maidoの”やたけた”(ブログ版)

ジジイの身辺雑記。今日も生きてまっせ!

04 まだ危機的状況?

2006-05-20 18:47:21 | 虚々実々-心筋梗塞顛末記

2006/04/20
見かねて主治医が指で圧迫止血を試みてくれたのが、日付けも変わった4月20日午前3時。

両手の親指で傷口を強く圧迫するんですが、指がめり込むんや無かろうか?というほど押さえるんですなぁ。
何しろ動脈やもんねぇ、途中で様子を見るのに力を緩めて、若し止まってなければ血まみれになりますやんか。

幾ら若いといっても、20分近く押さえ放しはしんどかったでしょうなぁ。
見ているこっちもつい力が入って、余計に肩が凝ってしまいましたわ。
頑張ってくれた甲斐があって、何とか止血できて助かりましたねぇ。

絆創膏で圧縮綿を押し付けるやり方に代わったら格段に楽になりました。
やれ、これでやっと眠れるかと思ったら、血圧チェックや採血や心電図と相変わらず人の出入りが多いんですわ。
4月18日朝5時に起きてから、21時に就寝し22時30分に発症するまでの1時間半眠っただけで4月20日の朝を迎えました。

眠ってないといえば主治医の先生もそうやねぇ。
どう見ても三十そこそこの若さやから元気があるのは当たり前にしても、掛け値なしの不眠不休は大したもんでっせ。
そういえば、救急外来のスタッフは皆んな若かったような気がしますなぁ。
こういう最前線では体力が無いと保(モ)たんのでしょうね。

朦朧とした頭でベッドに伸びていると「朝ご飯ですよ。」
ん?二日間は絶対安静食事も無しと聞いてたで・・・。
「食事を出すようにと先生の指示があったんですよ」

うふっ、さては採血やエコーの結果、危機的状況を抜け出られたと判定されたかな?
この期に及んでも、物事を自分の都合の良い方向に考えるというのは、まさしくビョ~キやね。

見たらご飯、お漬(ヒタ)し、ゆず味噌の小パックに味噌汁、牛乳とまるっきり普通の食事ですねん。
「起きて食べてもエエのんやろか?」
「手を付いたり力を入れたりしないで、ゆっくりと起きれば大丈夫です。特に右手首は常に反らした形にしていてください。」
手もつかず、力もいれず起きるてな、そんな器用な事が出来るかい!と言い掛けたら、ウィ~ンとベッドの背中が起き上がってきましたわ。
なるほど、これならデレ~と寝たまま何処にも力を入れずとも起きられるねぇ。

そういやぁ18日の夕食以来36時間何一つ飲まず喰わずですわ。
かというて喉も渇かず食欲も無いんですが、食い物に後ろを見せたと有っては名が廃る。
「食べさせてあげましょうか?」てそんな人を病人みたいにいいなや、あっ、立派な病人か・・・。

あれ?そうや箸が無いがな・・・。
「えっ、お箸ないんですか?」
お箸どころか綺麗サッパリ何んにも無いのやわい。

何処からか看護師が割り箸を工面してきてくれました。
着の身着のままでやってきて、身包み剥がれて、それを全てカミさんが持って帰ってしもたから、見事に何にも無し。
もっとも、まさか入院するとは思ってなかったから、元々箸やコップ何ぞ持ってなかったけどね。

まぁしかし、こう電線やら点滴、鼻には酸素、導尿管までつながれてると実に身動きが不自由。
左手は手首に点滴、人差し指に血中酸素のセンサーが着けられていて器を持ちにくい。
右手はいまだに腫れが退かず、指の感覚が鈍うて箸を持ってるのやら持ってないのやら。

その上「手首は常に反らせておけ」などと言われたんでは、箸の操作が侭ならんのです。
意地になって完食はしたけれど、お漬(ヒタ)し、味噌汁共にまったく味がせんのですよ。

食物の味が判らんとは、相当重症かいな。
お盆に載った紙切れに何やら書いてある、何々塩分一日量6グラム?
はて?、それがどの程度のもんなんかまったく判らんけれど、病気で味が判らんのでも無いらしいねぇ。

それはともかく、エコー検査に来た主治医に聞いたら主要な梗塞は解消したけれど、危機は去ってないんやそうです。
導尿管なんてな物も今回が初体験。
入れられた時は、本当にあれよあれよというてる間で、羞恥心もへちまも出る幕が無かったんですわ。

しかし何です、こんな物を突っ込まれていたんでは気持ちはメゲまくり、全くやる気が起きませんよ。
もっともこの状態では、やる気が起きたところで何も出来へんのですけどね。

「何かして欲しい事は有りますか?」と若いきれいな看護師さんがいうてくれはるんです。
元気な時なら仰山して欲しい事を思い付くやろうけどなぁ。
オムツをされてると思いっきりテンションが下がってしもてねぇ。

「鼻をかみたいんやけど、紙がないんですわ・・・」もう一寸何とかしたお願いは無かったんかいな。
手拭き用の紙タオルを持って来てくれたんですが、少々ごつすぎて鼻を擦り剥きそう。
これやったらトイレットペーパーの方がエエなぁ、と我侭を言うたら都合してきてくれましてん。
早速鼻をかんだらどうしたわけか真っ赤っかですわ、鼻血なんぞ何年ぶりやろ?

昼飯も何とか完食して少し落ち着いたかな?と思ったら14:00にドドッと看護師さんがやって来て、部屋の移動ですねんて。
より重症かつ緊急度の高い患者が入って来たそうで、救急外来てぇのはいつ何時どんな患者が担ぎ込まれて来るか、出たとこ勝負やもんね。

そんな理由(ワケ)で、CCU病棟では突然に部屋を移動するのは、しょっちゅうの事らしいですなぁ。
ただし出来るだけ移動する患者を少なく、しかも最適な部屋へ割り振らなイカン。
このやりくりはほとんどパズルみたいなもんで師長の腕の見せ場やそうです。

何時でも緊急患者を受け入れられるように、病室に余裕を持ちたいから、病状が好転したら一般病棟へ即転出ですねんて。
今の私の状態では、まだ一般病棟へ抛り出すわけに行かんそうで、CCU内での移動。
文字通り身一つの素寒貧で荷物は皆無やから、こういう時はいたって簡単。
ベットごと212号室へ押して行かれて宿替えはアッと言う間に終了ですわ。

2006/05/20
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