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首都高速、ETC未装着車値上げの愚

2015年05月03日 | 高速道路
産経新聞によれば、国交省はETC未装着車の首都高速通行料を値上げする方向で検討に入ったという。
産経新聞記事

記事の要点は以下のとおり
国土交通省は首都高速道路でETCを搭載せずに通行する自動車について、平成28年度にも通行料金を値上げする方向で検討を進めている。ETC非搭載車はETC搭載車と比べ、料金徴収コストが5倍になっており、受益者負担の観点から見直す。合わせてETCのさらなる定着とともに、詳細な渋滞情報を提供できる新システム「ETC2.0」の普及も促す。

こんな馬鹿げた話はない。全く非論理的だとしか言いようがない。受益者負担の考え方が根本的に間違っている。

ETC装着車は料金収受コストがかからないため、割引を行うというのはわかる。
しかし今までの料金体系は現金収受を前提にして作られていたものであり、ETC非装着車がどんなに少なくなろうとも道路会社のコストは増加していない。「減らすことができない」だけなのだ。ETC非装着車は人間による料金収受というサービスを受けているが、ETC非装着車の台数が少なくなり相対的に一台あたりの収受コストが増加したからといって、「受益者負担なので値上げ」といわれて誰が納得できるか? 未装着車が装着車と比べ5倍のコストがかかっているなんてのは会社側の話であって、利用者には全く関係ない。現金利用者にとって「受益」となることは何もない。

料金収受コストを下げるためにはETC以外通行禁止にするしか無い。1台でも未装着車がいる限りすべての料金所に24時間収受員を配置しなければならない。
義務化にしなければ完全廃止はできないのはわかっていたことだろう。それをいまさら何を言っているのだろうか?

想像するに、未装着車ユーザーに対して値上げという「嫌がらせ」をして装着率をさらに上げ、ある程度まで言ったら走行禁止にするという作戦なのかもしれないが、今ここに至ってもETCをつけてない人はおそらく年に数回しか首都高速を使わない人で、その人達は多分少々値上げされても装着しない。
もうETC(2.0じゃなくて普通のやつ)を無料で配って、ETC未装着車の走行禁止にしたらどうか。そのほうがトータルコストは安くなる。

あと、この記事の最後にETC2.0を「渋滞解消の切り札」として普及を促進する、と書いてあるが、これについては具体的な方策はなくまず無理。路側機の投資250億円は無駄になるが早く諦めたほうがいいのではないか。


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