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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

留めておきたい言葉・ことば

2006-01-19 15:05:55 | 好きなもの・音楽や本
 龍平さんが考えていると、おばあさんがひっそりと
いいました。
「写真の一枚一枚に、家族や写す人の、かけがえのない人生
があるんですよね。写真を撮る時には、心をこめて、
写してくださいね。」
 龍平さんは、その言葉に、胸がちくりと痛みました。

 これは『アンソニー はまなす写真館の物語』
      茂市久美子・作  黒井 健・絵
   アンソニー―はまなす写真館の物語の中の最後のおはなし、「ザシキワラシ」の一節です。

写真館の5代目となった龍平さんが、
初代嘉平さんに写真を撮ってもらった
ことがあるという、おばあさんの写真を
撮りに行った際に、そのおばあさんから
言われた言葉です。








 手に関わる事は、理屈の方でなくて、心の方にほんのりと
 暖かさを伝えてくれる。そして体を緩めてくれるのではと
 思います。

 これは、原毛から作ったフェルトで、作品制作をされている、
溝口恵子さん が、コメントの中でおっしゃっていたのですが。

第2回目の「工房からの風」に出展者として参加した際、
隣のショッピングセンターで、セールが行われていたとのこと。
でも、溝口さんのテントに寄られた方が
「優勝セールで、安売り!!って横で、
こんなイベントがあるってなんだかいいね。ほっとするね。
いいもの見せてくれてありがとう」と言葉をかけてくれたそうです。

 そのエピソードを教えてくれたあとに、添えられていた
ことばです。


 そのままにしておくと、私の心のどこかで埋もれてしまう
かもしれず。埋もれさせてしまうには、あまりにも惜しい
言葉やことばの数々を、こんなふうに記していきたいと
思います。

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4 コメント

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写真のこと (みぃ)
2006-01-20 06:26:53
先日、祖母のお葬式があったのですが、遺影がとても良かったので、叔父に聞くと、近所の写真が趣味のおじいさんが「それ用に…(^^;)」と撮ってくれたものということでした。着物をきっちりと着込み、じっと正面を見た写真は本当におばあちゃんらしさの出たいい写真でした。一度目はそのおじいちゃんが納得いかず取り直したそうです。そうやって近所のお年寄りの写真をとってあげているそうです。家族だとなかなかそんな写真をとっておけなんていえませんよね。みんなにすごく喜ばれているそうです。

自分の葬式につかう遺影を撮る時の心境はまだちょっと分かりませんが、おばあちゃんの写真があまりに綺麗だったので(といってもその時すでに90歳くらいだったらしいのですが)私もおばあちゃんになったらそうしようかなと思いました。

写真のことを書かれていたのでちょっと書き込ませてもらいました^^。
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わたしも、写真の話 (ruca)
2006-01-20 14:24:09
みぃさん、こんにちは。

おばあちゃんの写真の話、聞かせてくれて、どうもありがとう。まるで、はまなす写真館物語の続きを読んでいるようでした。(おばあちゃんのイメージも私の中でぴったり重なります)



遺影の話・・。私の父は、私の娘のお宮参りの際に、写真館でみんなで写した写真の一部を使いました。とってもきれいに加工されていて、まるではじめから一人で撮った写真のよう。顔もほんとに穏やかで。なかなか子どもを授からなかった長女の私に、赤ちゃんが生まれて、心からほっとしたんだという顔に見えます。



みぃさんからのコメントを頂くまでわからなかったけれど、この遺影のことが心のどこかにあって、物語の一節が留まったのかもしれません。
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Unknown (トモ)
2006-01-20 22:48:58
私はいつも、物には物語があるから、その物の生きてきた時間、自分が新しく創りだしたものなら、それがその先すごしていくであろう時間を大切に思わなくてはいけないと思っています。手で作ったものや、時間を経たものには、色濃く物語が漂うのではないでしょか。rucaさんが残す言葉にもきっと新しい物語が生まれますね。
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出会いと時間と・・ (ruca)
2006-01-23 11:18:54
トモさん、こんにちは。



トモさんの手から「新しく創りだした」作品に

ぜひ会ってみたくなりました。(HPでは拝見

させて頂きましたが)saonさんのお仕事を

通して、作り手の方たちを知ることができた

のは、ほんとうによき「出会い」だなあと

思っています。



私が書き残す言葉に、物語がもしも、生まれる

のだとしたら、それは読んでくれた方の心が

生み出した時間の賜物かなあと、思ったり

しました。
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