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環境への適応能力

2006-05-14 17:13:51 | 折々の随想
昨日は3年ぶりに、某国立医大に献体登録している会員の総会に行ってきました。会場にはいつもの通り、主として75歳以上のご老人が近隣の町村から来ておりました。筆者は夫婦で30年以上前から登録しているのですが、この総会に出席するのは、毎年異なるテーマでの医師などによる講演が楽しみなためです。

今回は医大病院の栄養管理の責任者の女性による、健康な身体を作る食べものについての話でした。その中で特に印象に残った話は、赤ワインなどに含まれているポリフェノールの抗酸化作用についてのものでした。

人間の身体はコレステロールなどの酸化が、動脈硬化を引き起こしたり、癌の発生や老化の原因の1つとなっております。そこで、抗酸化作用のある食べものや飲み物が昨今持て囃されている訳です。

ポリフェノールはこの抗酸化作用に優れており、野菜類にも多く含まれているとのことです。面白かったのは、なぜ野菜類に多く含まれているのかと言う点です。それは、野菜類は紫外線を避けようにも避けられない、つまり動きが取れない環境で育つからだそうです。動けないもののは他にも木々などがありますが、何故か、緑黄色野菜だけはポリフェノールが多く含まれているようです。ここからは筆者の推測ですが、木々よりも短命(長くて1-2ヶ月?)の野菜は、その間に精一杯の成長を遂げなければなりません。その成長を阻害する紫外線による酸化作用から逃れるため、長い進化の歴史を通じてポリフェノールの「迅速な生産」による防御のシステムが発達してきたようです。

これは人間の歴史にも言えるようです。例えば鎌倉仏教がなぜあの時代に興隆したのか?なぜ、あれだけの高僧があの時期に集中して出現したのか? この連休に読んだ本の1つに、吉本隆明の「最後の親鸞」がありました。改めてこの本を再読してみて、親鸞があの飢饉と戦乱の時代に、ついには非僧とならざるを得なかったその時代背景の厳しさを思い知りました。あの過酷な時代だからこの独創的な親鸞の思想を形作らせたと言えます。

話はがらりと変わって、昨今の株式相場ですが、特に新興市場に関しては、昨年よりも今年の方が厳しさが増してはいるのは事実でしょう。それでもブラックマンデーの時の暴落や、うんと昔の大恐慌の時代に比べれば、大人と幼児の差ぐらいの違いかと思います。これからもっと過酷な時代が来るかも知れません。それに備えて、この程度の相場変動で意気消沈したり撤退するのではなく、これを機に自らの投資技術・思想を鍛えることを日々やらねば、これからの相場で生き残ることは出来ないかも知れません。しかも相場は世の中を反映しております。この程度の相場で撤退するようなら、世の中からも撤退を余儀なくされることくらいは、覚悟をしておいた方が良いかと思います。

「環境が厳しければ厳しいほど、そこに生きる生物を鍛える。」これが、昨日の講演での収穫でした。このところの相場で負けが込んで落ち込んでいる方、早朝に表の畑にでも出て、みずみずしい野菜の生命力に改めて感嘆してはどうでしょうか。ついでに天の恵みとばかりに、それらをバリバリと毎日そのまま頂くと活力が出ること請け合いです。
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