建築弁護士・豆蔵つれづれ

一級建築士・弁護士・豆蔵自身の3つの目線で、近頃の建物まわりネタを語ります。

木造住宅の劣化対策 by 国総研(備忘)

2019年09月02日 | 建築物の安全

建築弁護士の豆蔵です。

国総研(国土交通省国土技術政策総合研究所)から、「木造住宅の劣化のしやすさと対策に関する報告会」の資料と動画がアップされました(会自体はH30開催)。
副題が、「雨水浸入や結露から我が家を守るための技術情報を住まい手などへ提供」というもので、5年に渡る外皮の構造・仕様の研究をまとめたものだそうで、なかなか面白いです。

メンテナンスの注意点などもあり、結構、具体的です。
例えばですが、スレート屋根の記述。まさにガッテン!です。

以下、引用。
塗装工事の際の注意点は、本体の重なり目(目地)に入った塗料をきちんと(縁切り)作業を行わないと、毛細管現象で浸入した雨水が排出されず、雨漏れを起こすことがありますので注意してください。
また、塗装工事は、塗膜の保護と美観の向上にはなりますが、防水性能の改善にはなりません。
防水性能は、スレートの下の下葺材の劣化によるもので、表面からは判断できず、小屋裏点検口より野地板を点検し、雨漏れ等の症状がある場合、葺き替えにて下葺材(防水紙)の交換となります。
引用、終わり。

以上のように、5年分の研究なので、結構細かくてボリュームがある(調査も細かくやっている)。
テーマの一つに「住まい手に向けた長持ち住宅実現のガイドライン」とありますが、到底、そのまま素人が読めるものではありません。

いずれにしても、住宅関係者としては技術資料・勉強材料によさそう、ということで、備忘でリンクを貼っておきます。

国総研 木造住宅劣化対策報告会

なお、国総研の研究なので、それなりに権威と信頼性もあり、裁判の証拠にも出てきそうな(使えそうな)雰囲気です。
全てを網羅したものではない、との注意事項・免責が記載されています。


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