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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

だいじょうぶ だいじょうぶ

2006-01-20 15:15:38 | ひらきよみ(読み聞かせ)
 今年最初の読み聞かせは、6年生のクラスでした。
選んだ本は、この絵本です。


だいじょうぶ だいじょうぶ


『だいじょうぶ だいじょうぶ』
       いとうひろし作





 ほんとうは、というか、最初は『ラチとらいおん』を読もうと決め
ていたのです。が、 「絵本日記」のみぃさんが書かれた記事
読んでいるうちに、どうしてもこの絵本を読んでみたくなり、
実際に自分で読んでみたら、今度は、6年生の前で
読んでみたくなったのです。

 おはなしは、ぼく おじいちゃん と過ごした日々を
すこし大きくなってから回想しているふうにすすんでいきます。

 成長していくということは、ほんとうにこんなことの連続だな
と思うことばかり。

 たとえば、新しい発見をすれば、それがこわいことや
困ったことに通じる場合もあるし、(絵では、大きな石を
持ち上げてみると、その下に蛇がいて驚かされます)
 わあ、と思って見上げていただけの飛行機も、
空から落ちることがあるという事実も知らされます。

 なんだか、このまま おおきく なれそうに ないと、
 おもえる ときも ありました。

 
そんなときに、おじいちゃんのおまじない、魔法の言葉。
それが 「だいじょうぶ だいじょうぶ。」 

 
何度も何度もその言葉を繰り返すうちに、ぼく の中で、
こわいものを克服する勇気や、学ぶ意欲、出会いへの期待
などが育まれていきます。

 私自身も、かつてその言葉から数え切れない支えを受け、
そして今、自分の子どもや、自分自身に対しても
気づかぬうちに(時には日に何度も)口にしている言葉です。
「だいじょうぶ、だいじょうぶだよ。」


 何度もこの本を読んでいるうちに、思いました。
ラチにとってのりんごと、この「だいじょうぶ」という言葉は、
まったく同じものなんだなあって。(『ラチとらいおん』は、
今学期中もう一度回ってくる6年生のクラスで、読むつもりで
いますので、そのときに詳しく書きたいと思っています。)

 読み聞かせの時の絵本は、あまりメッセージ性の強くない
ものがいいと思っていますが、卒業式が近くなると、
どうしても6年生には、「力が入って」しまいがちです。
 みんながナーバスになる時期だからこそ、からっと笑える
ような本のほうが、いいのかもしれないなあとも感じています。

 でも、親しんだ小学校をもうじきはなれていっても、みんななら
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」という老婆心(?)が、つい
働いてしまうのです。

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12 コメント

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Unknown (はらぺーにょ)
2006-01-21 00:18:46
rucaさん、こんばんは。

「だいじょうぶだいじょうぶ」という言葉は

とても安らぐ言葉であり、そして支えになる

言葉ですね。

希望と不安が交錯している6年生に、

ぴったり来る言葉という気がします。

rucaさん、さすがですね!

この絵本は見かけたことはありますが、

まだ読んでいません。

早速、読んでみたいと思っております。
返信する
すてきな『だいじょうぶだいじょうぶ』 (みぃ)
2006-01-21 05:32:19
私は嫌なことや怖いこととの出会いやそれを乗り越えていく過程をもう少し書きたかったのですが、上手くいかなくて諦めました^^;。



さすが、rucaさん!私が不本意だったその部分がすごく伝わってくる文章でした。



特に「ぼく の中で、こわいものを克服する勇気や、学ぶ意欲、出会いへの期待などが育まれていきます。」の部分。これはこの時期の6年生が抱えている不安に対して全て必要なものかもしれないですね。



それでも、自分の子どもに対してでもそうなので、メッセージ色の強い絵本を選ぶのを躊躇する気持ちも分かります。



次回の『ラチとらいおん』も楽しみにしています。どちらの本もきっと新中学一年生の心の栄養になると思います。そうやって、自分の子どもだけでなくて、たくさんの子供の成長にかかわれるのっていいですね。
返信する
この絵本 (新歌)
2006-01-21 21:10:28
本当に素敵な一冊ですよね。

優しさがあふれてくるようで、心が温かくなります。

「だいじょうぶ」っていう言葉は

子どもだけではなくて大人にとっても、すごく安心するもので

誰かに「だいじょうぶだよ」と言ってもらえると自信も勇気も出てきますよね。

『ラチとらいおん』に通じるところは、そこらへんかなと私は思います。

特にそれが自分の大好きな人だったり

尊敬する人だったりすると、なおさら力になるように思います。

6年生のお兄ちゃんお姉ちゃんたち、rucaさんの読み聞かせで

力をもらったと思いますよ。お疲れ様でした^^
返信する
だいじょうぶ (ぱいぽ)
2006-01-22 13:07:15
だいじょうぶ。

って、いいことばですよね。

私は子どものころ、いつも心配ばかりして、自分を出せないでいた子でした。中学に入り、新しくできた友人に、この言葉を口癖のようにしている人がいて、「ああ、だいじょうぶなんだ」と、心がすっと軽くなったのを覚えています。それから少し自分が変わっていったと思うんです。(変わりすぎて今は「だいじょうぶじゃないよ」と思わなきゃならないですが)

この本の話を読み、そんなことを思い出しました。
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本との出会い (ruca)
2006-01-23 14:24:02
はらぺーにょさん、こんにちは。



絵本との出会いって、おもしろいですよね。

最近はブログを通して「あ、こんな絵本があったんだ」「まだこれ読んだことない」っていうのが多いのですが。



『だいじょうぶだいじょうぶ』も、実は、去年の12月に4年生のクラスで読んだ人がいたのです。記録をとる係りをしているので、自分で打ち込んでおきながら(もちろん印刷もして)、でも、そのときには、手にしてみたい、手にしてみようというアンテナに引っかかってこなかったのです。



やはり、本文に書いたように、みぃさんの紹介がすばらしかったからだと思っています。
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あんなあばさん (ruca)
2006-01-23 14:31:34
みぃさん、こんにちは。



みぃさんにお褒めの言葉を頂いて、嬉しいです。

本を紹介する時に、「読み聞かせ」の中に入れる文章はわりとすらすら出てくるのです。

逆に難しいのは、自分がすごく好きな絵本を紹介する時。特に、B・クーニーの絵本は、どれも思い入れがあるせいか、毎回とても時間がかかります。



読み聞かせで、いろんな学年に行かせてもらうのは、とても楽しいです。自分の子ども以外の成長に係っているという意識はないのですが、いつかなんかの時に、あんなあばさんがあんな本読んでくれたっけ、と思い出してくれればいいなあと思っています。
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繰り返し (ruca)
2006-01-23 14:43:03
新歌さん、こんにちは。



『ラチとらいおん』を読むつもりです、なんてコメント残しておきながら、変更してしまいました。ごめんなさい。でも、この本もラチに負けないくらい素敵な絵本ですよね。



「だいじょうぶ」っていう言葉。一回ではなく、「だいじょうぶだいじょうぶ」って二度繰り返しいるところに、ほんとうの温かさがかくれていますよね。実際に口にするときも、必ず、2回繰り返して言っています「だいじょうぶ、だいじょうぶだから」とか。



最初の「だいじょうぶ」は子どもへ対して自信を持たせるものだったり、安心させてあげるものだったりで。あとの「だいじょうぶ」は、それを言っている自分自身への励ましだったりして、と、今思いました。



返信する
原点 (ruca)
2006-01-23 14:49:45
ぱいぽさん、こんにちは。



素敵な思い出の話を聞かせてくれて、ありがとうございます。



誰かの何気ない言葉で、ふっと肩に力が抜けて、生きやすくなることってありますよね。それが思春期の頃ならなおさらだと思います。



私の「だいじょうぶ」の原点は、もうだいぶ前に死んでしまった父方のおばあちゃんなんです。生まれた時から、お嫁に行くまで一緒に暮らしていました。その頃は気がつかなかったけれど、ずいぶん支えてもらっていたのだと、今になって身に沁みています。
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だいじょうぶを人形劇で観ませんか? (きくち)
2006-02-01 17:18:42
はじめまして、「だいじょうぶ だいじょうぶ」の検索でたどりついたものです。

わたしは今デフ・パペットシアター・ひとみという人形劇団の制作をつとめています。

昨年の2月に「だいじょうぶ だいじょうぶ?」(いといひろし原作)という作品を初演し一年、この度3月横浜、4月品川で自主公演を行うことになりました。

デフ・パペットはろう者と聴者がともにつくる日本で唯一のプロの人形劇団として、全国各地で公演をおこなっています。

様々な楽器での生演奏とせりふのない舞台が、いとうひろし原作のやさしい世界をつくりだします。やさしくてあったかくて、とてもつよくなれるおまじないのことばを目で、耳で感じて頂きたいと思います。お近くにお住まいでしたら、ぜひ足をお運びください!

横浜公演3/20(月)14:00/19:00/大人1,500円/こども1,000円/@泉区民文化センターテアトルフォンテ(相鉄線いずみ中央駅)

品川公演4/26(水)18:30/大人2,000円/こども1,500円/@きゅりあん品川区総合区民会館小ホール(大井町)

ホームページもぜひご覧下さい。

http://www.deaf-puppet.or.jp/

返信する
お誘いありがとうございます (ruca)
2006-02-03 15:41:41
きくち様。

こんにちは、そしてコメントありがとうございます。

人形劇での『だいじょうぶだいじょうぶ』。どんな

感じでおこなわれるのか、たいへん興味深いです。

もしも、もう少し近いところで公演があれば、観に

出かけることも可能かなあと思います。

HPのほうは、また見させて頂きますね。
返信する

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