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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

ろばのナポレオン ライフタイム

2016-02-12 18:06:42 | ひらきよみ(読み聞かせ)

今日は小学校での読み聞かせ当番でした。
6年生のクラスで絵本を2冊読んできました。

これは、本とは直接関係がないことですが‥
ずっと同じ小学校で、何年もの間読み聞かせをしていると、
廊下で待っている間のわずかな時間や、教室での座り方や
先生のちょっとした言い回しで、そのクラスがうまくいっているのかどうか
がわかってくるようになります。
そういう点で、今日のクラスは卒業まで1か月と2週間くらいしか
ないのに、ちょっと残念というか、かわいそうだなと感じてしまいました。
挨拶の声も小さく、わざと横に広がって絵本を見ないようにしている
グループが男女ともにいましたから。

でも、1冊目の本を読み始めたら、お喋りの声はほとんど聞こえなく
なったので、ストーリーの成り行きを気にしてくれているのかなーと
思いながら読みました。



図書館で偶然見つけて、やわらかく優しい絵に惹かれて手にしてみれば、
初版は1995年ですが、図書館にあったものは、わりと新しく福音館から出た絵本でした。
なんで、今まで知らなかったのかな?と、借りてきて調べてみたら‥
福音館書店60周年記念のセットもので、『図書館員が選ぶ復刊絵本セット(全11冊)』
のうちの1冊であることがわかりました。

表紙のろばの名前がナポレオン。
機織りで生計を立てながら、こどもを一人で育てているマーラに飼われ、
平和で楽しい日々を送っていましたが、病気になったマーラは仕事が
できなくなり、お百姓のところに売られてしまいます。

農家での暮らしは厳しく、ナポレオンは つかれて、かなしくて、すぐに
ねてしまいました。
そこへ、マーラの家の石垣にいつも遊びに来ていたからすが、
「やっと みつけたわ。 ああ うれしい。あなたにあいに、こんどは ここへくるわね」

ナポレオンは、遊びに来るからすに「きみの すに おつかい」と、いって、いつも
ほしくさをあげていたのです。
もらったほしくさを、からすは今度はマーラの家に持っていきます。
マーラがそれを日に透かしてみると、なんと それは うつくしい きんのいとでした。

からすの往復は、マーラの病気が治るまで続きます。
そしてマーラはきんのいとを混ぜて織物を仕上げますー。

お話は、マーラが無事にお百姓からナポレオンを買い戻し、めでたしめでたしで、
終わります。
きんのいとがマーラに莫大なお金を授けるわけでも、お百姓が意地悪で
ナポレオンを返してくれなかったわけでも、ナポレオンがろばにされてしまった
王子だったわけでもなく(笑)、淡々と進んでいくお話ですが、読後は、静かで
優しい気持ちが胸に残る、いい絵本だったなあと思います。


もう1冊は、昨年秋に買ったばかりのこちらの絵本。


様々な生き物の観察記録や平均寿命を調べて、そこから計算した数字を、絵とともに
楽しむという絵本です。

たとえば、表紙のキリンはアミメキリンで、体長は5メートル。英語では200インチ。
体のアミメ模様は、両側に185個から215個あると言われているそうで‥だから
およそ200個。(200インチで、200個!ってすごいですよねー。)

キツツキが一生の間に木にあける穴は30個、とか、アカカンガルーのめすは
一生の間に(平均寿命は21~22年)50匹の赤ちゃんを産むとか。
巻末には、出てきた動物の紹介と、どのようにその数字を導き出したかの
根拠と計算式もちゃんと載っています。



ちょっとハスに構えて(?)絵本を見ていた今日のクラスの6年生も、50匹の赤ちゃんには
さすがにちょっと驚いた声を出していました。


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