建築弁護士・豆蔵つれづれ

一級建築士・弁護士・豆蔵自身の3つの目線で、近頃の建物まわりネタを語ります。

(もう春だけど)厳冬期のダム見学会

2019年03月10日 | 見たもの雑感
建築弁護士の豆蔵です。
 
最近、注目していることの一つに、インフラツーリズムがあります。
ダムなどのインフラが、都市や地方の観光資源として注目されてきているという件です。
 
今まで愛好家の間でのみ愛されてきたものが、市民権を得る流れであり、
例えるなら「タモリ倶楽部」から「ブラタモリ」の流れに似ています。
また、ヘビーな工場地帯の夜景を楽しむ「工場萌え」にも通ずるものがあります。
 
もちろん、ダムをはじめとする道路・橋梁・トンネル等の土木工事については、
自然や人々の生活を大きく変えてしまう(破壊する)ため、様々な議論があります。
脱ダム宣言など、政治的な歴史もあります。
 
しかし、技術者の端くれとして、
膨大な数の人々が知恵と労力を尽くした成果に、大きな魅力を感じます。
また、単純に、圧倒的な存在感にワクワクします。
新規の建設の是否は別としても、今ある資源として活用しようという動きは、応援したい。
 
まだ全然、愛好家というレベルではありませんが、
機会があれば見てみたい、見たら少しは技術的なことを深堀りしてみたい、という状況です。
(前の事務所のメンバーと、黒四や高瀬ダムにも行きましたしね。)
 
多くの人たちが、地域の歴史や文化にまで興味を広げていければいいですね。
ダムの場合、ちょっと遠方で行くまでは大変ですが、
水源地の大自然と食べものを存分に味わい、温泉に浸かるという楽しみがあります。
ダムカレーも話のネタにはいいですが、山の幸もお忘れなく。
 
さて、厳冬期の話なのに、モタモタしてたら春が来てしまいました。
2月、ダムを管理する水資源機構による厳冬期ダム見学会に参加してきました。
場所は、矢木沢ダムと奈良俣ダム。
群馬県の水上(みなかみ)から、利根川源流域(この辺は太平洋と日本海の分水嶺です。)に分け入ったところにあるダムです。
 
まずは、矢木沢ダム(堤高131m、アーチ式)。
足元から、トンネルと本体内部のエレベーターで堤頂に上ります。
そこはまさに冬山。圧巻です。
 
ダムカレーの昼食をはさんで、
午後は奈良俣ダム(堤高158m、ロックフィル)。
ロックフィルは、雪に覆われてしまうと約30度のゲレンデにしか見えないのが残念(苦笑)。 
 
建設時の放水路が、今は管理用トンネルになっていますが、
織田裕二が、20年前の映画「ホワイトアウト」で駆け抜けた放水路だそうです。
(ダムジャックによるテロとの闘いを描いた作品です。)
こちらのダム湖は、完全に結氷してました。
↑ この岩の手前がロックフィルの堤頂、奥がダム湖。 
 
なんて素敵!なダムツアー(笑)。
なのですが、厳冬期は、現地もアプローチも雪崩の危険があり、
大人数での移動や現地の受け入れは非常に難しいようです。
今回の見学会も、実は15人の応募に5倍以上の応募があったそうですが、
毎年機会はあるそうなので、こまめにチェック!してみてください。
 
そして、雪が融ければ、春、新緑の観光シーズンが到来します。
今度は自力でたどり着きます。

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする