節分のお膳。
実家で父を見る日です。
母が恵方巻を用意してくれていました。
鰯を焼いて、かぶらとにんじん、大根、
水菜、薄揚げのお味噌汁、きゅうりとトマトとかぶらと玉ねぎの母の自家製ピクルス。もやしと小松菜をいためてゴマを和えました。
「大根おろしをすって」と頼むと父がおろしてくれました。
むかしむかし、私の子どもの頃、大根おろしをするのを頼まれて、ガーッとすっていると、祖母がやってきて
「大根おろしは、ゆっくりすらんとかろうなるよ。こどもやのうて、年寄りにすらせってなぁ。」
手が弱くなって力が入らないから、優しくつかんでゆっくり、ゆっくり。
本当に甘〜〜〜い大根おろしができました。
おばあちゃんの知恵が実証されるまでに長い時間がかかりました。
だって、おばあちゃんは年取ってもシャキシャキして、倒れたと思ったら入院してすぐ亡くなったし、みんな年取っても元気で、むしろ速くなって行くのだもの。
せっかち…うーん。イラチ!
父を見ていると、力が入らなくなった手元に集中して、おろすことだけに集中しています。
急いでおろす時は、たくさん仕事したような気がしていますが、他のことを考えています。
「速く終わらせたい。」
「たくさん、おろしたい。」
「次の仕事が気になる。」
「めんどくさい。」
「つまらない仕事」
「うまくおろしたい」
その仕事をゆっくり味わうなんて、これではとても無理。
味わいかみつくせば、いい仕事は勝手にできていく気がします。
父と祖母から今夜学んだことです。