暇人に見て欲しいBLOG

別称(蔑称)、「暇人地獄」。たぶん駄文。フリマ始めました。遊戯王投資額はフルタイム給料の4年分(苦笑)。

【目眩く儚い日々はこんな】第捌夜

2009年09月30日 21時16分36秒 | 小説系
     私の場合  伸子の考えはもうわかったので、彼女の意識から出ることにした。  よいしょ……と。  もう慣れた闇の中。疫幽家の人間達だけがぽつぽつと見える。  伸子は、貞子が夢を見ていただけなのだと結論づけた。  それも無理もない話だった。  さて。  貞子が混乱しているのは明らかだし、好男(すきお)はまだ寝ているし、霊(たま)もさっき眠ったばかりだ。  眠っている状態の意識に入っても何も . . . 本文を読む

【目眩く儚い日々はこんな】第漆夜

2009年09月29日 20時03分53秒 | 小説系
     伸子の場合  儚の意識に入り込めないので、最初に目を覚ました伸子に入って様子を伺うことにした。  よいしょ……と。  …………。  まだ眠い目を擦り、視界が安定するまでに時間を要した。  朝食の準備など朝の日課をあらかた済ませた伸子ははたと気づく。 「儚がいなくなって今日で十日だねえ……」  一人ごちる。  そろそろ掃除をしないとほこりっぽくなるわ。  そう言って、孫の部屋へ向かった . . . 本文を読む

【目眩く儚い日々はこんな】第陸夜

2009年09月28日 19時57分57秒 | 小説系
     十日目  がら、がら、がら……と。  霊(たま)に意識を落としていた私は、玄関の戸が開くのを目の当たりにした。  そこにいたのは……  ――疫幽儚(えきゆらはかな)!!  どう見ても、疫幽儚だった。  質素な白い服に、長い黒髪。透けるような青白い肌に、細長い手足。  白い靴を脱いで家に上がり、ゆったりとした足どりで歩いてゆく。  ゆらゆらと、どこか危なっかしい動きだった。  死体が見つ . . . 本文を読む

【目眩く儚い日々はこんな】第伍夜

2009年09月27日 20時23分23秒 | 小説系
     好男(すきお)の場合  今度は儚の父、好男の意識に入り込み、あの時のことを思い出してみた。  私の力では過去を十日までの範囲で遡(さかのぼ)って見ることができるのだ。  いつもの時間になっても、貞子の「夕飯の支度ができましたよ、ご飯にしましょう」の声がなかった。  不思議に思い台所に行くと、料理はちゃんとできていた。あとは盛り付けるだけ、といったところだ。  そういえばさっき、呼び鈴 . . . 本文を読む

【目眩く儚い日々はこんな】第肆夜

2009年09月26日 19時57分40秒 | 小説系
     最初の記憶  気がつくと、ここにいた。  ここ……どこ?  知らない。  ただ、暗かった。  夜……? ではない。  だんだんと、闇が揺らいでゆく。  最初に見たのは、そう。  死体だった。  眼前。  目の前に、青白く美しい少女が倒れていた。  質素な服装の、黒い髪の女の子。長い黒が、無造作に乱れていた。 「はかな!」  疫幽(えきゆら)貞子が言った。  そう。少女の名前は、  ― . . . 本文を読む

【目眩く儚い日々はこんな】第参夜

2009年09月25日 18時44分05秒 | 小説系
     貞子の場合  リンリンとベルが鳴った。  貞子が昨日電話で話していた相手だろう。  では、貞子に意識をもっていこう。  よいしょっと。  …………。 「あぁ、健介くんだわ」  そう言って、貞子は長い黒髪を前に垂らしてから玄関に向かった。  ほとんど前が見えない。  が。それが来客を出迎える時の基本スタイルだった。  なぜなら彼女は人と目を合わすことが極端にニガテだったからだ。  廊下で . . . 本文を読む

【目眩く儚い日々はこんな】第弐夜

2009年09月24日 21時59分41秒 | 小説系
     霊(たま)の場合  霊に意識を移した時、言いようのない雰囲気に呑(の)まれることになる。  それでは、よいしょっと。  …………。  家の中、人間で言うところの静寂の中にあって、しかし色々な音が聞こえてくるし、様々な匂いも立ち込めている。  空気感、とでも言えばいいのだろうか。たくさんの音と匂いはないまぜとなり、一つの世界を構築している。  振り子のついた大きな柱時計の秒針が、金切り声 . . . 本文を読む

【目眩く儚い日々はこんな】第壱夜

2009年09月23日 23時36分29秒 | 小説系
--めくるめくはかないひびはこんな--  気がつくと、ここにいた。  どこなのかはわからない、黒の世界。闇の中。  ただ、自分には複数の人間が、見てとれた。  複数人を同時に眺めることも、一人だけに意識を集中することもできた。  小説で言うところの神の視点とかいうやつか。  私にはそれができた。  一人の人に意識を集中させてやると、その人のステータスがわかった。  たとえば疫幽伸子(えきゆ . . . 本文を読む

『腐足り』80分デート。

2009年09月11日 18時02分51秒 | 日記系
 お泊りデートのあとに、彼女から呼び出しがあった。 ▼メール 件名:ちょっと 本文:金曜日会いましょう  な、なんだ……?  親に内緒でお泊りデートをしてしまった直後である。  この素っ気ない文面。  顔文字もない。句読点すらない。  真面目に殺風景。  なにか。  なにかあったのに違いない。  そう覚(さと)る。  そして金曜日。今日。  待ち合わせ場所で待っていると、能面のように表情の死 . . . 本文を読む

『腐足り』おうちデート。その1

2009年09月10日 20時41分01秒 | 日記系
 このあいだ、遊のうちに泊まった。  夢は家族と暮らしているが、その家族がたまたま旅行に出て家が無人になるので、内緒でお邪魔した。  バレたら大変、リスキーだった。  なのに僕たちといったらかんなりくつろいでしまった。 遊「本当言うとこれ、バレたらシャレにならないんだからね?」 僕「それくらいわかってますよ僕だって」 遊「だよね……でもなんなんだろーね、アンタといる、この安心感は」 僕「本当です . . . 本文を読む

『腐足り』ろうど。

2009年09月08日 18時38分15秒 | 日記系
遊「あんたさぁ、道路の反対ってわかる?」  唐突に、遊が言い出した。  道路の反対? 道路の反対は…… 僕「道向かい、ですか――」 遊「ぶぶっ(笑)、ブッブー、ハっズレー」  反対、つまり対義語のことか? 僕「道路に反対もなにも……建物ですか?」 遊「アンタぶぁかああ?」 僕「……いや、遊さんの問題の出し方に問題があるのでは」 遊「アンタうまいこと言って逃げるつもり?」 僕「逃げるつもりも . . . 本文を読む

『腐足り』腐りかけの彼女。

2009年09月06日 17時11分32秒 | 日記系
 どうも。囿です。  特に面白いこともないのですが、 遊「いいから書け、とにかく書け、書き続けろ」  と脅迫を受けているので、まぁ……  彼女について、少し書きたいと思います。  正直に言うと、僕の彼女は腐女子ではありません。  ただ少しオタクなだけです。僕と同程度かそれ以上の、まぁなんですか、マニアなんです。  あ、それよりも見た目、ですか?  えぇ、それはもう、なかなか、本当に、  フツーで . . . 本文を読む

『腐足り』誕生日。

2009年09月05日 15時56分12秒 | 日記系
 これは2日前の話になる。 遊「そろそろあんたの誕生日ね、セバス」 僕「誕生日が近いのは正解正解大正解なんですが、   僕の名前はセバスチャンでもクリスチャンでもありません!!」 遊「ほうほう、セバスよりクリスがよいか、なるほどぅ」  ちっ。余計な情報を与えてしまった!  ――不覚。 僕「あぁもう、クリスでもセバスでもいいから、何がなるほどぅ、なんですか?」 遊「なんだ、どっちでもいいのか。 . . . 本文を読む

『腐足り』父、謎の行動。

2009年09月04日 12時32分08秒 | 日記系
 最近、父の様子が変です。  いや、見た感じたいして変わっていないのですが……  あれは1年半くらい前。  わかりやすい文体で描いたわかりやすい小説を印刷した物を、父に渡したことがありました。  僕の短編小説の中で1番わかりやすい内容のはずで、少し前に遊に読ませても「おもしろかった」と言われた代物です。  なのに、それを渡した時の父の反応……  ともかく読みます、めくったりしています。  そして . . . 本文を読む

『腐足り』梨。

2009年09月03日 21時41分16秒 | 日記系
 僕は普通じゃないところでリハビリを受けている身です。  そのリハビリで、絵手紙を書こうというプログラムがあるのです。  そこでこの間なんとなく描いたものを載せます。  この日記『腐足り』のテーマみたいな絵になったので。  右上の字は、 「腐」  です。  あはは。 . . . 本文を読む