁真礼生著『楽式論』を読みあさり、

ベートーヴェンのピアノソナタやシンフォニーのレコードを聞きまくって、
1年後の夏休みに独学で3楽章のピアノソナタを作曲。
学芸会で披露しました。

松田少年、人生でいちばん自分の才能を信じていた瞬間でありました~(笑)!

残念なことに楽譜を紛失してしまいましたが、
1楽章ソナタ形式、2楽章3部形式、3楽章ロンド形式のピアノソナタ!
よく独学で作曲したものだと思います。
 
【メシアンとジョン・ケージ】
やがて、フランスの作曲家メシアンが来日。
トゥランガリラ交響曲を日本初演。

自分と誕生日同じ(12月10日)こともあり、
ファンとなり現代音楽に目覚めてゆきました。

「偶然性の音楽」で有名なジョン・ケージが来日したのもこの頃。
高校1年だったぼくは、会場だった大阪の御堂会館で休憩時間に
客席に座っていたジョン・ケージに話しかけました。

とんでもないカタコ英語(←造語です。カタコトにまでも達しない英語の意)
に困ったジョン・ケージは「ジャスト・ア・モーメント・・・」と、
通訳のために女性を連れてきました。

なんとオノ・ヨーコ!

何を聞いたかは覚えていませんが、きっと
「偶然にできた音楽で、人を感動させるクオリティーのモノができるのでしょうか?」

と聞きたかったのでしょうね?
 
【芸大作曲科~電子オルガン】
高校2年生の時から東京芸大作曲科受験のために上京、無事入学。
同じ学年には、加古隆、浦田健次郎、森ミドリ(名古屋のキクチメガネの令嬢)などがいました。

その後、ぼくはインターナショナル・エレクトーンコンクールでグランプリをいただき、電子オルガンの世界に入ってゆきました。

【鍵ハモに夢中】
最近は鍵盤ハーモニカがおもしろくて仕方ありません。
休みの日は、1日中吹いているときもあります。

還暦を過ぎて、小学校3年生のときにリコーダーに夢中になり、
遊びながら音楽をしていた幸せな場所に戻ったような気がしています。

今の目標は、
ヨーロッパの教会でバッハの無伴奏チェロ組曲をピアニカで吹くこと。
現在、3番ハ長調の6曲中、5曲半吹けるようになりました。

ささやかな夢ですが、ぜひ実現したいと思っています。


マサさんの失敗談~その1~

2007年07月21日 23時36分46秒 | 失敗談
メッセージ・ボードへのヤッピーママさんの書き込みを見て、
自分の今までの失敗をいろいろ思いだしていました。

何と、バカで、どじな松田クン!笑

「大爆笑イカめし事件」は一度書いたので、
違う失敗をときどき書くことにします。
失敗談というカテゴリーまで、作っちゃいました・・・笑

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われわれミュージシャンは、旅が多い。
日本中、世界中をまわる旅芸人だ!

友達のジョン・海山・ネプチューン(尺八)は、
「私たちは、音楽で楽しく遊ぶから、コンサートは遊びで移動が仕事ですネ!」
と、よく言う。
そして、失敗は、旅で起きることが多いのだ~~!(笑)

199○年○月○日
目黒のホテル。
目が覚めたのは、9時58分!
チェックアウト・タイムは10時だ。

あわてた、あわてた!
洗顔、荷造り、着替えなどをすまして・・・
部屋のカギを右手に握って・・・・・

左手で、ころころカバンを引っ張って・・・・
エレベーターに乗って・・・・
フロントについて・・・・・

「すッ、すみません!チェックアウト過ぎて・・・・」
っと、フロントの女性にカギを渡そうと、右手を開いた!

さて、ここでクエスチョン!
マサさんは、右手に部屋のカギだと思って何を握っていたでしょうか?

1,家のカギ

2,車のカギ

3,栓抜き


何と、栓抜きをギュウ~っと握っていたのです!

栓抜きを見たフロント女性は、
最初、驚いた顔で髪バサバサのあわてん坊オヤジを見て・・・・
次の瞬間大笑い!

オイラは、もじもじ平謝り。

こういうことが世の中にはあるんですね~!
オイラだけかな~~~?