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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

わたし的集中読書月間

2016-02-19 16:42:14 | 好きなもの・音楽や本

昨年秋、なぜいまこの本を???と自問しながらも、used本のところで
こちらを購入し、年が明けてからずっと読んでました。

面白いことは面白いのですが、今から8年くらい前にでた本で、
載っていることはそれよりもさらに以前の情報なので、あーそうなんだ、
そうなんだ、と思いながらひたすらおわりをめざしました。

東京するめクラブの「隊長」は村上春樹氏で、30年来のファンは、こういうゆるい
春樹さんや、行動する春樹さんも好きなんですが、最後の方のサハリンについての
少々「まじ」な文章を読むと、やっぱりこういう春樹さんがいちばんいいなあと
思うのでした。


読み終わったとたん、物語への渇望が芽生え、図書館で、何冊も目についた
文庫本を借りてきました。

その中から最初に読んだのは‥。

はい、小川洋子さんです。

久しぶりのオガワさん、と思っていたら、今年はじめに、短編集を1冊読んでました。
装丁がステキだったので、借りてきたのでした。


小川洋子作品には、「気を付けて」いたつもりなのに、今年になって2冊も
読んでいたことにちょっと驚きました。
そして気づいてみれば、ここ数年でこんなに読んでしまっていました。



       


「博士の~」は映画化されたのをたしかはじめに観て、その原作だから、と思って
読んだような。

小川洋子さん。すごく上手いのです、文章も「静かな」場面の作り方も。
静かというのは、誰もしゃべらず誰も動かずの、静かさでもあるけれど、
突然の大きな声も、動揺も、悲しみも、嘆きさえ、静かに広がってくる気がするのです。
そして、読み終わった作品の場面を思い返してみると、高い天井や冷たい床、
広がった青い空に舞う小鳥さえ、とても静かなんです。



続けて読むとそのセカイに絡めとられてしまうので、次はともだちがみな読んで
いたので、「のっかって」借りてみました。



YA本のジャンルに入れてよいのでしょうかー。
魔女が出てくるので、ファンタジーなのかな。

主人公は地方の、海がある町に住む女の子で、彼女が中学の時から
20歳になった翌日までの物語です。
この町の子供たちの間には、海辺に住む魔女に想い出を「預ける」ことができて、
しかも代価としてお金がもらえるという話が代々受け継がれいますが、大人は
誰もそれを知りません。

質入れしてしまった想い出は、20歳になる前までにお金を払って戻さないと
流れたまんま。そう想い出は消えてなくなり、質入れしたことすら忘れて
しまうのです。

出だしの感じでは、魔法に預けた想い出のエピソードなんかが順番に
語られていくのかなーと思っていましたが、中盤から話はややハードな
感じになっていき、(私的には)意外な悲劇も盛り込まれ、でも最後は
ほっと一息つけたかなー、でした。

そして、考えてみましたよ。
私は想い出を預けるか預けないかー。

想い出は、繰り返し思いだすことによって、想い出になっていくのだと
聞いたことがあります。
だから、忘れてしまいたくことは、毎日まいにち、思いだして、上書き
していかなればならないのだそうです。
愚かではかないニンゲンの場合は、そうして想い出を芯にして、自分を
支え続けなければ、前に進んでいけないのでしょう。

だから、忘れてしまいたいことでも、預けないでそっと箱の一番奥に
しまっておこうと思います。


次に読む本はもう決まっていて‥なんせ集中読書月間なので・笑。


WOWOW でいまドラマ放送中との情報を得たのですが、
うちでは観ることができないので、では、原作を読んでみようと思ったのです。

その次は、また小川ワールドに戻るか(もう1冊借りてあるんです)、
映画より先に読もうと思い、予約したら順番が回ってきた、こちらにしましょうか。





吉野万里子さんの別の本も予約したし、3月に向けて沢木耕太郎さんも
何冊か読んでおきたいし‥(3月に地元の図書館で講演会があり、その抽選に
当たった友達が、自分は過去に何度か沢木さんのはなしを聴いたことが
あるからと、当たり券を譲ってくれたのです)

攻めの読書(笑)、まだまだ続きます。



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