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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

出会えた2冊

2006-12-05 16:10:37 | 好きな絵本

 ぽつんと落ちたしずくのような点が、頭の中で、いつまでも消えずに残っていて、}でも普段はちっとも意識とかしてなくて。なのに、ある日突然目の前にそれが現れると、私は
ずっとこれを探していたんだ、という深い喜びが沸いてくる‥。

 11月の初めに、目白のブックギャラリーポポタムで、イラストレーターの山本祐布子さん
絵本『ZOE』を見つけた時の気持ちは、そんなふうでした。ポポタムには、その日はじめて
行ったのですが、「絵本屋さん」っていうのともちがうし。大きな棚に、新刊本も古本も一緒に
置いてあるところが新鮮でした。

 
 私が山本祐布子さんを知ったのは、hinataさんこと、稲垣早苗さんが送ってくれた1枚の
切り絵のポストカードがはじまりでした。素敵だね、と話したところ、ギャラリーらふとの
「工房からの風」のポスターをお願いしている話を聞き、同じ頃『旅日和』という、山本さんの
本の存在も知りました。(その時の記録は

 『旅日和』は、切り絵のシャープさと、落ち着いた色合いが魅力的な、画集のような本ですが。
それより以前に出版されたこの『ZOE』は、キュートなティーンエージャー、ゾエの誕生日
パーティーの絵本で、紙を切って貼り合せている手法は同じですが、もっとポップで、もっと
自由な感じに仕上がっています。

 黒のサインペンと、包装紙‥みたいな組み合わせとか。
 フェルトのアップリケ、その上にさらに刺繍とか。

 
 コラージュとも違う、山本さんの切り絵を見ていると、紙をじょきじょき切っていく時の、
自分の耳元に届く音とか、手元に残る感触とかが、とてもリアルに甦ってきます。ただの
紙が、「かたち」になっていく過程で、そこに気持ちがはいっていくのではないかな、と思えるのです。

 四角く切られた「ただの紙」なのに、ほんとうにゾエへのバースデープレゼントが、
中に入っているみたいなんです。 


 画像でお見せできないのが残念です。
 
 『ZOE』 illustrated by YUKO YAMAMOTO
   227×177 size full coror.32P
  TRICOROLL BOOKS november 2000 releases. 

  
      *   *   *   *   *


 「出会えた2冊」のうちの、もう1冊も、同じ日に同じポポタムの棚で見つけました。

 題名は『しょうぼうていハーヴィニューヨークをまもる』
 マイラ・カルマン 作 矢野顕子 訳

 タイトルに“ニューヨーク“がついていて、訳者が矢野顕子さん、しかもユーズドブックスで
お値段もお手頃。それだけで、あとは何も知らずに選んだ1冊だったのですが、結果的に
「出会えた本」となりました。

 10年以上前からの、細い細い糸が、その本にも繋がっていたことがわかり不思議な
気持ちになりましました。ハーヴィの話は、次回に続きます。
 




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2 コメント

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ポポタムは (miyaco)
2006-12-05 22:26:48
不思議な本屋さんですよね。
私もあのお店に行くと、よく“出会い”ます。
rucaさんを誘った甲斐があった♪ヨカッタです!

山本祐布子さん、知りませんでした。
ホームページをちらっとのぞきましたが、素敵な感じですね。
返信する
miyacoさんへ (ruca)
2006-12-07 14:07:03
こんにちは。

miyacoさんと、ポポタムへ行ったことが
もうずいぶん前のことのような気がしています。

12月になって気ぜわしく、なかなか思うことが
まとまらず、軽いスランプに陥ってしまいました‥。

クリスマス絵本まで、辿り付けるかどうか
ちょっと心配です。

※二度程メールしましたが届いていますか?
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