子供の頃は1年は長かったですね。
遠足とかお正月とか、楽しみは指折り数えながら待っても
なかなかやって来なかったように思います。
いつだったか忘れました(8、9歳の頃)が、商店街のくじ引きが有りました。
ガラガラ~ と回してポトンと玉が出てくるくじ引きです。
家から数軒先のパン屋さんが会場。
祖母に、行っといでと言われて、くじ引きの券を持って行きました。
賞品は何かな? チャンスは一度。
ガラガラ ポン。 色のついた玉が出ました。
パン屋のおじさんが大きな声で言いました。
「〇ちゃん偉い!! 当たりや~ ええお婆ちゃん孝行が出来たな~」
賞品は、有馬温泉旅行でした。
賞品を貰って、走って帰って祖母に渡しました。
祖母はびっくりしたようでしたが
「私が行ってくる」 とだけ言いました。(言い方が地味でしたね)
どんな旅行だったのか
旅行の話を聞いた記憶は残っていません。
祖母が楽しんできてくれたのだったら嬉しいのだけれど。
数年前に姉とそんな話をしていると
「ああ、それでェ~ 」と言っていました。
祖母が旅行に出掛けたという記憶は残っていたのでしょう。
祖母は孫を育てることに忙しく
経済的にも旅行などする余裕はなかったと思います。
くじの旅行ではなく、旅行に連れて行ってあげたかったなあ、と
この歳になって思います。
もちろん私が高校生になった年に亡くなった祖母ですから
無理な話ですし
ずっと自分の事ばかりでそんな事は考えた事もありませんでしたが
この歳になってしみじみと思い出しますね。
親孝行、したい時には親はなし ですが、祖母ならなおさらのこと
祖母が望んでいたことは、
孫たちが大人になって幸せになる事だったと思います。
そしてそれが本当のお婆ちゃん孝行。・・・・多分、皆それなりに。
それは今の私も同じ、子供たちや孫たちが健康で幸せでいてくれることが
いちばんの親孝行だと思っているからです。
苦労かけましたが、私達姉妹はみんな、祖母の事が大好きでした。